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ある子供は描写が細かい!感想とネタバレ

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レベルの高いドアホが犯罪を繰り返す人間ドラマ。人によって主人公に対する感情が変わってきそうな映画で、笑ってもいいし、嫌悪感を抱くのもいいし、同情してもいい、そんな物語です。67点(100点満点)

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ある子供のあらすじ

18歳のソニアは赤ん坊が生まれたことをきっかけに20歳の夫ブリュノと家族一緒に過ごす生活を待ち望んでいた。

しかし現実は厳しかった。ブリュノは生活保護を受けながら盗品を売ったお金でその日暮らしを続けるのが精一杯だった。寝る場所がない日は二人は施設で夜を明かした。

そんな中でブリュノはあろうことか赤ん坊を養子として見知らぬ人物に違法に売ってしまう。それを知ったソニアは気を失った末、激怒して通報する。

ブリュノは過ちを犯したことに気づいたものの、赤ん坊を取り戻そうとした際に取引に絡んだマフィアとトラブルになってしまう。

ある子供のキャスト

  • ジェレミー・レニエ
  • デボラ・フランソワ
  • ジェレミー・スガール
  • ファブリツィオ・ロンジョーネ
  • オリヴィエ・グルメ
  • ステファーヌ・ビソ
  • ミレーユ・バイ

ある子供の感想と評価

「ロルナの祈り」、「少年と自転車」、「サンドラの週末」、「午後8時の訪問者」などでお馴染みのダルデンヌ兄弟による、カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。

貧困の末に軽犯罪を犯してなんとか生活していく男とその恋人の末路を描いたリアリティーしかない映画。

娯楽性は低く、楽しい物語じゃないけど、描写の細かさと、自然な演技と最後まで視聴者を釘付けにさせる演出は見事で、パルム・ドール受賞も納得です。

基本的には最初から最後まで主人公ブリュノの愚行をカメラが追っていくように作られていて、その場しのぎの行動と無責任な決断の数々にドン引きすること間違いなしです。

ブリュノはやることなすこと頭が悪く、失笑と嫌悪感を引き起こすのに対し、どこか見る者をハラハラさせる要素があって、こいつクズだなあと思いつつ、彼のことをちょっとだけ心配しながら見てしまったのが不思議です。

クズエピソードのオンパレードで金のために赤ん坊は売るは、小学生ぐらいの子供に盗みやひったくりをやらせるは、稼いだ金はすぐに使っちゃうは、とにかく救いようがなかったです。

また、道端で物乞いをすることは全然平気なのに、恋人から定職に就くことを助言されると、あんな仕事はしたくないとか、あんな奴らとは働きないなどといっぱしのことを言るからね。ああいう奴いそうだもん。

貧困からか教育を受けていないからか、まともな思考が何一つできない様子で成熟しきれていないのがブリュノの行動の数々から伺えます。

その描写がまた細かくて、道端に落ちているものを拾っては無造作に川に投げたり、スニーカーに泥をつけては壁にキックをして泥をつけたり、恋人とじゃれあったりする姿から、どれだけ幼稚かが伝わってきます。

知能があまりにも低すぎて途中からコントみたいになってますね。だって赤ちゃんを売っておいて、まだ恋人と関係を続けられる気でいるからね。金を持って逃げるのかと思ったら、「ごめん売っちゃった」とか言いながら謝り倒すってどんな思考回路なんだろう。

それで寄りを戻そうと恋人に付きまとい、挙句の果てには「お願いだから金貸してくれ」ってすげえなあ、おい。クズのレベルが高すぎるだろ。

そんなブリュノの唯一の救いは、決して暴力には走らないところです。罪は犯すけど、赤ん坊を売ったことを除いては、盗品を売りさばくか、ひったくりをするかといった軽犯罪で止めておいているのは彼はポリシーだったんでしょうか。

あれで「俺は盗みはするけど、人は傷つけない」などとドヤ顔で語ってくれたもっとよかったんですけどね。

そして最後でブリュノが仲間を庇う下りでは初めて人間らしさを見せたな、と思いました。

あいつは捕まって正解です。じゃないと殺されてたか、あるいは取り返しのつかないことをしでかしてたでしょうね。

なんでもいいけど、ブリュノってどう見ても20歳じゃないよね? 老けすぎじゃない?

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