世の男たちは当然私たちに夢中よって思い込んでいる女監督が撮った、目線ぶち壊し映画。男でこの作品が好きっていう人は今すぐ名乗り出てください。20点(100点満点)
ヴァージン・スーサイズのあらすじ
美しくてかわいく、それでいてどこか謎めいたところのあるリズボン家の5人姉妹。ヘビトンボが、美しい郊外の街を覆いつくす6月、そんな5人姉妹の末妹セシリアが聖母マリアの写真を胸に抱きながら、剃刀で腕を切った。一命はとりとめたものの、彼女は数日後、自宅で開かれたパーティーの最中、窓から身を投げて命を落とす。
allcinemaより
ヴァージン・スーサイズの感想
「ブリングリング」、「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」、「SOMEWHERE」、「ロスト・イン・トランスレーション」などで知られるソフィア・コッポラ監督による小説「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」の映画化。美少女5人姉妹と彼女たちを遠くから見つめる少年たちの淡い青春ドラマです。
物語は、5人姉妹の末っ子が自殺したことを皮切りに両親が娘たちを守ろうと厳しいルールを課し、やがて外の世界から彼女たちを孤立させてしまい、残った姉妹たちまで自ら命を絶ってしまう様子を描いていきます。
厳しい両親に育てられた姉妹は美人ということもあって近所の少年たちの間ではいつしかアイドルのような届かぬ存在になり、一層好奇心をそそります。
どうにかして彼女たちと近づきたいと願う少年たちは双眼鏡や望遠鏡を使って姉妹の生活を覗きながら様々な想像と空想を膨らせますが、いつしか姉妹たちは家で軟禁状態に陥り、やがて自殺を遂げ一生彼らの手の届かない特別な存在になってしまう、といった感じにストーリーは幕を閉じます。
本来ならこれもっと男っぽい映画にしないとダメなやつじゃないですか? もともと小説家ジェフリー ユージェニデスが書いた男目線の物語を、ソフィア・コッポラ監督がゴリゴリの女の子映画にしちゃってるせいか視点が滅茶苦茶になっていますよね。
姉妹の可愛さとかエキゾチックさばかりが強調されていて、少年たちの心情とかエピソードはほぼほぼ無視っていうのがものすごく乱暴だなあという気がしました。特にキルステン・ダンストのゴリ押しがひどいですね。
まあある意味、自分大好きソフィア・コッポラらしいといえばらしいんだけどね。おそらくキルステン・ダンスト扮する一番の美少女ラックスが自分自身っていう感覚で撮ってたんじゃないかな。あるいは5人姉妹全員自分か。
キャラクターの中では一番末っ子の女の子が皮肉屋で面白かったのにすぐに死んじゃうもんだから、彼女の死後は誰を見ていいのか分かりませんでしたね。
色の使い方とか、登場人物たちの可愛らしさとかから女性視聴者にはなんとか支持が得られるかなあっていう作品で、男にはまず受けないでしょう。
男でこの映画を好きっていうやつは今まで僕の周りではたった一人しかいませんでしたね。
ピチピチのTシャツ着て、家にピンク色の小さな椅子が置いてあって、それに座ろうとすると、「座らないで。それには絶対に座らないで!」って怒り出すような男でした。
「なんで座っちゃダメなんだよ?」
「それ座る用の椅子じゃないから」
そいつに勧められたから仕方なく見たら、あまりにも退屈だったんですぐに電話をかけて文句を言いましたよ。
「なんなのあの映画? すげえつまんなかったんだけど」
「僕、あの映画好きなんだよねぇ。ラックス(キルステン・ダンスト)がダンスパーティーに行くときパンツにこっそり男の子の名前を書いてたでしょ? あれを見て、すごいなあって思ったんだ」
いやいや、なんでパンティーに男の名前を書くんだよ。それ見て誰が得するんだよ。
あのシーンがいいっていう奴の気持ちが僕にはいまだにさっぱり分かりません。ピチピチのTシャツを着る男の気持ちが。
コメント
5人姉妹は1人ひとりは大して美人というわけでもないけど同じ雰囲気のブロンドロングヘアが揃うと綺麗な子たちに見える雰囲気美人てやつでしたね。
全員黒人の美人姉妹でもよかったかもしれませんね。ブロンド=美人っていう固定観念がいけません。