天才か、それとも一発屋か。あるときはものすごい面白い映画を撮り、またあるときは退屈すぎる駄作を世に送り出したりと、なにかと賛否両論を巻き起こす監督がポール・トーマス・アンダーソン。そこで同監督のおすすめの作品をランキングにして紹介します。
8、インヒアレント・ヴァイス
マリファナ中毒の探偵を主人公にしたドラッグ映画。ナンセンスな会話と緩くてポンコツな主人公のキャラで笑いを狙って滑りまくった作品です。ホアキン・フェニックスのわざとらしい演技が鼻に尽くこと間違いなしです。
7、パンチドランク・ラブ
コメディー俳優アダム・サンドラーを主演に迎えた中途半端なロマンチック・コメディー。情緒不安定な会社経営者が姉の同僚と恋に落ちるものの、なかなか上手くはいかない恋模様を描いていきます。
笑いに振り切ればいいのに中途半端にシリアスなトラブルエピソードが入っているためにどういう姿勢で見ればいいのか分からない作風の映画です。
フィリップ・シーモア・ホフマンがブチ切れるシーンと恋人の目にガラスが刺さった下りしか印象に残ってないです。
6、ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
アメリカで過大評価されまくった、石油をめぐる人間ドロドロ劇。登場人物がディスカッションするだけの内容で、ストーリーが退屈すぎてまず寝ます。ポール・ダノの演技がちょっと良かったな、というぐらいでほかに褒めるところが見つからないです。
5、ザ・マスター
新興宗教サイエントロジーの創始者をモデルにした、何が言いたいのかさっぱりの映画。もっと裏側や恐ろしいエピソードを見せてくれればいいのに終始普通すぎてがっかりしました。あと、サイエントロジーなのにトム・クルーズが出演していない時点でダメですね。
4、ファントム・スレッド
有名ファッションデザイナーと美人ウエイトレスのツンデレの関係を描いた歪んだ恋愛ドラマ。ドレスが美しいというだけで、二人の関係は全く美しくないです。
基本デザイナーとウエイトレスによるソフトSMプレイによって成り立っていて、ドMの女性しか楽しめない内容になっています。
3、ハードエイト
ポール・トーマス・アンダーソン監督の長編デビュー作。カジノを舞台に謎の紳士と無一文の青年が繰り広げる、疑似親子ドラマ。
無名の監督のために豪華出演者が集結した演技派俳優たちに救われた作品で、独特の雰囲気を持っています。
ストーリーやオチはそれほど強くないですが、個性は光っていて監督の原点を感じられます。
2、ブギーナイツ
ポルノ業界のアップダウンを描いた娯楽性の高い人間ドラマ。驚異のデカチンの持ち主である青年がポルノ俳優として瞬く間に成功を収め、やがて転落していく様子をつづっていく哀愁漂う物語です。
ポルノ業界をテーマにしている割にはエロ度は低めですが、ストーリーが面白いので最後まで楽しめるはずです。
1、マグノリア
大勢の登場人物のストーリーを同時進行でお届けするエキサイティングな群像劇。ポール・トーマス・アンダーソンが生んだ唯一無二の傑作です。
長尺にも関わらず、決して退屈させない不思議なエピソード満載で、最初から最後まで目が離せないとはこのことを言います。
出演者たちの演技が素晴らしく、特にトム・クルーズには脱帽しました。トム・クルーズがただのアクション俳優だと思っている人はこの映画を見たらイメージが変わるはずです。
まとめ
ポール・トーマス・アンダーソン監督もまた駄作の多い監督の一人で近年は特に作品がつまらなくなっていく傾向がありますね。
それでも「マグノリア」と「ブギーナイツ」だけは自信を持っておすすめできるハイクオリティーな作品で、この二作品を作ってくれただけで、本当にありがとうございましたという感じです。
両方ともまた気が向いたらぜひ見たいし、いつどこで誰と見るかによって、それがまたいい思い出になりそうです。
コメント
「サイエントロジーなのに、トム・クルーズが出演していないのは論外」という言葉に映画男さんのマグノリア愛が伝わってきますw
Respect Cocksから始まるあのスピーチは僕のような彼女なしの高校生でさえ、引き込まれるほどの演技でした。
まだ全作を観たわけではありませんが、なんとなく「無駄に長い」映画が多いような気がします。
それが彼の作風なら結構なんですけど、過去の成功から、長くないとダメ、というプレッシャーがかかってしまっているようにも思えます。
P.S.個人的にはゼア・ウィル・ビー・ブラッドは結構好きです。
マグノリアのトム・クルーズのセミナーはすごいですよね。あれには引き込まれます。確かに言われてみると、
ポール・トーマス・アンダーソンの作品は無駄に長いのが多いですね。マグノリアも長いし。
でもマグノリアは見ていて飽きないです。ただ長いだけの作品が多いかなぁ。