アイデア勝ちしている、低予算サスペンス。意外性あり、サプライズあり、話題性ありのエンタメ作品です。68点(100点満点)
search/サーチのあらすじ
デヴィッド・キムは在りし日の家族の姿を収めたホームビデオを鑑賞していた。妻のパメラが癌で亡くなってからというもの、デヴィッドと娘のマーゴットとの関係は疎遠になる一方であった。
ある日、マーゴットは勉強会に参加するために外出したが、デヴィッドに「行ってきます」の一言すら言わなかった。毎度のことなので、デヴィッドも特に不審には思わなかった。翌朝、デヴィッドは自分の就寝中にマーゴットが3回も電話をかけてきたことに気が付いた。
マーゴットが帰宅した形跡はなかったが、デヴィッドは娘がピアノのレッスンに行ったのだろうと思い込んでしまった。しばらくして、デヴィッドはマーゴットが半年前にピアノ教室を勝手に退会していたことを知った。
デヴィッドが月謝として渡していたお金は娘の銀行口座に貯蓄されていたが、マーゴットはそれを引き下ろしていた。不安に思ったデヴィッドは兄のピーターに相談したが、「思春期の女の子ならフラっと遠出してもおかしくない」と言われた。
翌日、デヴィッドはマーゴットたちがキャンプの企画を立てていたことを知るが、マーゴットは待ち合わせ場所に来なかったと知らされた。事ここに至って、デヴィッドは娘の失踪を警察に届け出た。
wikipediaより
search/サーチの感想
アニーシュ・チャガンティ監督による、行方不明になった娘を探す父親の激闘をパソコンモニターを使って映し出した、新感覚サスペンススリラー。アイデアが満載で、演出も斬新で、二転三転する展開もあって素直に楽しめました。
なお、この映画はブログ支援企画の第二弾として鑑賞してきました。
支援企画終了いたしました。近いうちにこのお金で映画見に行ってきます。ありがとうございました。 pic.twitter.com/WvBcJbgd77
— 映画男@映画に文句を言う人 (@eigaotoko2012) 2018年9月12日
支援してくださったkumapさん、R_Y_Oさん、RenoBankさん、kazuhacchiさん、kobatanさん、本当にありがとうございました。支援していただいたお金で、もう一本ぐらい見れそうです。
さて、この映画が特徴的なのは、全てがパソコンの画面上で展開していくところです。雰囲気は予告動画を見てもらえると分かるかと思います。
そういえば以前にもSNSの画面だけでホラーを展開させる映画「アンフレンデッド」がありましたね。見事に滑ったけど。
それに対してこの映画が成功したのは、ホラーにしなかったことと、主人公を韓国人家族にしたこと、そしてサプライズをたくさん用意して、予想外の犯人とラストで締めくくったことが要因に考えられそうです。
いわゆる犯人捜し映画なんだけど、僕は読めなかったですね。騙されました。
ハリウッド映画なのになんで韓国人ファミリーを主人公にしたのかは謎です。でも意表をついていていいですね。
「ブラックパンサー」、「ビッグ・シックぼくたちの大いなる目ざめ」、「クレイジー・リッチ!」など、最近マイノリティーを前に出していこうという流れが来ているのかもしれませんね。
もう一つ面白いなあ、と思ったのは、全てがパソコンの中でのお話なので、たとえ字幕で見ても、パソコンのモニターに映るボタン、メニューはもちろん、ブラウザーでタイプされる文字まで翻訳してあったことです。
僕の場合は、ブラジルに住んでいるので英語音声、ポルトガル語字幕で見ました。するとチャット内の会話まで全てがポルトガル語表記になっていました。これは翻訳するほうも、編集するほうも大変ですね。
どういうことかはこちらのブラジル版予告を見てもらえば分かるはずです。字幕版なのにチャット内の会話もTVのキャプチャーも全部ポルトガル語になってるでしょ?
なぜそうなっているかというと、従来の画面下に表示させる字幕だけにしたら視聴者の目が物語に追いつかないからです。
もしかすると、日本版はそうなっていないかもしれないけど、この映画に限っては画面の文字全てを訳さないと良さが伝わらないです。そしてその感覚こそが新しいんですよ。
一方で確かにアイデアだけで勝負している映画特有の安っぽさは否めません。キャストはB級寄りの俳優たちの寄せ集め感が出ています。
よくある低予算ホラー映画に出てくるような無名俳優ばかりを起用していて、主人公のジョン・チョーを「スタートレック」で見たことあるぐらいであとは知らない人たちばかりでした。
だから下手すると、駄作路線に行く可能性は十分だったってことです。だけど、なんとか切り抜けましたね。
最後の新犯人が分かった人は読みが相当鋭い人でしょう。できればここで全部ネタバレしちゃいたいところですが、久々に見た面白いサスペンススリラーなので言わないでおきます。つまらない映画だったら、全部バラしてるところですが。
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