ポンコツの殺し屋と怖くないやくざと演技の下手な俳優があたふたするだけの退屈な物語。引っ張る割には大したオチもないダメ映画です。12点(100点満点)
鍵泥棒のメソッドのあらすじ
35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井(堺雅人)は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウ(香川照之)が彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋で……。
シネマトゥデイより
読者の森本さんのリクエストです。ありがとうございました。
鍵泥棒のメソッドの感想
「アフタースクール」の内田けんじ監督によるダラダラしたドタバタ劇。前半はそこそこ面白いけど、後半のダレっぷりがひどく、最後まで見るのに多大な労力がかかる駄作コメディ。堺雅人、香川照之、広末涼子が出演しています。
物語は、売れない俳優桜井がひょんなことから記憶を失った凄腕の殺し屋コンドウになりすまし、やくざの凶悪事件に巻き込まれていく様子を描いていきます。
登場人物があることをきっかけに他人になってしまう、いわゆる入れ替わり映画で、馬鹿馬鹿しいだけでほとんど笑えなかったです。
この話、どうなるんだろうと好奇心を抱くのは、主人公が人を殺害したばかりの殺し屋コンドウになり、貧しい生活から一転して高級車を乗り回し、高級マンションに住み始めるぐらいまでで、それ以降は記憶を失った殺し屋が記憶を取り戻すまでの長いフリにしかなっておらず、時間の無駄遣いが目立ちます。
記憶が戻るまでに1時間半ぐらいかかるんですよ。普通なら映画が終わっていてもいいころにやっと物語が動きだすっていうスローな内容に寝ないほうがおかしいです。
特に広末涼子扮する水嶋香苗にかける時間が多すぎて、意図するところが分かりませんね。そもそもあのキャラクターいります?
あと殺し屋の名前(偽名)がコンドウで、やくざのボスの名前がクドウなんですよ。ただでさえ登場人物が入れ替わる話なのになんでそんなにややこしい名前つけるのよ?
キャストもまともな仕事をしているのは香川照之ぐらいです。堺雅人がいいのは冒頭の自殺未遂のシーンだけであとはボロボロでしたね。
もう肝心なテンポが悪いことにはどうにもならないですね。ドタバタ劇なんてテンポが全てと言ってもいいんじゃないかな。
コメディで2時間を超える映画を作るっていうのがまずセンスないですよね。2時間も笑いっぱなしになるわけないじゃん。見てるほうの集中力が落ちてきたら笑えるものも笑えなくなるしね。
それにどうせあそこまで引っ張るならもうちょっと「ええー!」っていうオチを用意しないとダメですよね。オチのない2時間超のコメディってなんなんだろう。
コメント
「鍵泥棒のメソッド」の映画評を有り難うございました!
映画男さんのするどいツッコミにはいつも感心させられてしまいます!
確かに香川照之さんの演技のみが光っていましたね。
私の視点としては殺し屋でも俳優でも、几帳面というか前向きに取り組む奴は
成功するんやな〜と変なところで納得させられる映画でした。
ところで先日「カメラを止めるな」という映画を観て来ました。
あまりに話題になっているので何の予備知識もなしに観たのですが、
ぜひ今度この映画評をお願いいたします。
リクエストありがとうございました。確かに彼は記憶が飛んでも几帳面な性格だけは変わらなかったですね。「カメラを止めるな」はほかの読者さんたちからもリクエストを受けているので機会があれば見てみます。
映画男さんはじめまして。映画男さんのレビュー、いつも大変楽しく、興味深く拝見しております。
早速で恐縮ですが、【クリーピー 偽りの隣人】は鑑賞されましたでしょうか。よろしければ映画男さんのレビューを拝見したく存じます。
よろしくお願いします!
機会があったら見てみますね。ありがとうございます。
初めまして。
大変失礼ですが本当に最後まで視聴されたのか疑問です。
オチ無しどころか二転三転のどんでん返しが展開されますし、
本編のモチーフがラブコメであるのは、
冒頭の唐突な結婚宣言、
ヒロインと記憶障害サブヒーローとの細やかな交流と、
ラストの伏線回収でも示されています。
それに対してヒロイン不要とは。
私は面白かったのですが確かに無駄を省いてもう少しコンパクトでもいいと思いました。
ヒロインの役名が某死刑囚の氏名と似ているのが気になりました。