最悪の環境の中でたった一人で生き延びる大自然サバイバルリアリティー。命をかけた男たちの自分との戦いが素敵です。78点(100点満点)
ALONE 孤独のサバイバーのあらすじ
これは前代未聞の大胆極まりないサバイバル番組だ。バックパックに詰められるだけの物を背負い、ひとつのミッションを果たすため厳しい大自然の中へと、一人ずつ足を踏み入れてゆく。食料確保のために獲物を捕らえ、自らの手で雨をしのぐ小屋を作り、捕食動物から身を守るために戦う。
極度の孤独と極限の心理状態に追い込まれながらも、それぞれが未知の体験の一部始終をドキュメントする。彼らのサバイバルには、カメラクルーもプロデューサーも一切同行しない。この苛酷なサバイバルに耐え抜き、最後の生存者となった者が50万ドルの賞金を手にできる。いま、究極のサバイバルゲームが始まる。
Huluより
ALONE 孤独のサバイバーの感想
HISTORYチャンネル製作による、サバイバル自慢の男たちが無人島に放り出され、最後の生存者になることを目指すTV番組シリーズ。生きるか死ぬかの状況にハラハラすること間違いなしのドキュメンタリーです。
最初は自然の中の様子を撮るだけでドラマ性はあるのかなって思ったんですが、ものすごいドラマチックに仕上がっていますね。
それも作られたドラマと違って生死を決める本物の人間ドラマだから、食い入るように見つめてしまいました。
舞台は、カナダのバンクーバー島。バンクーバーと聞くと、なんだ都会じゃんって思いがちだけど、実際は面積は32,134平方キロのアメリカ大陸太平洋側では最大の島なんだそうです。
それも降雨量が半端なく、撮影中の気温は5度からマイナスの世界。湿度はほぼ100%。さらにクマ、オオカミ、クーガーがうようよいるというかなり危険な島です。
そこに20代から40代の10人のサバイバルを得意とした男たちがカメラを持たされ、それぞれ別々の場所にランダムに連れて行かれ、最後の一人になるまでひたすら生き延びる、というのが番組の趣旨になっています。
これ、最高ですね。男のロマンじゃないですか。生存者には50万ドルが与えられるのも夢がありますね。
文明のない場所に行ったら果たして自分はどこまでやれるのか。自分は強い人間なのか。それとも弱いのか。自然に打ち勝つことができるのか。それとも打ち負かされるのか。
誰もがふと想像するようなことをあえて今の時代に挑戦していて、それも命の危険を犯してまでやる参加者と製作側がすごいですね。日本じゃ絶対できないでしょ。
いくらなんでもそんなにクマとかいないでしょって思うかもしれないけど、運が悪い奴なんて初日から遭遇しまくりで、テントの周りを囲まれたり、散々な目に遭う人がいます。
本当に誰か死んでもおかしくないですよ、これ。スタッフも誰もいないからね。リタイヤしたときしかスタッフは助けに来てくれないし、リタイヤしても場所が場所だけにすぐには駆けつけることができないから本当に危ないんですよ。ちなみにリタイヤの連絡は衛星電話で行うそうです。
島に持っていけるのは10個のアイテムだけでみんな火を起こせる石だとか、ナイフだとか、鍋だとかを持っていくんだけど、アイテム選びにもセンスが出ますね。
参加者のサバイバルの知識やスタイルの違いによっても行動の仕方が変わってきて、一つの場所から動かない男もいれば、あちこち場所を移動してよりいい場所を見つけようとする男がいたり、すごい人になると自分でカヌーを作って海を渡る男までいます。
みんなに共通しているのは長い間孤独でいると、感傷的になってやがて精神が病んでくるという点ですね。
自然ってリフレッシュの場だったり、精神衛生上良さそうなイメージばかりだけど、逆に圧倒的に厳しい自然を前にすると人は心が病んでいくっていうのがすごくパラドックス的で興味深かったですね。
多分、もっと環境のいい自然の中だったら心も健康になるんだろうけど、毎日雨で、寒くて、クマとかいたら、そりゃあ欝になりますよね。だって湿度が高すぎるせいで着てる服にカビが生えて来るんだから。
