やたらと評価が高いマフィアシリーズの第二弾。退屈するぎて、とても見られない、ただの駄作です。20点(100点満点)
ゴッドファーザー2のあらすじ
1901年、シチリアのコルレオーネ村でアントニオ・アンドリーニの葬儀が行われていた。彼は地元マフィアのボス、ドン・チッチオに逆らったために殺された。
あろうことか葬式中、復讐しようと試みた長男のパオロまで殺されてしまう。アントニオの妻は、ドン・チッチオに直接話に行き、せめて残された9歳の次男ヴィトーの命だけは助けて欲しいと懇願する。
しかしいずれ大人になったら彼も自分に復讐しに来るといってドン・チッチオはこれを断る。するとアントニオの妻はナイフを出してドン・チッチオを殺そうとするが、護衛に撃たれて命を落としてしまう。
ヴィトーは命からがら逃げてきたが、もうコルレオーネ村にはいられなくなり、幼い彼は仕方なく移民船に乗って一人アメリカへと逃亡するのだった。
ゴッドファーザー2のキャスト
- ロバート・デ・ニーロ
- アル・パチーノ
- ジョン・カザール
- ロバート・デュバル
- ダイアン・キートン
- タリア・シャイア
- ソフィア・コッポラ
ゴッドファーザー2の感想
フランシス・フォード・コッポラ監督による「ゴッドファーザー」の続編にして、とにかくスローで、つまらないマフィア映画。昔は見れたけど、今はもう無理なやつです。
一番好きなマフィア映画に挙げる人も多い作品ですが、久しぶりに見たら、こんなにつまらなかったっけ?とびっくりしました。昔はよくこれを見れたなあ、というのが正直な感想です。
とにかく一つ一つが遅いんですよ。会話が遅い。動きが遅い。次のシーンに行くまでが遅い。
いわば「間」を売りにしているようなところがあるんですが、「ゴッドファーザー」の場合は、マーロン・ブランドの濃いキャラがあったおかげで成り立っていたものの、アル・パチーノではそれがまったく逆効果になっていましたね。
基本、アル・パチーノがシリアスで難しい顔をしているのを何秒も何十秒も見せられるだけでマフィア映画特有の恐怖とか男らしさとかは微塵も感じませんでした。若いころのアル・パチーノは男前だけど、マフィアのボスの風格はないですね。
一方のロバート・デニーロは、冷酷な雰囲気を醸し出しているうえ、普通のイタリア系移民だったときから、地元マフィアのボスにまで上り詰めるまでの過程でしっかりと変化を出しています。
ただ、やはりマーロン・ブランドを出演させるべきでしたよね。続編ができる度に出演者が変わる映画って冷めますよね。ただでさえそんなにつながっていない話なのに、顔まで変わるのかよって。
マーロン・ブランドはラストの回想シーンで本当は出演するはずだったそうですね。でも撮影当日になっても現場に現れなかったため急遽父親は姿を見せない、というふうにシーンを変えたようです。
記憶の中ではロバート・デニーロとアル・パチーノが共演しているイメージだったんだけど、よく見ると二人は同じシーンは撮っていませんね。最近でこそ二人で一緒にいるところを見かけるようになったけど、この頃はやっぱり不仲だったんですかね。
物語の見せ方は、父親のストーリーと息子のストーリーを平行して見せていく手法を取っていて、あれこそが監督がやりたかったことらしいです。
しかし二つのつながるようでつながらない話が時系列を複雑にしていて、「ゴッドファーザー」の直接の続編とも言い難い内容になっています。
ストーリーはおおよそ、父親が子供の頃にアメリカに移住する>ニューヨークのマフィアのボスを殺して成り上がる>三男のマイケルが後を継ぐ>兄に裏切られる>父親の代から顔なじみのユダヤ系ギャングのボスハイマン・ロスと命を狙われる>裏切者を成敗する、という流れです。
どうせならこの通りに映せばいいものを、交互に別のストーリーを映していくので、意味が分からなくなるし、いいところがほかのストーリーが割り込んでくるのがじれったかったです。正直、父親のストーリーいらなくない? あと公聴会のシーンもいらないし。
