彼氏なし、友達なし、職なしの30過ぎの女がパリの街で自分を見つめなおしていくフランス映画。フランスの女がキレるところを見たい人にはいいかもしれません。44点(100点満点)
映画「若い女」のあらすじ
写真家の恋人ジョアキム(グレゴワール・モンサンジョン)と住んでいた31歳のポーラ(レティシア・ドッシュ)は、10年も交際していた彼から突然別れを切り出される。
住む場所も失うことになって憤慨した彼女は、腹いせにジョアキムの飼い猫を勝手に連れて出ていく。友人の家に世話になるが、猫を連れていたことから追い出されてしまう。
シネマトゥデイより
映画「若い女」の感想
カンヌ映画祭で評価されたレオノール・セライユ監督による、フランス人のダメ女が彼氏に家を追い出され、パリの街をさまようコメディー色の強い人間ドラマ。
ヒロインの演技とキャラクター任せの作品で、破天荒で行動の読めないポーラに感情移入ができるかどうかで評価が変わってきそうな映画ですね。
ストーリーは、長年同棲していた彼氏からポーラが家を追い出されるところからスタートします。
家を失ったポーラは自暴自棄になり、彼氏の猫を一緒に連れてパリの街をさまよいます。
友人の家を転々としても必ずトラブルを起こして追い出されるポーラ。せっかく見つけた住み込みの子守の仕事もダメにしてしまい、イライラが募るばかり。そんなある日、彼女の前に長年音信不通だった母親が現れる、、、、という筋書きになっています。
もし同棲している恋人の家を突然追い出されたら?というシチュエーションは物語のスタートとしては申し分ないでしょう。
普通なら実家に帰ればいいけど、ポーラには父親がおらず、母親とは疎遠になっています。
他に親戚もおらず、仕事もないとなったら当然路頭に迷うわけで、いわゆるやばくなって初めて重い腰を上げる行き当たりばったりタイプがこの映画の主人公です。
どこに行っても追い出されてしまうポーラはこの先どうなってしまうんだろう、と彼女になにかしらの情が沸いたら楽しめるのかもしれませんね。
僕は、「こいつアホだなぁ。いるいる、こういうダメな奴」と思いながらときより失笑したり、嫌悪感を抱いたりして見ていたので、特に心を持っていかれませんでした。
一方で子供の前でインディアンの真似をしてドン滑りした下りは良かったです。あれはポーラというより、子供のフル無視具合が最高に笑えました。
周囲に当り散らし、口からデマカセばかり言い、パリの街と人々に見放されながらも、たくましく生きようとする彼女の姿はリアルだったし、時間と共に成熟していく過程はなかなかのものです。
先が見えない、という点においても非常に優れているし、終盤からラストにかけてはかなり予想外の展開になりましたね。
フランス映画のことだからあのまま何もなく終わっていくかと思いきやポーラが自分の運命や状況に翻弄されつつも、どこか冷静さと強い女の決断を見せたのには驚かされました。散々、男に頼ってきた女が自立した瞬間でしたね。
ポーラはよく頑張ったけど、やっぱり男目線で見るとあんな女はきついなぁ。ヒステリックで口が悪く、すぐ嘘つくってどうやって信用したらいいんだよ。
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