見た目がタフそうな男が案外あっさりリタイヤしていくのとかも面白いです。警察官なんて「俺は普段から猛獣のような犯罪者と戦ってるから大丈夫だ」なんて言いながらクマに遭遇したら速攻で家に帰るって言ってましたからね。まあ、クマに襲われかけたらしょうがないけどね。
また、アフリカなどの戦場を経験しているベテランの軍人まで体調を崩して身の恐怖を感じて撤退するぐらいだからこの企画が相当過酷であることが分かります。
その一方でアホっぽくみえる20代そこそこの若者とかがものすごい根性見せたり、頼りなさそうな華奢でイケメンのお兄さんが半端ない対応力を披露したり、人間って分からないもんですねぇ。
参加者の一人も言ってたけど、自然の中では人間はある意味平等なんですよね。社会的な地位とか強さなんてジャングルでは何の意味もないっていうのがいいです。
これだけはいえるけど、東京生まれのヘタレな僕があんなところに行ったら1時間でリタイヤしますよ。大自然なんか行かないでやっぱり家で映画見てたほうがいいわ。
だから僕は憧れと尊敬の眼差しで参加者たちの動向を手に汗握りながら最後まで一気に見てしまいました。参加者にはご苦労様、としかいえないです。
コメント
傑作ドキュメンタリーのご紹介ありがとうございます。
それにしても、懐が深いですね〜
さっそく、昨夜よりほぼ徹夜で視聴し、さっき第4話を終えたところです。
まだ行けそうですが、あまりに面白いので楽しみにとっておこうと思います。
想定外だったhuluを映画男さんのオススメ記事でお試し中なんですが、ほぼ決定ですねこれは。
Amazon Prime VideoーNetflixーTSUTAYAーdTVときて、huluだけスルーしていたんですが、今考えるとなんでそんなことしたのか自分でもよく分かりません。
たぶん、古いやつほど新しいものを欲しがるもんなんでしょう・・。
都度料金なし、吹き替え充実、ドキュメンタリーたっぷり・・なのにね。
BBCやFOXのリアルタイムニュース放送(同時通訳)というのもシブいです!
ということで、目下のところ廃人に向けてまっしぐらという状況です^^
これ徹夜しちゃうやつですよね。
ちょっと不自然さを感じてしまうのが、カメラ(絵作り)が良すぎませんか?
本当にカメラクルーとかいないのかな・・と。
そもそもカメラの電源(バッテリー)とかは、定期的に供給しないともたないですよね。
どうしてるんでしょうか。
ま、ストーリーの本質を壊してしまうほどのことではないにしても、カメラクルーやプロデューサーの同行一切なしとうたってますよね。
完全な手持ち自撮りカットなんかは、素人撮りの感じは出ているんですが、フィックスで引いた絵なんかはどう考えても素人離れしているんですよね。
しかも、全員がとてもよく似たフレーム構成なので、う〜んむむむ・・?
このへん、自分がカメラやってたので分かっちゃうんですよね。
もしあの絵作りも全て単独で撮ったというなら、事前に相当なレッスンなりを受けているんでしょうねぇ。そこまでしたのかまた新たな疑問がわいてくるのですが・・。
映画男さんは、その辺の違和感はなかったですか?
スタッフが全く接触していない、ということはないでしょうね。当然、カメラの電池も交換したでしょうし、定期的に安否の確認や健康診断もしてたと思いますよ。僕が不思議に思ったのはみんなカメラの前で一人で喋るのが上手いことですね。あれはアメリカ人だからああなのか、それとも孤独すぎるから喋りたくてしょうがないのか。やっぱりなにかしらのやらせはあるんでしょうね。
やっぱりそうりゃそうですよね、いくらなんでも放ったらかしにはできませんよね。
先ほどシリーズ終話まで観終わりました。
後半、チャレンジャーたちが自撮りのことについてウンチクする独り言が収録されていて、なるほどと思いました。
自分をいかに見せ、美しい映像(記録)を残すかということについてかなり意識しているんだということがわかりました。打ち合わせ段階でみっちりとその辺もレクチャを受けているんだなぁと。
とにかく、ラストはしっかり納めましたね。さすがです。
すごい企画やるわ!