大したアイデアもないのに調子に乗って三部作にしたもんだから、ヤケクソになって話を結末にまで持っていった映画。シリーズが終わってくれたことが唯一の救いです。19点(100点満点)
映画ミスター・ガラスのあらすじ
フィラデルフィアのある施設に3人の特殊な能力を持つ男が集められ、研究が開始された。彼らの共通点はひとつ―自分が人間を超える存在だと信じていること。
不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド(ブルース・ウィリス)、24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)、そして、非凡なIQと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つ〝ミスター・ガラス″(サミュエル・L.ジャクソン)…。
彼らは人間を超える存在なのか?最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?M.ナイト・シャマラン監督が『アンブレイカブル』のその後を描く、衝撃のサスペンス・スリラー。
映画ミスター・ガラスのキャスト
- ブルース・ウィリス
- ジェームズ・マカヴォイ
- サミュエル・L・ジャクソン
- サラ・ポールソン
- アニャ・テイラー=ジョイ
- スペンサー・トリート・クラーク
- シャーレイン・ウッダード
映画ミスター・ガラスの感想と評価
「ヴィジット」、「スプリット」、「アンブレイカブル」、「ハプニング」、「サイン」、「シックス・センス」、「ヴィレッジ」などでお馴染みのM・ナイト・シャマラン監督による三部作の完結編。
スーパーパワーを持つ3人を登場させ、何が目的か分からない行動と会話がダラダラ続くだけのサスペンス・スリラー。
話にあまりにも脈略がなく、「アンブレイカブル」と「スプリット」を見てから鑑賞したところでよく面白さが全然伝わってこない駄作です。
「アンブレイカブル」が公開されたのは2000年なのに当然その内容を覚えてるでしょっていうノリで話が進むのが不親切だし、色んな意味で製作側の自己中っぷりが目立ちます。
まずタイトルが合ってないもん。原題の「Glass」も邦題の「ミスター・ガラス」も全く内容とマッチしていません。どうせならファンタスティック・スリーとかにしたほういいですよ。
物語は、決して怪我をしない男デヴィッドが多重人格者ケヴィンとすれ違い、体に触れたことで複数の女の子たちが監禁されている工場の跡地を突き止め、救出するところからスタートします。
その女の子たちが全員チアリーダーっていうところがすでにコメディーで、どうやったらたった一人でこんな格好をした女の子たちを拉致して連れてくることができるのかもっと詳しく知りたかったですね。チアリーディングの練習中に誘拐したってこと?
さてデヴィッドがケヴィンと格闘していると、そこに警察が現れます。しかしなぜかケヴィンだけでなく、正義の味方のデヴィッドまで連行され、施設に送られてしまいます。
その理由は、一般人のデヴィッドが法にのっとってではなく、自らの手で悪人を成敗していたからだそうで、これまでのシリーズの設定をぶっ壊したうえで急に現実的な法治国家の話になっていく様子にはずっこけました。それ言い出したら今までの全部アウトじゃん。
デヴィッドは法律違反をして逮捕された的な説明があるくせに部屋の中には彼に水を浴びせるための拷問設備が整っていたり、と何かと人権を無視していて笑えます。
施設にはデヴィッドとケヴィンをはじめ、テロ行為で多くの人々の命を奪ったミスター・ガラスことイライジャもいて、そんな凶悪犯たちが収容されているにもかかわらず、彼らに手錠もはめらなければ、職員たちは平気な顔をして丸腰で彼らの部屋の中に入っていく、という緩々のセキュリティーが気になってしょうがなかったですね。
それに別件で逮捕した三人を同じ部屋に集めて職員が話を聞くってなんだよ、それ。それも一番まともなデヴィッドだけ鎖でつながれてるって意味不明すぎるだろ。
そんな施設で何が起こるかといえば脱走しかないですよね。三人は涼しい顔をして施設から逃げ出し、オープンしたばかりのフィラデルフィア一高いビルである「大阪ビル」を目指します。世間が注目するその場所で対決するんだって。
そもそも街のランドマーク的なビルにアメリカ人が「大阪ビル」なんて名前つけるかよっていう話だし、どうでもいいのにやたらと大阪ビル、大阪ビルうるさいんですよ。
