恋のために色々とポイ捨てしていく悲劇的な男女を描いたポーランド映画。みんな当然ポーランドのことを知ってるよねっていうノリで描かれていて分かりにくいです。41点(100点満点)
映画Cold War あの歌、2つの心のあらすじ
1949年、音楽監督のヴィクトルはポーランドの民俗音楽を広めるために演奏団体マズルカ・アンサンブルを結成し、若い歌手やダンサーを集めようとしていた。
マズルカ・アンサンブルのオーディションにはたくさんの若者が集まったが、中でもズラの存在がひと際ヴィクトルの目に留まった。ズラはエネルギーに満ち、自信に溢れ、魅力的だった。
レッスンをしていくうちにヴィクトルはますますズラに惹かれていき、二人はまもなく結ばれた。しかしズラには虐待しようとした父親をナイフで刺して刑務所にいた過去があった。いずれにしても彼女が感情的な女性であることは確かだった。
やがてズラはマズルカ・アンサンブルの花形タレントになった。ポーランド政府はマズルカ・アンサンブルが巷で話題になると、スターリンや農業改革を称賛する歌を歌うように圧力をかけてきた。
そんな中、ヴィクトルはドイツのベルリンに公演で行った際、西側に亡命することを企て、ズラにも一緒に来るように誘う。しかし待ち合わせの時間になってもズラは現れなかった。
映画Cold War あの歌、2つの心のキャスト
- ヨアンナ・クーリグ
- トーマス・コット
- ボリス・シィッチ
- アガタ・クレスザ
- ジャンヌ・バリバール
映画Cold War あの歌、2つの心の感想と評価
「イーダ」のパヴェウ・パヴリコフスキ監督による、冷戦時のポーランドのミュージシャンによる情熱的な愛の物語。カンヌ映画祭監督賞を受賞した作品です。
監督の両親の実話をベースにした恋愛ドラマで、冷戦期のポーランドとフランスを舞台に男女が国境を越えて愛をはぐくんだり、そうかと思ったら喧嘩して別れたりを繰り返す、波乱万丈の二人の人生を描いていきます。
映像は白黒で、スローで淡々とした演出による芸術路線を行く大人の映画で、情報量が少なく、説明不足なことが多々あり、ポーランドの時代背景を知らないと伝わりにくい内容になっていました。
「イーダ」と同じく終始暗くて、どんよりとした雰囲気が漂っているので見ていて楽しい映画でないことは確かです。
むしろどちらかというと退屈で、登場人物たちは口数が少なく、表情に温かみがないせいか感情移入するのが難しく、好きな相手のために男も女も色んな目にあって大変そうだなぁ、としか思えなかったです。
一方で腐れ縁ともいえるヴィクトルとズラのツンデレの様子はさもありえそうで、時代背景や二人の置かれた厳しい状況が恋を余計に熱くしていて、何度も別れてはまたやり直すっていうドラマチックな関係が好きな大人の男女には受けるかもしれません。
僕的にはストーリーはそうでもなかったけど、音楽の使い方が上手だなあ、と感じました。特にパリで流れるジャズの演奏シーンはいいですね。
しかしそれ以外に印象的なシーンがあったかというとほとんどなく、結構大事なセリフやエピソードをあまりにもサラっと語りすぎていて、「え?何が?どういうこと?」と混乱するような箇所がいくつかあって困りました。
ズラって最後、マズルカ・アンサンブルのマネージャーとの間に子供を産んでたんですか? お願いだからあんなに大事な下りをサラっと流さないでくれよ。その後二人は駆け落ちしたのかなんなのか知らないけど、とにかくあの子供のことはどうなったのよ。
コメント
前作「イーダ」も面白くなかったけど、これも同じように退屈。途中で見るのをやめました。白黒で撮る理由もわからない。懐古主義なの?
白黒だと過去を描写しやすいんでしょうね。現代っぽさを隠しやすいんじゃないかと思います。でもあんまりでしたよね。
一言でいうとお洒落っぽい「雰囲気映画」ですよね。
まさに雰囲気映画です。