ワニを使って恐怖を演出している、そこそこ楽しめる娯楽映画。会話やストーリーを追うのが面倒臭いときに見るべき作品です。59点(100点満点)
クロール凶暴領域のあらすじ
大学の水泳選手ヘイリー・ケラーはある日、練習を終えると、フロリダにカテゴリー5の巨大ハリケーンが上陸しているとの知らせを受ける。
ヘイリー・ケラーは父親に電話をかけるものの彼は電話に出なかった。その頃には地域一帯では非難勧告が出ていた。
しかしヘイリー・ケラーは検問を破って父親の住む家に向かった。彼はなぜかアパートではなく、以前家族が住んでいた家にいた。地下で怪我を負って意識を失っていたのだ。
まもなくハリケーンと大雨のせいで大量の水が地下にまで流れ込んできた。すると突然、そこに二匹のワニが現れ、二人に容赦なく襲いかかってくる。
クロール凶暴領域のキャスト
- カヤ・スコデラリオ
- バリー・ペッパー
- アンソン・ブーン
- ホセ・パルマ
クロール凶暴領域の感想とあらすじ
「ルイの9番目の人生」や「ピラニア3D」などで知られるアレクサンドル・アジャ監督による、密室動物ホラー。
よくあるサメ映画をワニに置き換えて、シチュエーションを家の中にしただけの話ですが、ワニ&密室の組み合わせがなかなかはまっていて、ハラハラドキドキの内容に仕上がっています。
これまでにもワニ映画はいくつか公開されています。しかしいずれもプロットは自然の中に巨大なワニが現れる設定だったと思います。
それに対してこの映画の場合、ワニが家の中で暴れる、という点においてかなり斬新ですね。
ストーリーは単純明快で、フロリダに住むお父さんと娘がハリケーンが上陸した際に家の中でワニに襲われる、ただそれだけです。
二人のバッググランドは両親が離婚していて、娘が水泳選手という以外なにもなく、逆にそれすらいらないんじゃないか、というぐらいストーリーを必要としない映画です。主要登場人物もたった二人だけ。
そんな中で上手い具合にワニがいる地下室や家の中から親子が閉じ込められる状況を作っていて、狭い室内にいながら爬虫類の動物に襲われるというシュールなシチュエーションを映像化していました。
「MEG ザ・モンスター」みたいなしょうもないサメ映画より個性とアイデアに富んでいるし、そこそこ楽しめましたね。特に風呂場でワニと格闘するシーンとか面白かったし。
上映時間が90以内に収まっていて、ワニから逃げるだけのサバイバル劇を簡潔にスピーディーに描いているのが功を奏したんだと思います。
「MEG ザ・モンスター」みたいなしょうもないサメ映画よりは個性とアイデアに富んでいるし、そこそこ楽しめましたね。頭を使いたくないときには最適。
一方でリアリティーがあるかと言われると、ワニがあんな狭いところにわざわざ入ってくるかなぁ、と思うシーンや、いくらなんでも賢すぎやしないか?といった行動のせいであまり現実味はないですね。あの地域だけでワニ何匹いるんだよって話だし。
ハラハラドキドキはするのに対し、そもそもワニってそんなに身近な動物じゃないので、日本人には特に恐ろしさがピンと来ない部分もありそうです。
逆にフロリダとかワニの生息地に住んでる人々にとっては想像を膨らませやすいだけあって何倍も恐怖を感じるのかもしれません。
ヒロインのヘイリーが水泳選手っていう設定は、わざとらしくて笑っちゃいました。タイトル通り、いきなり彼女がクロールしているシーンから始まるからね。
英語で腹ばいで進まないといけないぐらい天井の低い地下などのスペースをクロールスペースっていうらしく、メインの舞台が地下室だけにタイトルはそこから来ているに違いないです。
クロールスペースをワニに追いかけられながら水泳のクロールで泳いで進んでいくっていう映像が撮りたかったんでしょうね。なんかギャグみたいだけど。
基本、泳ぐシーンはクロール、あるいはバタ足のゴリ押しで、そんな中でも一瞬ついつい平泳ぎをしちゃうシーンもありましたね。ダメだよ、ちゃんとクロールで統一しないと。
あと、ヘイリーが若干ワニに噛まれすぎですね。腕や足を散々噛まれた後は案外平気な顔をするし、どんだけタフなんだよって。もしかすると全部甘噛みだったのかなぁ。でもワニの甘噛みって絶対軽くないよね。
これでラストにサプライズがあったらもっと良かったなぁ。ホラー映画なんだからいっそのことみんな食べられちゃえばいいのに。
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