作らなければよかった続編アニメーション。ストーリーに脈略がなく、一本の線で結ばれていない動物救出劇です。37点(100点満点)
ペット2のあらすじ
犬のマックスの飼い主ケイティはある日、チャックと結婚し、二人の間にリアムが生まれる。
マックスはリアムが家に来たことで自分の居場所を見失うも、やがてリアムが大きくなるに連れ、自分に懐くようになることに幸せを覚える。それ以来、マックスにとってはリアムの安全を守るのが第一の使命となった。
ある日、家族は田舎にバケーションに行くことになり、マックスはニューヨークとは全く違った別世界を知ることになる。そこで見た羊飼いの犬は勇ましく、まるで都会育ちのマックスとは違っていた。
一方、犬のデイジーはウサギのスノーボールのもとへ行き、サーカスで虐待を受けているホワイトタイガーを救出してくれないかと頼む。
格好つけのスノーボールはスーパーヒーロー、キャプテン・スノーボールに変身し、デイジーに言われる通り、サーカスに向かう。するとそこには狂暴な狼たちがホワイトタイガーを見張っているのだった。
ペット2のキャスト
- パットン・オズワルト
- エリック・ストーンストリート
- ケヴィン・ハート
- ジェニー・スレイト
- ティファニー・ハディッシュ
- レイク・ベル
- ダナ・カーヴィ
ペット2の感想と評価
「ミニオンズ」でお馴染みのイルミネーション・エンターテインメント製作による、クリス・ルノー監督が撮った「ペット」の続編。
可愛い動物たちがニューヨークの街を舞台に繰り広げるハチャメチャ劇で、BGMはいいし、笑えるシーンはいくつかあるものの、前作と比べても大分ストーリー性に欠ける仕上がりになっています。
物語は、主人公の犬マックスが飼い主のケイティやその息子に対する思いや忠誠心を語るところからスタートします。
それはトイストーリーの玩具が子供に抱く感情とまるで同じで、そのまま動物と飼い主の絆を描いたストーリーになるかと思いきや、急に話は脱線し、いつの間にか動物たちがサーカスで虐待を受けている虎を助ける話にすり替わります。
その無理やりで唐突なテーマチェンジといったらなく、それならあの冒頭の語りは一体なんだったんだ、と思いましたね。農園にバケーションに行く下りも、メインのストーリーとなんのつながりもないし。
あの虎が昔からマックスやスノーボールの仲間とかならまだ分かるけど、あんなにみんなが必死で助けようとしているのがろくに知りもしない動物だからね。あいつ誰だよって誰も疑問に思わないのかなぁ。
それも子犬やウサギたちが助けようとするのが、どう考えても登場する動物の中で一番強い虎だ、という点もひっかかりました。
むしろ虎がほかの動物を助けろよっていう話じゃないですか。なんで虎が狼ごときにビクビクしながらウサギと猫と犬なんかに命を救われるんだよ。
また、ラストもなぜかマックスが子供のリアムのことがどれだけ大事か、みたいなまとめ方で終わっていくんですよ。
いやいや、そんなにいうほど、物語の中で全然リアムと絡んでなかったじゃん。なにを綺麗にまとめようとしてんだよって思っちゃいましたね。
確かに前作に引き続き、うさぎのスノーボールをはじめ、動物のキャラクターたちはそれぞれ可愛いんですよ。それに笑えるし。
でもあのまん丸の大きな瞳に騙されちゃだめですね。あまりにもキャラの可愛さに頼りすぎていて、ストーリーが穴だらけだからです。
サーカスから救出した虎をニューヨークのアパートに連れて行くとかありえないし、高速で走っている列車の屋根の上を犬が走り回ったり、ちょっとやりすぎ感が見てられませんでした。
人間社会を舞台にしている割には、ほぼ人間が出てこないし、ただの動物の世界の出来事になっていて、それなら都会じゃなくてもいいし、わざわざ人間に絡めなくてもいいよね。
おそらく「ペット」がそこそこ売れたから、無理に続編作ったんでしょう。「怪盗グルーのミニオン大脱走」や「グリンチ」もいまいちだったし、最近イルミネーション・エンターテインメントは一時の勢いを失い、間違いなく失速してますね。
そもそも動物アニメーションはもう出尽くしたし、これ以上の広がりはあまり期待できないじゃないですか。「SING/シング」と「ペット」と「ズートピア」なんてもうどれがどれだか分からないし。
ここで復活するにはやっぱりもうミニオンズしかないでしょ。それでもこけたら結構厳しそうですね。
コメント