キャストは豪華なのに主人公が素人、映像はきれいなのにストーリーはスカスカ、格闘家をわざわざ主人公に抜擢したのにアクションは不自然で、いいところを探すのがとにかく難しい一本。32点(100点満点)
エージェント・マロリーのあらすじ
並外れた戦闘能力と知性を兼ね備えた女性スパイのマロリー(ジーナ・カラーノ)は、民間軍事企業の経営者で昔付き合っていたケネス(ユアン・マクレガー)からバルセロナにおける人質救出作戦の依頼を受ける。
バルセロナでの作戦を手を組んだパートナー(チャニング・テイタム)と共に見事に遂行し、その評判を耳にしたMI6の依頼で、今度は新パートナーのポール(マイケル・ファスベンダー)と組み謎の男を追跡するという仕事が舞い込んでくる。しかし、ダブリンへ旅立ったマロリーを非情なわなが待ち受けていた……。
(シネマトゥディより)
エージェント・マロリーの感想
「ローガン・ラッキー」、「恋するリベラーチェ」、「マジック・マイク」、「ガールフレンド・エクスペリエンス」、「サイド・エフェクト」などで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督によるアクション劇。これまでのソダーバーグが撮った映画の中で最低の出来のウンコ映画です。
ミスった、失敗した、やっちゃった、というような言葉がこれほど当てはまる映画も珍しいです。いまいちソダーバーグがなにがしたかったのか理解できませんでした。
おそらく「ガールフレンド・エクスペリエンス」で素人を起用する面白さを覚えてしまったのでしょう。
ここに来て総合格闘家のジーナ・カラーノを使い、スパイ映画を撮るというなんともチープな発想。
ソダーバーグともあろう監督が、格闘+美貌=女スパイ、というコテコテの方程式の下、映画を撮ったことが信じられません。こうなると、もう考えられるのは、とにかくジーナ・カラーノと一度でいいからあんなことやこんなことがしたかった、としか思えません。
美しい女スパイにあこがれる男は、大半がM男です。きれいなだけじゃなく、肉体的な強さまでを女に求めている。
そういう男からしたら女が映画の中で暴力をもってして男をやっつけるのを見るのが快感なのです。できれば自分も一度頬を強く引っ叩いてもらいたい、と密かに望んでいることでしょう。
ジーナ・カラーノは総合格闘技の中では、美人でアイドル的な雰囲気を身にまとっていますが、映画のスクリーンの中で見ると、肩がやたらと発達しているごつ いオバサンに様変わりしていました。舞台が変わるだけでこうも印象が変わるのかと。
ユニフォームを着ていないスポーツ選手がときおり貧相に見えてしまうのと似ていますね。あれがジーナ・カラーノじゃなくて、クリス・サイボーグだったら果たしてもっと写真映りが悪くなってたんでしょうか。
本当に強くて恐ろしい女スパイを描きたかったのであればクリス・サイボーグのほうがこの役が相応しかったような気がします。彼女なら荒々しくて、殺気みなぎる本格派アクション映画ができたに違いないです。
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