是枝裕和監督の「万引き家族」がカンヌ映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞したのを記念し、おすすめ映画をランキングで紹介します。
現役の日本人監督の中で是枝裕和監督がトップレベルの実力であることはもはや否定できないでしょう。
それも日本だけでなく、世界で評価される映画を撮り続けているのはすごいとしかいいようがありません。
作品の安定感、リアリティー、演技、演出、脚本のどれもレベルが高く、たまに外れはあるものの常にほぼほぼ一定のレベルを保っているのには脱帽します。
そんな是枝裕和監督の作品を僕のおすすめとそうでない作品をランキング形式で紹介します。
是枝裕和監督のおすすめ映画
9、幻の光
是枝裕和監督の劇場デビュー作にして、いきなりヴェネツィア国際映画祭で金オゼッラ賞を受賞した作品です。
とにかく映像が綺麗で幻想的です。ストーリーはやや気だるく、曖昧で、微妙なんですが、このときから外国人が喜びそうな芸術的な雰囲気がプンプンしています。
これが海外で評価されたおかげで今の是枝裕和監督がある、といっても過言ではないんじゃないでしょうか。
もしこれが海外で売れていなかったら映画を撮り続けていたかどうかも分からないですね。
この作品の売り上げで東京の一等地にビルを建てたっていう話も聞いたことあるんですけど、真相はどうなんでしょうかね。
8、奇跡
子供たちが奇跡を信じてひと時の旅をするロードムービー。内容は終始ほのぼのしていて前向きな物語です。
子役の演技が上手いので安心して見られる作品ですね。是枝裕和監督は子役を使うのは本当に上手いですよね。どうやって演技指導してるのかメイキングオブとか見てみたいです。
7、真実
是枝監督が初めて海外で、オール外国人出演者で撮った作品。フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュを起用していて、フランス映画とも、是枝映画ともいえる映画。見ごたえは十分だし、ちょっと笑える家族ドラマに仕上がっています。
6、空気人形
ダッチワイフと孤独な男の物語。二人の共同生活が面白おかしく描かれた人間ドラマです。
男目線ではなく、ダッチワイフ目線で物語が進んでいくのが面白いところですね。韓国人のペ・ドゥナがダッチワイフ役を演じていますが、これがまたかなりのはまり役です。
5、誰も知らない
実話を基にした親に捨てられた悲惨な兄弟の末路を描いたドラマ。俳優、柳楽優弥を世界に知らしめた作品で、これで彼はカンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いています。
暗くて、悲しい映画で、やるせなさが残りますが、クオリティーの高さに驚かされます。柳楽優弥もいいけど、母親を演じたYOUの演技も自然でした。
4、そして父になる
病院のミスで取り替えられた子供たちとその両親の葛藤と苦悩を描いた作品です。家族とは何か、絆とは何かを考えさせられるのがいいです。
ベタなお涙頂戴映画になりそうなところですが、あえて感動させないところがまた憎いです。
3、海よりもまだ深く
元妻に未練タラタラの男を中心にバラバラになった「家族」がひょんなことから一晩を一緒に過ごす過程を描いた家族ドラマです。
ユーモアがたっぷりで、主人公の男のダメ男っぷりが笑えます。なにより日常のありふれたエピソードだけでここまで面白い映画にできるのは見事です。
2、歩いても 歩いても
仲がそれほどよろしくない微妙な家族の関係性を描いたリアルなドラマ。会話を中心にしたストーリーが良く、特に大きな出来事は起きないのに最後まで見られる、そんじょそこらの監督ではとても作れない作品です。
また、樹木希林の演技が自然すぎてびびります。独壇場といってもいいですね。
1、万引き家族
カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。演技うますぎ、ストーリーよすぎ、演出最高すぎ、の内容になっていて満足すること間違いなし。樹木希林もすごいけど、安藤サクラの泣き演技にはやられますよ。これだけ完成度の高い作品を作ってしまったら、今後なかなかこれ以上の作品は作れなさそうです。
是枝裕和監督のそんなにおすすめできない映画
5、三度目の殺人
是枝裕和監督にしては珍しいサスペンス裁判ものがこれ。ストーリーの辻褄や合わず、セリフの言い回しがボソボソしているところが気になります。
最後まで見れない映画じゃないけど、是枝裕和監督にしてはダメなほうに分類される作品ですね。
4、DISTANCE/ディスタンス
大量無差別殺人事件を起こしたカルト教団の加害者家族たちが再会し、ひょんなことから森で一緒に時間を過ごす、というリアリティーからかけ離れた見所の薄い映画です。
大量無差別殺人事件をテーマにするなら、まだしも事件のその後を描いている、それも加害者家族の目線で語られるというのがつまらないです。
DISTANCE/ディスタンスはTSUTAYAで視聴できます
3、ワンダフルライフ
死んだ人が天国にいくまでの時間をインタビューっぽく描いた若干滑ってる作品。死後の世界というのがベタすぎるし、タイトルも他の作品と被りやすいし、また肝心な会話が面白くないです。淡々としすぎていて、静かなので眠ります。
2、花よりもなほ
なぜかV6岡田准一が主演を務めている、甘ったるくてしょうもない時代劇。イケメンの侍が美女と恋をしながら敵討ちをする、っていうダメダメなストーリーです。
そういえば当時岡田准一は映画に出まくっていましたが、最近見なくなりましたねぇ。
1、海街diary
美人姉妹たちが田舎で幸せに暮らしていく様子を描いた今更わざわざ説明する必要もないほど、ひどい作品。
漫画を基にした人気女優を集めただけの中身空っぽ映画で、こんなに怒りを感じた作品は初めてかもしれません。
実力があるんだから、二度とこんな媚を売った商業映画を作らないことを祈っています。
その他
大丈夫であるように+─Cocco+終らない旅─
こちらはミュージシャンCoccoを追いかけたドキュメンタリー。ちょっと考えたら分かるけど、誰が見たいよCoccoのドキュメンタリー?
大丈夫であるように+─Cocco+終らない旅─はTSUTAYAで視聴できます。
いしぶみ
こちらは広島で原爆の犠牲となった学生321人がどのような最期を遂げたのかを朗読で伝えるTVで放送されたドキュメンタリー番組の劇場版です。
コメント
私もほとんど同意です。
(見てない作品もあるので)
「海街diary」は、漫画でチラッと読みましたが、
まあTVドラマ位でいいんじゃないでしょうかね。
是枝監督にしては珍しく依頼されて作っただけあって
大して面白くなかったですね。
「歩いても歩いても」は仰る通り、あんなに淡々としているのに
全然退屈しないし、じんわりと胸に迫るものがありました。
樹木希林さんの力が大きいですね。
大好きな女優さんです。
「海街diary」は汚点ですね。
私も「万引き家族」好きです!安藤サクラ、当時32歳とおもえぬ貫禄。
ところで昨日「ベイビーブローカー」を1900円だして観てきました。
映画男さんの感想を聞きたく検索するも見つからずでした。もしご覧になりましたら、
レビューお待ちしてます!
ベイビーブローカー、動画配信が始まったら見ますね。