なんとかギリギリB級映画にならずに済んだ復讐アクションブラックコメディ。こう見えてかなりふざけてる映画なので、マジで見ちゃダメなやつです。44点(100点満点)
スノー・ロワイヤルのあらすじ
デンバーから数時間のところにある田舎町キーホーで除雪作業員として働くネルズ・コックスマンはある日、麻薬絡みの事件によって最愛の息子を失ってしまう。
検死の結果、ヘロインのオーバードーズと言われたものの、息子はドラッグなどやらないとネルズは彼の死を不審に思った。
そんな中、息子の同僚と遭遇し、事件の裏には得体のしれない巨悪な組織の存在があることを聞き、スピードと呼ばれる男が関わったことを知る。
ネルズがスピードの身元を調べ、会いに行くと、スピードはリンボに命令されたと言った。こうしてネルズは息子の殺害に関わった犯人を一人ずつ潰していき、組織に壮絶な復讐をしかけようとする。
一方、仲間が姿を消したことに気づいた組織のボス、バイキングはきっと行方不明になったのはライバルであるネイティブアメリカンの麻薬王、ホワイトブルの仕業と考え、ネイティブアメリカンのギャングメンバーを拉致して殺害してしまう。
殺された男はあろうことかホワイブルの息子だった。これによって息子を殺されたネルズ、仲間を殺されたバイキング、そしてホワイトブルがそれぞれ復讐を誓い、最悪の結末へと向かっていく。
スノー・ロワイヤルのキャスト
- リーアム・ニーソン
- ローラ・ダーン
- エミー・ロッサム
- トム・ベイトマン
- ウィリアム・フォーサイス
- ジュリア・ジョーンズ
- ドメニク・ランバルドッツィ
- ラオール・トゥルヒージョ
- ベンジャミン・ホリングスワス
- ジョン・ドーマン
- アレクス・ポーノヴィッチ
スノー・ロワイヤルの感想と評価
ハンス・ペテル・モランド監督による、一般人と白人マフィアとインディアンマフィアの息子をめぐる復讐劇。
一見、シリアスなバイオレンスムービーの雰囲気をかもしつつ、かなりブラックユーモアの効いているアクション映画になっています。
正直、もっとひどいのを想像していたけど、案外見れました。無駄はあるし、突っ込みどころは山ほどあります。
それに対し、ストーリーが復讐にフォーカスしていてシンプルなのと、ほど良いバイオレンスのおかげで、それなりに娯楽性がありましたね。
もちろんわざわざ映画館で見るほどのものではないけど、「ジョン・ウィック・パラベラム」を見るよりは断然ましです。
この映画の一番の救いは、笑いじゃないでしょうか。誰かが死ぬ度に名前とニックネームのテロップが表示される演出が途中から笑えて来ます。
また、悪者たちはみんなそれぞれ間抜けなニックネームを持っていて、結構ふざけてますね。
本当は残酷で笑えない状況のはずなのに話が進むにつれてどんどんギャグ度が増していくのを見ると、コメディとまではいわなくてもスリラーのようなマジな復讐劇よりは、ユーモア溢れるドタバタバトルロイヤルを描きたかったんだろうなぁ、というのが伝わります。
不機嫌な中国人妻とか、英語の文法を間違える黒人の下りとか、ネイティブインディアンが「死体処理はインディアン(インド人)にやらせておけ」っていう下りとか、ホテルの受付がネイティブインディアンに向かって「リザベーション(予約/インディアン保留地)が必要です」っていう下り、などなかなか人種の際どいネタを扱っていて、勝負に出てる感じがいいですね。
それならそうと、最初からブラックユーモアに対する心の準備をしておいたほうがよかったかなぁとも思えました。ノリが分からないで見てしまったので、前半はちょっと戸惑ってしまいました。予告動画が嘘ついてますね。
キャストは若干B級寄りです。主役を演じたリーアム・ニーソンとその妻役のローラ・ダーン以外は、見たことがあるようなないような感じの面子ばかりで、特にバイキング役の俳優の演技は迫力がないし、無理に悪ぶってる感が出ていて、ダメでしたね。
アクションシーンも特にすごいわけじゃないし、なんで除雪作業員の男があんなに根性が座ってて、人殺しに慣れてるのかは最後まで謎でした。
あと、ちょいちょい必要のないキャラクターがいますよね。散々、登場した女性刑事は結局ストーリーとなんにも絡んでこなかったしね。最後のスクリーニングでカットされたのかなぁっていうような不自然な存在でした。
マフィアの二人がゲイという下りもいらなくないですか? ちゃんと伏線を回収しているシーンもあるにはありましたが、全体的に構成がまとまっている感はなかったですね。つまりは深く考えるな、真面目に見るなってことです。
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