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プライベート・ウォーはジャーナリストの生きざまを描く!感想

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この記事は 約5 分で読めます。

片目の女性ジャーナリストが戦場を駆け巡る実話ベースの戦争ドラマ。ジャーナリズム精神が強すぎて、限界を超えてしまった女性の物語です。56点(100点満点) 

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プライベート・ウォーのあらすじ

メリー・コルヴィンはサンデー・タイムズで働く、女性戦場ジャーナリスト。危険な戦争地帯での取材も厭わない彼女はジャーナリズムの世界では知られる存在で、多くの人たちから尊敬されていた。

メリー・コルヴィンは2001年、スリランカでタミル人のテロ組織タミル・タイガーを取材中、スリランカ軍との銃撃戦に巻き込まれ、片目を失明してしまう。

それを機に眼帯をつけるようになり、それが彼女のトレードマークとなる。怪我を負っても決して仕事を辞めようとしなかったメリー・コルヴィンだったが、戦場で数々の悲惨な状況を見て来たこともあって、やがてPTSDを患い、アルコールにも溺れていく。

それでもメリー・コルヴィンは使命感にかられてリビアやシリアなど次々と戦争の最前線へと飛び込んでいく。そしてたどり着いた場所が内戦が悪化の一途をたどっていたシリアのホムスだった。

プライベート・ウォーのキャスト

  • ロザムンド・パイク
  • ジェイミー・ドーナン
  • スタンリー・トゥッチ
  • トム・ホランダー
  • コーリイ・ジョンソン

プライベート・ウォーの感想とネタバレ

カルテル・ランド」、「J・バルヴィン・メデジンから来た男」のマシュー・ハイネマン監督による、実在したジャーナリスト、メリー・コルヴィンの人生をつづった戦争バイオグラフィー。

世界中の戦地を取材し、各地で起きている現実を国際社会に命がけで伝えた女の生きざまを描いた物語です。

ヒロインを演じたロザムンド・パイクがいい味だしてるし、世界各地の戦場シーンは迫力があって、普通に見れる映画に仕上がっています。

それに対して、メリー・コルヴィンの生い立ちなどには触れておらず、最初から有名になった状態で話がスタートするので、あそこまで仕事に駆り立てられる彼女の背景はほとんど見えてこなかったです。もっとそれ以前のエピソードがあってもよかったですね。

女性戦場ジャーナリストを題材にした作品といえば、カメラマンを描いた「おやすみなさいを言いたくて」を思い出します。

おやすみなさいを言いたくて」は可愛げのある女性カメラマンの話でしたが、こちらは男勝りのタフな女性の勇敢とも無謀とも言える、怖い物知らずな姿を伝えています。

メリー・コルヴィンの話し方がそもそも男っぽく、振る舞いもかなり男性的です。戦場で名の知れている彼女を前にするとほかの男性ジャーナリストたちが委縮するほどで、メリー・コルヴィンはそんな男たちを積極的に引っ張っていくボスキャラになっていました。

それもそのはず、彼女は男たちが怖がって近づこうとしない場所へも平気で行ってしまうほどの肝っ玉の持ち主で、取材規制がかかっていようが、本社に止められようが、スクープのためならどこへでも突撃していくからです。

また、スリランカのテロ組織タミル・タイガーのボスやリビアの独裁者カダフィなど大物たちとも直接コンタクトを取り、話を聞きに行ったりと、普通のジャーナリストではとても実現できないような取材を成功させます。

しかし一見強そうで、怖い物知らずのメリー・コルヴィンは精神的にも肉体的にも長年のトラウマによってボロボロで、PTSDを患っているだけでなく、刹那的に酒や男に溺れるのが人間らしかったです。あれでプライベートでもストイックで、健康な生活してたら逆にマシーンですよね。

いい歳をした中年女性であるメリー・コルヴィンがまるで女子大生のように簡単にノリで男たちとやってしまうシーンの数々は、実際本人がそういう生き方をしていたのか、あるいは映画的なサービスシーンなのか、どっちなんでしょうかね。

ちなみにメリー・コルヴィン本人はこちら。

普段命がけの仕事をしているだけにその反動で、子孫を残そうといった本能ややれるうちにやっておこうといった欲望がうごめくのかもしれませんよね。だからただのお色気シーンだとしても理にかなってるなあ、と思っちゃいました。

また、普段男勝りなだけに女になったときは数倍色っぽいですね。もしあんな色気があったら戦場でモテモテだろ。

さて、そんな強さも弱さも兼ね備えたヒロインは、シリアで戦争が勃発すると、当然のごとく現地入りします。

それも政府軍による集中砲火を受けている都市ホムスに行き、そこで瓦礫と化した建物の中で身動きの取れなくなった人々を取材するのでした。

それにしてもよくもまああんな危険ところに飛び込んで行くよなぁ、と感心すると同時に、世界に生の声を届けるんだ、という強い使命感のせいで、自分の命を守るための危機管理がおろそかになってしまうところには複雑な気持ちになりましたね。

劇中で本人はこう言っていました。

「戦場に行くのは大嫌い。でも行かずにはいられない」

つまり戦争ジャンキーになっちゃってるんですよね。一度戦争の興奮を知ると、温い生活に戻れなくなる、といった話はよく聞くけど、彼女もまた銃弾が飛び交う中を走るときに出るアドレナリンを何度も求めてしまっては病みつきになってたのかもしれませんね。

一方で命を落とすほどの危険を冒すと、自分だけではなく、他人も巻き込む場合もあるので、メリー・コルヴィンの命知らずの行動の数々には賛否両論ありそうですね。

果たして帰国命令を無視して、危険な地域に居残るのがジャーナリズム精神なのか否か、というのは難しいところです。彼女にとってはそうだったんでしょう。日本だったら批判されるんだろうなぁ。 

コメント

  1. アオヤンマ より:

    どうしようかな、と思っていたけれど、観てみたいなと思いました。