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映画汚れた心は勝ち組負け組の物語!感想とネタバレ

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42点(100点満点)

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映画汚れた心のあらすじ

第二次世界大戦直後のブラジル。サンパウロ州の小さな町では、大勢の日系移民が寄り添うように暮らしていた。政府によって、日本に関する情報を遮断された彼らの大半は、未だ日本軍の勝利を信じて疑わない。写真館を営むタカハシ(伊原剛志)もその1人だった。教師の妻ミユキ(常盤貴子)と暮らすタカハシは、隣人のササキ(菅田俊)と妻ナオミ(余貴美子)、その一人娘アケミ(セリーヌ・フクモト)と家族ぐるみで付き合っていた。

そんなある日、元陸軍大佐ワタナベ(奥田瑛二)たちが、当局に禁じられた集会を開き、官憲との間でトラブルになる。これをきっかけに、ポルトガル語のラジオ放送で日本の敗戦を知ったササキやアオキ(矢崎勇)たちのグループと、ワタナベ、タカハシたち日本の勝利を疑わないグループが対立。ワタナベは、アオキたちを“裏切り者”と断じて、タカハシにアオキ抹殺を命じる。

goo映画より

映画汚れた心の感想

「Oi ビシクレッタ(原題 O Caminho das Nuvens)」 のヴィセンテ・アモリン監督によるブラジルを舞台にした戦争ドラマ。ブラジル監督が撮った”日本映画”にしては、割としっかりとしたキャスティング、ストーリーになっていてまあ最後まで見られる一本。

日本の俳優陣は悪くなかったです。ただひとつ気になったのが、常盤貴子にセリフを与えずに表情だけで演技させようとした部分です。

監督はこれについてインタビューで「観客は、ミユキ(常盤貴子)の視点を通して物語を観ていくので、彼女が話してしまうとフォーカスがずれてしまうと感じた」と話していますが、実際に映画を見ると、てんでミユキの視点で物語は進まず、完全にタカハシ(伊原剛志)の目線で進むのです。

あまりにも不自然に徹底的にミユキを無口にしてしまったため、てっきり聾唖なのかとすら思ってしまいました。

あるいは、ブラジル人監督だから日本人の妻は終始旦那の言うことを聞いて黙っている、という設定なのかとも考えました。

それにしても日本人学校の教師のはずなのに聾唖、もしくは何もものを言わない、というのも変だなという気がして、監督の意図するところが最後まで伝わらず終いでした。

なにかにつけて日本刀を振り回すというのもなんだかなあ。もう少しでハリウッド映画的馬鹿外人映画になり下がるところでしたね。ギリギリセーフ。うーん、人によってはアウトかもしれませんねえ。

日本で「勝ち組、負け組」というと人生の成功者か否かを指すようですが、ブラジルの日本社会ではこの映画でも描かれている、戦後日本軍の勝利を信じ続けた人とそうでない人のことを指します。

この事実は日本の人は知らなくて当たり前ですが、けしからんのがブラジルの日系人の若者の多くが結構知らないということです。日本の人よりも、むしろブラジルの日系人に伝えるべき映画だと痛感しました。

そこで20歳そこそこの日系人の女の子を映画館に連れて行き、一緒に勧賞したんですが、勧賞後やはり「あんなこと初めて知ったぁ。」などと口をぽかんと開けながら言っていました。

「知らなかったって、お前のおじいちゃん、おばあちゃんの時代の話だろうよ」。

「ええ、だって私、歴史嫌いなんだもん」。

もちろん言ってやりましたよ。「この汚れた心が!!」ってね。ただそれが言いたくてあえてアホな子と一緒に映画に行きました。

もう少しで「こうなったら今夜は俺の日本刀を振り回してやる」とか言いそうになりましたが、ブラジルではそういう下ネタは通じないのでやめておきました。

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