散々連呼しておいて、結局三人はそのビルには登らず終いだし、エピソードに無駄が多すぎて三人が、あるいは監督が何がしたいのか理解に苦しみました。
一番、頭悪いなあと思うのは、多重人格者のケヴィンが人格が変わるたびにご丁寧に自己紹介する下りですね。
「私はパトリシアよ」とかいちいち言うってことは、自己紹介しないと相手には自分が誰だか分からないという認識はあるってことですよね。なんで精神異常者にそんな社交的で健康的な感覚があるんだよって。
最後までこの意味不明なストーリーを追っていくと、いつの間にか話はスーパーパワーを持った三人VSその能力を世間に知られたくない謎のプロ暗殺集団、という図式になっていきます。
その集団の手にはご親切にも小さな三つ葉のクローバーのタトゥーが彫ってあって、メンバーであることが分かるようになっているのがまたバカですねぇ。秘密のグループなのにそんな分かりやすい証拠を体に入れるか、普通。
ラストは、スーパーパワーを持つ三人が施設前で警察と戦った挙句、あっさり死んでいきます。なぜか警察は脱走した凶悪犯と戦うのに武器も使わず、盾を使って押すだけっていうアホっぷりで、一事が万事突っ込まずにはいられない行動しか目につきませんでした。
強靭な肉体を持つはずのデヴィッドは普通の警官に水たまりに顔を押し込まれて死んじゃうし、ビーストだったケヴィンは銃で撃たれたぐらいでご臨終だし、いつからお前たちそんなに弱かったんだよっていうほどのあっけなさでした。
特別な能力を持っている三人のような見せ方をしていたけど、冷静に考えるとミスター・ガラスことイライジャってただのポンコツで、口がちょっと上手いだけで、何の特別な能力もないですよね。すぐ怪我するっていうのは能力じゃないしね。
あの三人を同列に並べてコミックに出てくるスーパーヒーロー、あるいはヴィランのような扱いにするには無理があるでしょ。
前述の通り、結局三人は無残に死んでいくんだけど、そこにはやっぱり何の脈略もなく、イライジャがその様子をネット中継していた、というオチだけが待っています。あとはケヴィンの父親が「アンブレイカブル」の列車事故の被害者だった、というバレバレのサプライズぐらいかな。
それでもって配信していた動画がバズって世界中の人々の目に触れるようになり、もしかしたらほかにも同じ能力を持つ人間がいたらこれをきっかけに目覚めるんじゃないのか、という希望溢れる終わり方をしていきます。
で、監督に聞きたいんだけど、それがどうしたのさ?
>>【ネタバレ】ミスター・ガラスのトリビア完全版!クローバーの意味は?
>>【ネタバレ】ミスター・ガラスの紫、黄、緑の色が意味するものは?
コメント
ブログが面白いので、つい映画も観たくなる逆効果(^ ^)
最近・・なんて言いますか、公然マスかき罪とでも言いますか、あまりに自己中的な駄作が多いですね。映画館より美術館に飾っておく方がいいんじゃないって。
業界全体がもうネタ切れなんでしょうか。
NetflixやAmazon Primeなどの台頭で、会社がダメ出しして監督を怒らすとそっちに行っちゃうから、妙に卑屈になってゴマすりして抑制が効かないのかな。能力のない人に好きにさせるとこうなるっていう典型的な失敗例みたいなのが多すぎません?
確かに一度売れた監督は、なにやってもいいのかよっていうようなひどい作品を作ることが多くなりましたね。
今まで何度かブログを拝見させてもらいました。
貴方は頭を空っぽにして観て子供が喜ぶような作品に点数を付けるのは得意だけど
この作品のように知性や感性を求められる映画は低評価にしている事が多いですね。
今まで馬鹿な奴が書いてるのだろうとコメントするのもアホらしいと思って見逃してきましたが、あまりに不当な評価を受ける作品と馬鹿を晒す貴方が可哀想に思いコメントさせていただく事にしました。
ブログに書き込む前に
色々な感想を取り入れて総合的に考えてから書き込んだ方がいいですよ。
それが出来ないならもうブログを閉じる事をお勧めします。
いいたいと思ったことが書かれていた。
こちらのコメントに賛同。
記事を書いた人物の知性が知れる内容。
タイトルが「Glass」だということを踏まえたうえで、もう一度観られることをお勧めしますよ。
法に則らずに悪い奴らを成敗して回っていればそれは逮捕されるに決まってますよ!
ヴィジランティズムというやつですね。
デヴィッドだけ無罪放免の方が「警察何やってんだ!!」ってことになっちゃいます笑
イライジャも骨折しまくりの「ポンコツ」かもしれませんが、ポンコツとして生まれた自らの存在意義をコミックに託して求める話だと思えば切ないじゃないですか!
