前回売れたからって当然今回も売れるだろうと思って作った失敗作。「カメラを止めるな!」を絶賛してた人たちは一体どこに行っちゃったのか、と思うぐらい話題性に欠ける映画です。3点(100点満点)
ハリウッド大作戦のあらすじ
「カメラを止めるな!」から半年。またしても同じクルーたちで、ゾンビのワンカット生放送番組を撮影することになった。今回の舞台はハリウッド。
出演者たちは数日前に現地入りして撮影に臨む予定だったが、不祥事によってスポンサーが降板し、ハリウッド行きは断念となる。
しかしすでに宣伝を打っている番組をキャンセルすることだけはできない。ハリウッドに行けないなら日本でハリウッドを演出すればいい、とのプロデューサーの思いつきで、クルーたちは、またしても即興に即興を重ねたゾンビ番組を作ることになる。
ハリウッド大作戦のキャスト
- 真魚
- 濱津隆之
- しゅはまはるみ
- 秋山ゆずき
- ド・ランクザン望
- チャールズ・グラバー
- 細井学
- 長屋和彰
- 市原洋
- 山﨑俊太郎
- 吉田美紀
- 合田純奈
- 藤村拓矢
- どんぐり
- 大沢真一郎
- 曽我真臣
- 山口友和
- 浅森咲希奈
- 生見司織
- 久場寿幸
- 白岡優
ハリウッド大作戦の感想と評価
中泉裕矢監督、上田慎一郎脚本による「カメラを止めるな!」のスピンオフ映画。前作と全く同じ手法で撮ったB級ゾンビもので、なんの変化も成長もしていない作品。
大成功した前作の熱が冷めないうちに新作を撮っておこうというのは理解できます。しかし全く同じパターンとスタイルで作っちゃうところに手抜き感とセンスのなさを改めて感じました。
前作があれだけ大ヒットしたのなら、通常は一定数の視聴者は見そうなもんだけど、この映画ほとんど話題になってないですよね? みんなもうお腹一杯なんだろうなぁ。いくらなんでも同じコントは何度も見れないよねぇ。
「カメラを止めるな!」ってストーリーが面白いとかじゃなくて、本編と撮影の舞台裏を見せる手法が受けただけなのに、同じ手法で作るってことは同じ手品の種明かしを二度するみたいなことなんですよ。
例えばクリストファー・ノーランが「メメント」で売れたからといって次回作も同じ手法で撮ったりしないじゃないですか。それやっちゃうと滅びるしかないからね。
しかしこの映画の場合、前作同様、前半はワンカットのゾンビストーリー。後半は撮影の舞台裏を見せて、はちゃめちゃな現場の様子をコミカルに描いていきます。
また必殺技の「ポン」が出て来たり、スタッフが飛び入りで出演したり、といったドタバタ劇が繰り広げられ、クスっと笑える箇所はいくつかあるものの、前作同様爆笑などとはほど遠いレベルになっています。
前作との違いは、舞台が”ハリウッド”というのと、キャストに外国人が加わったことぐらいでしょうか。
とはいえ舞台はハリウッドといいつつも一瞬で日本で撮影したことが分かるので、それを後半にネタバレみたいにされても到底笑えないし、安っぽさで言ったら完全に前作を上回っています。
キャストといい、ストーリーといい、演技といい、とてもお金取って見せるレベルじゃないです。
唯一、前作よりましなのは、上映時間が1時間弱に短縮されたことで、1時間くらいならまあ見てもいいかな、というノリで見る人もいるんじゃないでしょうか。ただ、その1時間楽しめるかというと、楽しめないんだけどね。
上田慎一郎監督はせっかく大成功して、名前も売れたのに、これからも低予算低クオリティ路線で行くのでしょうか。
一発当てただけでも十分にすごいんだけど、今のうち次の手を打たないと「そういえばそんな奴いたなぁ」って言われちゃいそうだから、次はぜひしっかり制作費集めて、プロの俳優たちを起用して大作に挑戦してもらいたいですね。やはり真価を問われるのはヒット作の次の作品じゃないですかね。もしこのハリウッド大作戦を次回作とするのなら、もう結果は出ちゃってるけど。
コメント
これは上田監督ではないですから二作目とはいわないですね。
まぁ製作総指揮と脚本だから、擁護の仕様はないけど、
結局はスピンオフだから、完全にカメ止めファン向けですしね。
ファン向けに作ったのはいいけど、そんなにファンがいなかったっていうオチだったのかもしれませんね。
今年に第2作目の新作スペシャルアクターズが公開されるみたいで、その映画が正念場でしょう。ただ、今までつくってきた短編をみてみたのですが映画なのに舞台劇みたいですね(笑)部屋の一室とか限られた場所でくだらない事について討論しあって少しのどんでん返しがあるという、ようは最近多い発想力の乏しい邦画です。低予算だからロケとかが限られるのはしかたありませんが、もう少しセリフだけでなく動きとか面白い設定で楽しませてほしいです。せっかくの映画ですので。
今年に新作が出るんですね。ちょっとは予算集まったのかなぁ。それともまた低予算なのか。舞台劇を映画の中でやると大抵つまらないんですよね。どうなることやら。