マイケルは、終始さもできる男みたいな顔をしているんですが、兄には裏切られるは、嫁には逃げられるは、冷静に考えると誰からもろくに信頼されておらず、ファミリーファミリーうるさい割には、全然家族を守れてないのが笑えます。
組織としての統率が全く取れていないし、政治家には舐められまくりだし、ハバナに連れて行ったボディーガードの殺し屋はおじいちゃんだし、なんだよ、あのダサいマフィアは。
おじいちゃんの殺し屋が別のおじいちゃんを殺そうとするもんだから二人ともヨロヨロしてるだけで、震えた手で首を絞めたりして、コントみたいなことになってましたね。
見どころといったら、終盤の一連の復讐シーンでしょう。唯一盛り上がるのがあれぐらいで、はっきり言ってあそこにたどりつくまでが遅すぎなんですよ。もっとスピードつけて、間髪入れずに、次から次へとハプニングを起こさないと。こんなもん今見るの本当きついよ。
ゴッドファーザー2のトリビア
せっかくなのでここでこの映画にまつわる、ちょっとしたトリビアを紹介します。
ヴィトー・アンドリーニは実在する
ロバート・デニーロが演じたヴィトー・アンドリーニは、実在する人物の名前から取っています。といってもマフィアではなく、イタリア移民の普通の労働者から取った名前だそうです。
キューバのシーンはキューバじゃない
物語ではキューバの首都ハバナが登場しますが、実はキューバのシーンは全てキューバで撮影されていません。
なぜなら当時アメリカとキューバには国交がなく、とてもアメリカ映画をキューバで撮影することができなかったからです。
そのためキューバのシーンは全てドミニカ共和国で撮影されています。
初めてのアカデミー賞
前編の「ゴッドファーザー」ではマーロン・ブランドが、今作ではロバート・デニーロがアカデミー賞を受賞していますが、同じ役を演じた2人の俳優がアカデミー賞を受賞したのはこれが史上初です。
ちなみにロバート・デニーロは前作のオーディションも受けていましたが、落選していた経緯がありました。
タイトルに「パート」がついている
本作のタイトルはゴッドファーザー2ではなく、正しくはゴッドファーザーPart IIです。もともと製作会社のパラマウントは「Part」を付けることに反対していたようですが、結局は「Part II」という響きが多大な影響をもたらすことになり、当時はこの映画の成功をきっかけにほかの映画まで、続編を作るときは「Part II」とすることが流行りました。
そういえば大分後だけど、バック・トゥ・ザ・フューチャーにも「パート」がついていますね。
ジェームズ・カーンのギャラ
マイケルの兄で、コルレオーネ一家の長男といえばソニー・コルレオーネ。彼はラストの回想シーンのみ登場しますが、ソニー役を演じたジェームズ・カーンがあのシーンに出るため、前作の「ゴッドファーザー」と同じギャラを請求した、というのは有名な話です。
ちなみに同じシーンの撮影に現れなかったマーロン・ブランドは、ギャラで揉めてドタキャンしたそうです。
コメント
“ただの駄作”ときましたか!
往年の名作も映画男さんにかかるとコテンパンですね。
までも、この辛口はクセになる味ですが(笑
コメント欄炎上じゃないかと思ったんですけど意外にも静かでしたね。
それだけ的を射た感想だということなんでしょう。
まぁさすがにもう観る人少ないかな・・こんな陰気臭くて長い映画は。
僕自身、封切り時から数えて何度となく観た映画ですけど、さすがにもうリストに上がってこないですね。誰かコッポラの向こうはってリメイクしないかなぁ。はやらんか・・今さらマフィアものは。
本当、陰気臭いんですよね。だらだらしてるし。
正直、メキシコ・マフィアものを見慣れた今の観客から見ると冗長でかったるい印象。
あの父子のパートを交互に挿入していくストーリー進行が全く有効に機能していないのは同意。
この時代の映画は遅いですよね。