大阪ビル(でしたっけ?)も最後は大舞台で一大バトルを想起させるも、病院のロータリーみたいな所で決着っていうのも、いつものシャマラン印で微笑ましかったですね。
はみ出し者の3人が合間みれた様子を「ミスター・ガラス」ことイライジャが世界に発信するのも、「世間から何を言われようと、お前らから見れば間違っているかもしれないが、だけど俺たちはここにいるぞ」という宣言じゃないですか!
となると‥‥あら不思議!!
ちょっと浅はか(失礼)で、かなりの激烈なコメントにも晒されている映画男さんが発信し続けている「文句=ブログ」に通じる物があるではありませんか!!
映画男さん、あなたしっかりミスター・ガラスからメッセージを受け取ってらっしゃるじゃないですか!!
さすがです。
上の方と同意見です。
貴方は作品の上っ面しか見えていません。
言葉の意味は理解できても本質的な意味が分からない人がいますが、それと同じ。
とはいえ、私も長年引っ張った結末があれなので、期待していた反面正直ガッカリしました。
しかし貴方に「頭が悪いだとか馬鹿だ」とか言われるような駄作ではありませんよ。
ミスターガラスの最期の言葉の本質的な意味(メッセージ)が貴方に分かりますか?
ブログを書くなら、もうすこし考えて作品と向き合いましょう。
このサイト久々に来たけどレイアウトが見づらくなったなぁ
こんにちは!初コメです。
2ヶ月前くらいから読者になりました。
映画男さんとは好みが合わないこともありますが、いつも楽しく拝見させてもらっています!本作に関しては僕も同じような感想です。設定がガバガバで”衝撃のラスト”を意識し過ぎたあまり色々詰め込みすぎてごちゃごちゃした印象でした。
これからもブログ頑張ってください!!応援しています!!
まさにガバガバ映画ですね。上映中眠くて仕方なかったです。
いつも楽しく拝見しています。
私もミスターガラスは楽しめませんでした。でも真ん中20分寝てもなんの疑問もなくその後最後まで観れました。そういう意味ではすごい映画だなと思いました。
中盤、特にダレますからね。トイレに行って戻ってきてもまだ同じようなシーンっていうこともありそうですね。
つまらなかったっていうことをダラダラ書いてるだけの内容でこんなんで金貰えるのが羨ましいなって思った
点数の内訳が見えないので、教えてほしいです。
90点以上が初期に複数出て、近年出ていないのは映画を観すぎて飽きがきているから?
参考にしたい部分もあるのですが、主観が強すぎて読みづらいのでお願いします。
独断と偏見とフィーリングに基づき、そのとき頭に浮かんできた数字が点数になります。最近90点以上が出てきてないのは、歳を取ってきて年々偏屈になってるからです。
シネマンションってYouTubeで紹介されてたので三部作一気見したんですが
アンブレイカブルはまだみれたんですが
スプリットはつまらなくて、ねーちゃんの胸見てるだけ
ミスターガラスはねーちゃん可愛いな~( ≧∀≦)ノってだけで
ガラスがどうやって部屋でたとか説明ないし、超能力なら説明しろよw
ビーストのシーンつまらなくて1.5倍再生でみて
最後の戦いもしょっぱくて
せめてダンが溺れても後で復活の不死身ならヒーロー物として成立してたんだけど、あまりのくだらなさで共感できる人探してたら映画男さんにたどりつきました
かなりの遅レスですが書かしてもらいます。
この三部作ひどいですよね。スプリットが一番きついかなぁ。
映画をちゃんと観ていればわかるようなことなのに、とっちらかってコメントされてる。
きっと、ブログを書くことが目的だから、書くコメントを決めてあったんだろうね。
イチャモンを書けば面白いだろうって感じ。でなんでこんな半端な点数なの?
これはアメコミが好きな人はハマるんでしょうかねぇ。
多重人格は見てると恥ずかしくなるし、早く終わらないかなあ、と思って見ていました。
多重人格の演技、恥ずかしかったですね
アマプラでミスターガラス見ましたが、うーん。細かいところの辻褄とか説明を放棄した映画でした。
誘拐現場バトルで外出たら警察が揃ってた理由、イライジャが部屋から出た方法、施設のあまりに緩いセキュリティ(予算掛けたくなかったんか?)、デイビットを溺死させる警察官がビデオにモロ写りしてたはずなのに息子も世間も問題視してない。
スーパーパワーバトルの迫力の無さ、デイビッド鉄骨曲げるの時間かかりすぎて普通の人感、イライジャ死ぬ必然性の無さ、水に濡れても水槽壊す力あったのに押さえつけには無抵抗、などもおかしかった。
でもケイシーの胸元は確かに気になりましたね。