アメリカで実際に起こった恐怖の母親殺人事件を基にしたドラマシリーズ。母親が娘に復讐される背景がアンビリバボーです。
見せかけの日々のあらすじ
ハリケーン・カトリーナの被害を受けたシングルマザーのディーディー・ブランチャードと娘のジプシーはある日、ミズーリ州スプリングフィールドの北部にある家に引っ越してくる。
その家はNPO団体が二人のために建ててくれた家だった。ジプシーは白血病、筋ジストロフィー、喘息、アレルギーなど様々な問題を抱え、車椅子生活を余儀なくされていた。ティーネイジャーの彼女は脳の障害のせいで7歳ほどの知能しかないとも言われていた。
彼女は病気のために髪の毛を剃っていたため、いつも坊主頭だった。食事を口から食べることができないたチューブを通じて流動食を胃に流さないといけない。砂糖アレルギーのためにコーラを飲むことも許されなかった。
そんな二人が引っ越してきたことで近所ではすぐに知られる存在になった。
メディアが二人を取材したり、近所の子供たちもジプシーと仲良くしようと努めた。しかし母親のディーディーはジプシーがほかの人たちと交流するのをひどく嫌った。できるだけ娘が自分から離れないようにいつも彼女のことを見張っていた。
ディーディーにとって娘を失うことが最大の恐怖だった。そのためディーディーは至って健康なジプシーに病気だと言い聞かせ、彼女に障害者を演じさせていたのだった。
見せかけの日々のキャスト
- パトリシア・アークエット
- ジョーイ・キング
- アナソフィア・ロブ
- クロエ・セヴィニー
見せかけの日々の感想と評価
米Hulu(日本公開未定)がお届けする衝撃の実録ドラマシリーズ。自分の娘に障害者のフリをさせ、世間を騙し続けた母親の悲惨の運命をつづった怖すぎる話です。
ホラー映画よりも恐怖を呼び起こす信じられない話で、とにかく気持ち悪いエピソード満載です。
母親役を演じたパトリシア・アークエット、娘役を演じたジョーイ・キングの演技が素晴らしく、リアルでした。特にジプシーのあの特徴的な甲高い声を再現したジョーイ・キングのパフォーマンスは物真似の域に達していました。
エピソード終了後に「実話だけど脚色はしてますよ」という注意書きのテロップが流れるように多少のフィクションやオーバーな表現はあるようです。しかし実際の事件がそもそもぶっ飛んでいるのでたとえ話を盛っていても気にならないのが不思議です。
精神異常者である母親ディーディーは娘のジプシーに過剰に依存するタイプで、ジプシーには様々な障害や健康の問題があると本人や周囲に言い聞かせて献身的な母親を演じます。
本当は普通に歩けるのに娘を車椅子に乗せ、学校にも行かさず、近所の子供たちともできるだけ遊ばせないようにします。全てはジプシーを独り占めにするためです。
醜いほうが人と交流をしなくなる、と考えてのことなのか、ジプシーの髪の毛を剃り、虫歯ができるとほとんどの歯を抜歯させたりもします。
一方のジプシーは小さな頃は母親の言うことを信じていたものの、大きくなるにつれ薄々自分の健康状態に気づきはじめ、母親の束縛に少しずつ抵抗し始めます。母親の目を盗んで携帯やパソコンを買い、出会い系サイトで男の子と交流をしたり、外の世界に目を向けるのでした。
そして少年ニコラス・ゴデジョンに恋をしたのをきっかけにジプシーは彼と共謀して自分をこんな目に遭わせた母親の殺人を計画する、というのがストーリーの流れです。
ちなみに実際の母娘がこちら。
実際のジプシーを見ても、いかにも病弱そうに見えるし、重病だと言われたらそうかなって思ってしまうのも無理はないでしょう。
知恵遅れを裏付けるかのように声が幼すぎるし、なにより坊主で、歯がない外見が周囲に嘘を信じ込ませるだけの十分なインパクトを持っていますよね。年齢も18歳なのに15歳などとサバを読んでいたようです。
結局、母親のディーディーは殺されてしまうわけだけど、長年の虐待と嘘を考えると、全く同情できない背景があります。
それに対し、ジプシーは自分で母親を殺すのではなく、恋人のニコラス・ゴデジョンに寝ている母親をナイフで刺殺させ、その間トイレで耳を塞いでいたそうです。
そして殺人が終わると、母親の死体がある隣の部屋で二人は性行為をしてからお金を奪って逃亡した、というのだからジプシーもまた普通の精神状態ではないですよね。
ちなみにジプシーは10年の実刑。殺害した恋人のニコラス・ゴデジョンには終身刑が課せられたようです。こちらが恋人のニコラス・ゴデジョン本人。
まさに精神異常者が精神異常者を育てるという負の連鎖そのもので、アメリカは本当に狂人のレベルまで群を抜いてますね。実から実へと気持ち悪い話がどんどん出てくるもん。殺人事件の映画やドラマに関してはもはやオリジナルの脚本が必要ないからね。
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