脚本がゴミレベルのエセ兄弟愛を描いたほのぼのファミリードラマ。演技も下手だし、不自然な演出と設定が終わってます。1点(100点満点)
映画「間宮兄弟」のあらすじ
ビール会社の商品開発研究員の兄・間宮明信(佐々木蔵之介)と小学校校務員の弟・間宮徹信(塚地武雅)は、30歳を過ぎても仲良く同居生活を送っていた。兄弟は女性から恋愛の対象として見られることはなく、ありふれた日常にささやかな歓びを見つけ楽しく暮らしている。しかし、そんな彼らにもいよいよ恋の予感が訪れ……。
シネマトゥデイより
読者のファクトリーさんのリクエストです。ありがとうございます。
映画「間宮兄弟」の感想
「失楽園」、「模倣犯」などで知られる森田芳光監督による、どこに笑いがあるのか見つけるのが難しすぎる駄作。リアリティーのない小説を書かせたら右に出る者のいない江國香織原作の実写版です。
ハートフルコメディーという売り込みですが、謎の深いミステリー映画としか思えませんでしたね。最後までどこに笑いがあるかを視聴者が必死になって探さないといけないっていう謎ね。
フォーカスが定まっていないため監督の意図するところも、伝えたいこともさっぱり見当がつきません。適当な恋愛エピソードと面白エピソード混ぜたら心温まるだろっていうノリにまず抵抗を覚えました。
30歳を過ぎても一緒に暮らし、同じ部屋で仲良く並んで寝る兄弟、という設定がすでにありえないですよね。そんな気持ち悪い二人の周囲にいるのはなぜか美人ばかりっていうとても同じ世界で生きている人間が創った話だとは思えないです。
話にはメリハリがなく、あえて緩さとダサさを見どころにしているところが完全に裏目に出ていて、とにかく一つ一つの会話やエピソードにオチがないのがいけませんね。
おっさん兄弟がジャンケンをしてチ・ヨ・コ・レ・イ・ト、パ・イ・ナ・ツ・プ・ルとか言いながら歩いたり、大の大人たちが集まってモノポリで必要以上に盛り上がっている様子がいちいち嘘くさく、「和気あいあい」を勘違いしているのが分かります。
なんで遊んだこともない美人を誘うのにいきなり自宅のカレーパーティーに誘うんだよ。それも面識のない美人二人を別々に誘って、二人ともろくに知らない男の家にあっさり来るっていうね。ファンタジーにもほどがあるだろ。
一度目のパーティーだってさほど盛り上がってないのに、二度目のパーティーにもちゃんと来てくれるし、みんなで浴衣来て家で集まろう、とかやることなすこといちいちサブいです。あんな兄弟と誰が遊ぶんだよって。
どうやったらあのキャスティングになるんでしょうね。女性登場人物はみんな美人。兄弟はイケてない不細工。なのにお母さんがやたらと綺麗だったり、不釣り合いにもほどがあります。
この映画に限ったことじゃないけど、邦画に出てくる兄弟、姉妹ってやたらと距離が近いんですよね。とにかくベタベタしていて、そのうち兄弟同士で抱き合ったりするのかなあって思うぐらいキモいんですよ。むしろ兄弟で愛し合ってくれたほうが意外性があって面白いんですけどね。
そういえば「涙そうそう」とか言う映画も親近相姦かよっていうぐらい兄妹の距離が恋人の距離で気持ち悪かったですね。
兄弟愛に憧れてる人が創ってるんだろうけど、外国の兄弟をモデルにしているのか、日本人っぽさが全然ないんですよ。
実際日本人の兄弟なんてもっとドライだし、冷めてますよね。仲の良い兄弟、姉妹もいるけど、絶対あんな距離感じゃないもん。
どうせ最後にドランクドラゴンの鈴木が出てくるんだろうなぁって思ってたらホントに出てきたからびっくりしました。だからといって笑えなかったけど。
あまりにも笑えなかったんで、これを見た後でお笑いライブの動画を見てお口直ししましたよ。飲んでる人は飲み直さないとすっきりしないだろうし、何か食べてる人はウナギでも食べないと空腹収まりませんよ、これ。
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