ネットフリックスがお届けする新感覚アニメーションアンソロジー。短編集なので気軽に映像の技術革新に触れるのにはもってこいです。58点(100点満点)
- ラブ、デス&ロボットのあらすじ
- 「ソニーの切り札」(Sonnie’s Edge)
- 「ロボット・トリオ」(Three Robots)
- 「目撃者」(The Witness)
- 「スーツ」(Suits)
- 「魂をむさぼる魔物」(Sucker of Souls)
- 「ヨーグルトの世界征服」(When The Yogurt Took Over)
- 「わし座領域のかなた」(Beyond the Aquila Rift)
- 「グッド・ハンティング」(Good Hunting)
- 「ゴミ捨て場」(The Dump)
- 「シェイプ・シフター」(Shape-Shifters)
- 「救いの手」(Helping Hand)
- 「フィッシュ・ナイト」(Fish Night)
- 「ラッキー・サーティーン」(Lucky 13)
- 「ジーマ・ブルー」(Zima Blue)
- 「ブラインド・スポット」(Blind Spot)
- 「氷河時代」(Ice Age)
- 「歴史改変」(Alternate Histories)
- 「秘密戦争」(Secret War)
- ラブ、デス&ロボットの感想と評価
ラブ、デス&ロボットのあらすじ
「ソニーの切り札」(Sonnie’s Edge)
ソニーは顔に深い傷を負ったモンスターを操る謎の女性。彼女はアンダーグラウンドの闘技場で行われる果し合いに自分のモンスターを召喚して参加している。そんなソニーはある日、八百長を持ちかけられる、、、
「ロボット・トリオ」(Three Robots)
個性的な三体のロボットは滅びた地球を回って人間の習慣を追体験していく。ある日、ロボットたちは実物の猫と出会い、どう対処していいか困惑する。
「目撃者」(The Witness)
ある日、女性はアパートの部屋から向かいのビルで殺人の現場を目撃してしまう。殺人犯と目が合ってしまった彼女は、家を飛び出し、タクシーに乗って仕事場へと向かう。すると、殺人犯がどこまでも彼女を追跡してくる。
「スーツ」(Suits)
ある晩、農場にどこからともなくエイリアンが押し寄せてくる。農家の男と女はロボットに乗ってエイリアンを撃退しようとするが、、、、
「魂をむさぼる魔物」(Sucker of Souls)
調査隊が地下道で遺跡の調査をしていると、恐ろしいモンスターが目を覚ましてしまう。傭兵たちはモンスターを退治しようとするが、、、
「ヨーグルトの世界征服」(When The Yogurt Took Over)
研究者はある日、高い知能を持つヨーグルトを発明する。ヨーグルトは世界の問題を瞬時に把握し、アメリカ政府に解決策を持ちかける。
「わし座領域のかなた」(Beyond the Aquila Rift)
宇宙船のクルーたちはわし座領域を目指していた。ところが順調かと思われたミッションの途中、宇宙船で思わぬ出来事が起こる。
「グッド・ハンティング」(Good Hunting)
中国人の少年リアンは、人間に姿を変える美しい妖怪ヤンと出会う。しかし少年の父親がヤンの母親を殺してしまう。大人になってリアンは田舎を捨て都市に移ると、そこですっかり人間化したヤンと再会する。
「ゴミ捨て場」(The Dump)
ゴミ山で生活するデイヴの下にある日検査官が立ち退きを求めてやってくる。デイヴは検査官にかつてその場所で起こったストーリーを聞かせようとする。
「シェイプ・シフター」(Shape-Shifters)
場所はアフガニスタン。海兵隊員の中に二人だけ狼に姿を変える能力を持った男がいた。ある日、彼らの前に同じように狼に変身する強敵が現れる。
「救いの手」(Helping Hand)
宇宙空間でミッションを遂行している女性宇宙飛行士は不慮の事故に遭ってしまう。そこで彼女は生存のために思い切った決断を迫られる。
「フィッシュ・ナイト」(Fish Night)
砂漠の真ん中で車が故障したせいで二人のセールスマンは仕方なく車内で夜を明かす羽目になる。ところが夜になると彼らの前に突然海の風景が広がる。
「ラッキー・サーティーン」(Lucky 13)
