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映画ミヒャエルは怖すぎる監禁ホラー!感想とネタバレ

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マルクス・シュラインツァー監督による「オーストリア少女監禁事件」を彷彿させる監禁ホラー。気味が悪いし、何が起こるかわからなくて怖いです。69点(100点満点)

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映画ミヒャエルのあらすじ

35歳の独身男ミヒャエルは、ろくに友達もおらず、家で地味な暮らしを送っている孤独な男。勤めている保険会社の知り合いといえば、最近、家が近所だとわかったクリスタぐらいだ。

しかし、彼には誰にも想像のできない秘密があった。それは彼が家の一室に10歳の少年ウォルフガングを軟禁していることである。 夕食の時のみ、彼は少年を暗い部屋から出すと、数時間を一緒に過ごし、そして、また次の晩まで部屋に監禁するのだ。二人はほとんど言葉を交わすこともなく、儀式のような日常が続く。

しかし、ある日突然、ミヒャエルが交通事故に遭い、病院に入院させられるという事件が起こる。ようやく家に戻ってきたミヒャエルが少年を部屋から解放するが、二人の関係は次第に緊張と共感が合い混ざったものへと変質してゆく。

(goo映画より)

映画ミヒャエルの感想

中年のおっさんが少女を監禁して平然と生活している様子を映した芸術路線映画。

ミヒャエルとウォルフガングを演じた俳優がそれぞれ役にハマりすぎていて心理に訴える恐ろしい映画に仕上がっています。

特にミヒャエルが若くて禿げていてムチムチした体格で、いかにも社会的には認められているけれど、裏ではなにをやっているか分からない欧州の異常者といった感じの雰囲気を醸し出しているのがヤバイです。

桐野夏生の「残虐記」もそうでしたが、長年生活を共にしていく中で犯人と被害者との間に築かれた奇妙な関係性が話の焦点となってきます。

歪んだ愛憎の狭間で二人は無表情ながらもお互いに様々な感情をぶつけ合います。クリスマスにプレゼントを交換したり、公園に散歩に出かけたり、親子のような関係に見えるときもあれば、またあるときには異常な性行為の加害者と被害者にしか見えないときもあります。

いずれにしろミヒャエルにとっては少年を常に自分の支配下に置いておくことが快感であり、生き甲斐になっているのは明らかで、か弱い存在である子供こそが彼の支配欲を満たす絶好のターゲットになっているのが悲劇的でした。

ストーリーのポイントは、ミヒャエルが泊まりがけで同僚とスキーに行った際、スキー場のレストランで働く中年の女に気に入られ、そのままベッドインするシーンです。

このシーンからミヒャエルが実は普通に女性を性の対象として見ていることが分かります。問題は強い大人の女性を前にしたときにミヒャエルのように精神障害を引き起こすほどの自尊心の低い男は最後まで上手くやることができず、またさらにそのことに対して深く傷ついてしまい、翌日女が部屋のドアを叩いても無視してテレビを見続けたりします。

そしてスキーから家に帰り、自宅に少年がいることで自信や喜びを取り戻す、という細かい筋書きが上手いですね。

この映画もまたセリフ少なめ、静かで淡々としてテンポで進んでいく、いわゆるハリウッド映画とは対極にある典型的な欧州映画祭向けの作品です。

ホラー映画としてカテゴライズできそうだけれど、登場人物がキャーキャー叫ぶそれとは違います。見ていて心臓がバクバクすることもありません。ただ、背中から嫌ぁな汗がしたたり落ちる、そんな映画です。

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