コアなファンにとっては物足りない映画なのに対し、そうじゃない人にとっては分かりやすくて見やすいSF映画。ただ、いずれにしてもそんなに面白くはないです。39点(100点満点)
X-MEN: ダーク・フェニックスのあらすじ
1992年、Xメンはアメリカ政府の依頼を受けて宇宙空間で損傷を負った宇宙船のクルーを救出するミッションに向かう。
全員のクルーを無事救ったXメンたちだったが、ジーンだけスペースシップの外に取り残され、邪悪なコズミックエネルギーを体内に吸い込んでしまう。
幸い命に別状はなかったが、地球に戻ってからジーンは体内に溢れるダークなパワーに翻弄され、自分を見失っていく。やがて意図せず仲間のミュータントたちにも危害を加えてしまったジーンは、学校を抜け出し、死んだはずの父親を探しに行く。
プロフェッサーXから死んだと告げられていた父親は実は生存していたのだった。しかし父親の家に行くと、ジーンはかつて母親を交通事故で殺したのは自分であることを知ってしまい、動揺する。
ジーンはますます自分に宿る邪悪なパワーのコントロールを失い、誰を信じていいのか分からなくなる。プロフェッサーXをはじめXメンのメンバーたちがジーンを連れ戻しに来ても、彼女は拒否し、自分の居場所を探すように辺りをさまよう。
ジーンはマグニートーことエリック・レーンシャーのもとを訪れ、助言を求めたが、彼もまた彼女の力にはなれなかった。そんなときにジーンのことを恐れず、受け入れてくれたのが宇宙から来た、姿を自由自在に変える謎の女だった。
X-MEN: ダーク・フェニックスのキャスト
- ソフィー・ターナー
- ジェームズ・マカヴォイ
- マイケル・ファスベンダー
- ジェニファー・ローレンス
- ニコラス・ホルト
- タイ・シェリダン
- アレクサンドラ・シップ
- エヴァン・ピーターズ
- ジェシカ・チャステイン
X-MEN: ダーク・フェニックスの感想と評価
脚本家として知られるサイモン・キンバーグの初監督作品。「X-MEN: アポカリプス」に続く、同シリーズの集大成です。
「アベンジャーズ・エンドゲーム」が世界的に大ヒットしたのに比べ、こちらは同じマーベルコミックを原作にした実写映画でもテーマのチョイス、劇場公開のタイミング、出演者の酷いパフォーマンスなどのせいで、各方面から散々な評価を受け、興行成績も振るわなかった失敗作です。
確かにほとんど見どころはないし、インパクトのある新キャラクターが登場するわけでもないし、以前からあったプロジェクトをただ消化するために作ったみたいな感じが出まくってますね。
物語は、ジーン・グレイのダークサイドが覚醒する>邪悪な力が膨らみコントロールを失う>仲間を傷つけることを恐れて学校から逃亡する>自分の居場所を求めて彷徨う>Xメン、マグニートー、宇宙人、アメリカ政府が彼女の後を追う、といったようにジーン・グレイ中心に進んでいきます。
マグニートー、そしてアポカリプス後のネクストヴィランが見つからなかったのか、とりあえず仲間の中から敵を作ってみましたといわんばかりに、それまで優等生だったジーン・グレイに邪悪なパワーを与えて彼女にヴィランのポジションを背負わせていましたが、あの辺にも手抜きな感じが出ています。
ジェシカ・チャステイン扮する宇宙人も重要な敵キャラの一人だけど、バックグランドに全く触れないし、最後までお前誰だよっていう疑問が解消されないままなのがいけませんね。
これまでもXメンシリーズってミュータントたちが裏切ってはまた仲直りする、みたいなことを延々とやってきているので、本当いつまで兄弟喧嘩してるんだよって思いました。
あんなんでいいなら、毎回Xメンの中から一人ずつ誰かを敵にしていったら映画一本作れちゃうじゃん。そして最後に改心させてやっぱり学校に戻るっていうストーリーにすればいいんだから。
あんなに特殊能力を持った奴らが学校に集まってるのに、誰もプロフェッサーXの脚を治せる人がいないっていうのも笑えますね。みんな攻撃しか優れてないのかよ。むしろ治癒能力磨けって。
物語の中では、そんなプロフェッサーXがジーンの力によって無理やり立たされて、歩かされてたからね。あんなことができるんだったら治せそうだけどなぁ。
実はこの映画2018年11月にリリースを予定していたのを2019年2月に延期し、再撮影などを経て、6月まで伸ばし、やっと劇場公開したらしいですね。その理由が「キャプテン・マーベル」と中身がかなり被ったからなんだそうです。
「キャプテン・マーベル」よりも先にリリースしちゃってたらなんら問題もなかったのに、のんびりしてるから先延ばしになるし、せっかく再撮影までしたのに酷評されるって結構散々な目に遭った映画ともいえそうです。
ただ、これだけは言えるんだけど、「X-MEN・アポカリプス」や「キャプテン・マーベル」よりは全然ましだったよ。
なにがましだったって、一つはストーリーが非常にシンプルで分かりやすいこと。もう一つは、これはこれ単体で独立した作品になっていて、ほかの作品をいちいち見返す必要がないことです。
マーベルシネマティックユニバースの作品とかもそうだけど、はっきり言って何年も前に出た過去シリーズのことなんてこっちはちゃんと覚えていられないんですよ。
だからあまりにも内輪しか理解できない会話とか、前作までのネタがストーリーの中心になっていると、結構冷めるんですよね。
その点においてはダーク・フェニックスは、それほどアメコミファンじゃない人にとっては良心的だったかなぁ、という感想を抱きました。少なくともCG頼りの爆発シーンの連続で、街が破壊される、みたいなうるさい演出はなかったです。
20世紀フォックス製作によるXメンはこれにて終了するのに対し、マーベルスタジオが今後Xメンシリーズをマーベルシネマティックユニバースに導入してくるであろうことを考えると、ますますややこしくなって嫌ですねぇ。
横展開しすぎると、訳の分からないことになるので、いっそのこともうXメンは排除しちゃっていいんじゃないかなぁ。今後もまだXメン見たい人なんています?
コメント
ヒーロー映画、飽きてしまった。ワンパターン過ぎません?
確かにワンパターンですよね。