死亡事故を起こした軍用機は何から何かまで不運の番号「13」にまつわるエピソードが絶えなかった。そんな軍用機に新人の女性パイロットが乗ることになる。
「ジーマ・ブルー」(Zima Blue)
世界的有名な美術家ジーマは、自分の作品に青い色をしたシェイプを描き、いつしかそれはジーマ・ブルーと呼ばれるようになる。ある日、ジーマは最後の作品を作る前に自分のストーリーを女性ジャーナリストに語ることにする。
「ブラインド・スポット」(Blind Spot)
サイボーグの盗賊団が輸送車の襲撃を計画してきた。ところが実行に移すと、思わぬ反撃に遭う。
「氷河時代」(Ice Age)
ある日、カップルが自宅の冷凍庫を開けると、そこには文明が広がっていた。見る見るうちに冷凍庫の中の社会は進化を遂げ、やがて戦争を巻き起こす。
「歴史改変」(Alternate Histories)
もしもヒトラーが違う死に方をしたらいかに歴史が変わっていたのか? その違いを様々なパターンから検証する。
「秘密戦争」(Secret War)
シベリアの森を進むソ連軍のソルジャーたち。彼らの前に恐ろしいモンスターたちが立ちはだかる。
ラブ、デス&ロボットの感想と評価
ティム・ミラー、ジェニファー・ミラー、デヴィッド・フィンチャー、ジョシュア・ドーネンなどによって製作された短編アニメーションシリーズ。
タイトル通り、愛と死とロボットがテーマになったSFもので、合計18作品によって構成されています。
元ネタとなったのは、1981年に公開されたアニメーション映画「ヘビーメタル」で、この作品のリメイク、あるいはリブートという位置づけらしいです。
18作品それぞれ違う監督が指揮を執っていて、面白いのもあればそうでないのもあります。いずれにしてもアニメーション技術は高く、絵的に楽しめました。
実写の上からアニメーション加工をしたようなものがあったり、アメコミ風の作品もあったり、人形劇スタイルのがあったりと、それぞれ違ったテイストになっています。アニメーションと実写を混ぜた作品もあります。
それぞれ10分程度の尺なので、つまらなかったら飛ばせばいいし、面白ければ最後まで見ればいいので現代人のニーズにマッチしていますね。
全体的にアダルト寄りの話になっていてエグい暴力シーンやリアルなヌードシーンまであり、子供向けにしていないのがいいです。
CGアニメーションによるベッドシーンとか初めて見ましたね。それでも映像技術が高いので違和感がないんですよ。
モンスターや宇宙人が登場するような話はつまらないけど、アーティスティックだったり、ユーモアが利いていたりするユニークなストーリーもいくつかありました。
僕が特に気に入ったのは次のエピソードです。
- 「目撃者」(The Witness)
- 「ヨーグルトの世界征服」(When The Yogurt Took Over)
- 「グッド・ハンティング」(Good Hunting)
- 「ゴミ捨て場」(The Dump)
- 「フィッシュ・ナイト」(Fish Night)
- 「ジーマ・ブルー」(Zima Blue)
特に「目撃者」(The Witness)の絵はすごいですね。ヒロインがストリッパーということもあって裸のシーンがあって、肌の質感かなりリアルに仕上がっています。
全身黒スーツの女たちが客にサービスするストリップ場とか面白いし、街並みは香港をモデルにしてるのか近未来さと古さが共存していて、全体的なバランスとクオリティーが素晴らしいですね。
日本昔話のような雰囲気を持つ「グッド・ハンティング」もなかなか良かったで魔法を使えなくなった妖怪美女が男に体を売ることしかできなくなった末、悪い客に捕まり、両足を切断され、サイボーグにされてしまう、というグロい話で、アニメーションじゃないとフェミニストに怒られるんじゃないかなっていう内容でしたね。絵は平凡なんだけど、ストーリーのぶっ飛び方がいい。
一方でコメディーストーリーも何本か用意されています。中でも「ヨーグルトの世界征服」は可愛かったし、「ゴミ捨て場」は短い時間で起承転結をはっきりつけた笑える話になっていました。
「スパイダーマン・スパイダーバース」とかもそうだけど、アニメーションも新しい時代に突入したんだなぁ、という気がしますね。
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