特に見所はないけれど、なんとなく最後まで見れる男女の三角関係はちゃめちゃドラマ。笑いがもっと欲しかったです。48点(100点満点)
女と男の観覧車のあらすじ
1950年代のコニーアイランド。遊園地のレストランでウエイトレスとして働く元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、再婚同士の夫と自分の連れ子と一緒に、観覧車の見える部屋に住んでいた。平凡な日々に幻滅し、海岸で監視員のアルバイトをしている脚本家志望のミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)とひそかに交際するジニーだったが、ある日久しく連絡がなかった夫の娘が現われたことで歯車が狂い始め……。
シネマトゥデイより
女と男の観覧車の感想
「カフェ・ソサエティ」、「マジック・イン・ムーンライト」、「ローマでアモーレ」、「ミッドナイト・イン・パリ」、「それでも恋するバルセロナ」などでお馴染みのウディ・アレン監督による、至って普通の痴話喧嘩ドラマ。
ストーリーはシンプルで会話が子供っぽさに溢れるところは相変わらずです。しかしウディ・アレン作品にしてはコメディー色が薄く、笑える箇所が少なかったです。
物語は、イケメンのライフセーバーと子持ちで既婚者のウェイトレスの不倫関係にウェイトレスの旦那の連れ子が割り込んできてはそれぞれが破滅へと向かう様子を描きます。
イケメンライフセーバーは最初こそ年増で美人のウェイトレスに魅了されるものの、そこにもっと若くてピチピチな美女が現れると、すぐに目移りし、若い方を選んでしまいます。
対するウェイトレスのほうも酔っ払いの旦那よりも若くてイケメンの男を選んでいる立場なので、自分が用無しになっていくのを十分すぎるほど理解しつつ、それを認めたくない一心で感情的になっていきます。
そして二人の間に現れた金髪美女はウェイトレスの旦那の連れ子という関係性。彼女は自分の義理の母が若い男と不倫をしているとはいざ知らず、その相手に今度は自分まで心を奪われようとしている、といった複雑な心境に陥ります。
それぞれのキャラ設定はつまるところウディ・アレン作品にありがちな自分に嘘をつけない面々ばかりですね。
たとえ自分にパートナーがいようと恋をしてしまったらしょうがないといわんばかりのフィーリング重視のキャラクターたちはときとして間抜けで滑稽に見えるけど、少なくとも自分に正直に生きているだけ清清しいです。
至ってベタな男女のもつれ話の中で唯一笑えるキャラクターはヒロインの馬鹿息子リッチーぐらいでしょうか。
学校にも行かず、映画館にばかり入り浸れているリッチーには放火癖があり、ところ構わず火をつけてしまいます。
それがまた悪気がなく病的でちょっと怖いんですが、どれだけ親に叱られても燃やし続けるのが笑えます。
カウンセラーに言われたことは全部忘れちゃうし、いちいち答えがアホなのがいいですね。
リッチーを魅了してやまない炎は、もしかすると燃えたぎる恋心を表した比喩だったのでしょうか。それにしても炎を前にしたら理性なんて吹き飛んじゃう人たちばかりでしたね。
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