オムライスが食べたくなる以外は、なんの感情も恐怖も呼び起こさない駄作。作り方が雑すぎて映画作品として機能していないです。1点(100点満点)
映画来るのあらすじ
田舎から東京に出てきて仕事で成功している田原秀樹は加奈と結婚し、娘の知紗を授かり、公私ともに充実した生活を送っていた。
ところが秀樹は、あるときから正体不明の「それ」が自分や家族を連れ去りに来る、という恐怖に襲われるようになり、親友を通じて霊感の強いキャバ嬢を紹介してもらう。しかし「それ」の勢いは増すばかりで、次々と恐ろしい怪奇現象を目の当たりにする。
やがて秀樹は霊能力者に言われるがままに「それ」を家に呼びよせようとするが、、、、
映画来るのキャスト
- 妻夫木聡
- 岡田准一
- 小松奈々
- 黒木華
- 青木崇高
- 松たか子
映画来るの感想と評価
「渇き。」や「告白」など、人の時間を無駄にすることを得意とする監督、中島哲也が撮った、基本がなっていないホラー。澤村伊智の「ぼぎわんが、来る」の映画化です。
なんかこの感じ、「渇き。」のつまらなさに似てるなぁ、と思ったらやっぱり同じ監督でした。いつまでこの手法で撮る気なんだろう。とにかくカットを多くすればテンポがよくなるとか思ってるでしょ?
終始メリハリがないし、一つ一つのエピソードを描き切っていないうちに次の話に行くから途中から見るのが嫌になるんですよね。
テロップの使い方もおかしいでしょ。「1年後」とか「2年後」っていうテロップの使い方をするかと思ったら、いきなり「1時間後」とか言い出すからね。1時間後にテロップ必要?
雑な編集、無駄に長い上映時間、わざとらしい演技、うるさいBGM、過剰な演出、意味不明なストーリー、コロコロ変わる主人公、すっきりしないラスト。これだけひどい要素を集めた映画も珍しいですよ。
最大の問題点は、ホラーでありながら、全く怖くないことですね。すっきりしなくても、ストーリーが意味不明でも、なんとなく雰囲気だけでも怖かったら、ホラーとしては成立するんですよ。
でもこの映画の場合、恐ろしい霊に取りつかれて、血がたくさん出たら、ほら怖いでしょ?みたいな幼稚な恐怖しか提供してくれないので退屈するか、寝るかぐらいしか選択肢がなかったです。お願いだから少しぐらい怖がらせてくれよ。
いわゆる悪霊系ホラーなんだけど、一人の少女をめぐって正体の分からない「それ」がどこまでもつきまってくるのはまだいいんだけど、延々と「それ」が来るとか来ないとかを登場人物が言い合ってるのが最悪でした。
「イット・フォローズ」を日本文化風にして、百倍つまらなくなくしたみたいな感じかな。迫りくる恐怖とかなにもないからね。来るものも最後まで来ないのよ。
「それ」については登場人物が色々と説明しようとするものの、そもそも心霊の世界のことを必死で理屈で解説してる時点で寒いからね。
それもさも分かった態でレクチャーしてくる霊能力者がそれっぽいことを色々いうわりには中身が何もなくて、結局何も話してないのと同じっていうね。
ものすごい情報は多いくせに結局なにが言いたいのかよく分からない詐欺師の自己啓発セミナーを聞かされたみたいな気分になりました。
いちいち描写が大げさなのもいけませんね。沖縄のユタとか、アメリカ人が日本を描いてるのかよっていうぐらいでたらめだし、霊媒師的なキャラはみんないい加減に描かれたのが笑えます。
それに松たか子の役作り、あれなんなの? メイクもひどいし、漫画のキャラかよ。
夫婦の幸せと不幸のギャップも広げすぎです。夫は周囲には完璧なお父さんとして知られている。でも実際は育児ブログで書いてあるような男ではなく正反対だったとか、だからどうしたの?って話じゃん。一つ一つのエピソードが恐怖と結びついてないんだよね。
愛情不足の寂しくなった子供が霊を呼び寄せちゃうんだったら、そこら中「それ」だらけじゃないとおかしいじゃん。娘の知紗はどう特別なのよ?
プロットが少女にこだわりすぎてるのに、実際触れるのは両親やその周囲の人間のことばかりで、少女自身についてはほとんど触れないし、セリフも少ない扱いがまた理解に苦しみますね。「オムライス」としか言わないのがさすがです。
主人公が夫、妻、知り合いのライター、といった順番で変わっていくけど、夫>妻まではいいとしても、なんでいきなり次が知り合いの男なんだよって。なんであいつが赤の他人の子供を引き取っちゃってるの? どんな法律で、あいつらが親代わりになるんだよ。せめて妻で完結する話にしなきゃダメでしょ。
それでもラストのバカなオムライスの歌を聞かされて、不思議と食べたくなってきたのは否定しません。なのでさっそく今からオムライスを作ろうかなと思います。
コメント
本当に仰る通りですが1点は高過ぎると思います。
確かに我が富山県民の星である柴田理恵の魅せ場など評価すべき点も有りましたが、評価の通りただの舞台装置と化したぼぎわんや、スプラッタに成り損ねた虐殺シーン、纏まろうともしない脚本等だけでもマイナス点だろうと感じました。
個人的に1番納得出来なかったのは、ラストで特に罪悪感以外で明確な理由も無く強力な専門家である松たか子に逆らって巻き添えで大量の霊能力者を殺しまくってまで、明らかにぼぎわんに関与しているあの子供を助け、本人達だけははのうのうと生き延びているという脚本です。あれだけでもディスクを叩き割る理由にはなると思います。
映画男さんのレビューは毎度楽しく読ませてもらっているのでこれからもアンチに負けず頑張って下さい。
ありがとうございます。数少ない応援してくれる方々のために頑張ります。
オムライス!オムライス!
映画、四日間の奇蹟で、サバン症候群の女子高生がそう、さけんでましたね。
たぶん、この映画は、その続編でしょう‼️
小学生の映画研究会が作った様な映画。
物語も設定もキャラクターも全て、既存の小説や漫画からパクったような「やっつけ仕事」感満載。
邦画のひどいのは研究会レベルですよね。
この映画、近年にみる駄作にて。時間を返して欲しいと心からおもいました。
まあ、本当にこれほど酷い映画には遭ったことがないです。せっかくのキャストなのに、どうにもつまらない映画でした。
ひどいですよね。
最初の30分、結婚して子供が出来て俺って本当幸せ!な俺物語。見ていて本当に苦痛でした。ただ夫が亡くなってからの主人公が夫→妻に変わってこの映画に対する評価を変えました。結婚してから天から地に転落する様は本当にリアルで良かったです。あの幸せ結婚式からの夫が亡くなって割とすぐに次の男に乗り換える展開は最高に皮肉が効いていて素晴らしかった。
この人こそが運命の相手、自分達は世界で1番幸せ、結婚出産のテンプレを辿れば幸せになれるとい込んでいる頭の中お花畑なバカップルにこそ見て頂きたい現実的な社会ドキュメンタリー映画でした。
オムライス食べたい。
前半との落差が面白かったです笑
オムライスだと思って食べたらオムレツだったみたいな。