男性ホルモン全開の熱い消防隊員による山火事ドラマ。ナヨナヨした男は一人も出てこないマッチョでアメリカンな感動話です。65点(100点満点)
オンリー・ザ・ブレイブのあらすじ
2007年、アリゾナ州プレスコットの消防署は度重なる山火事に手を焼いていた。そんな中、エリック・マーシュ消防署長は市長に山火事を専門に対処する森林消防隊を市で認可するように求め、さっそく隊員を募集し、訓練を開始する。
志願者の中にはドラッグに溺れ、軽犯罪を繰り返し、自堕落な暮らしをしていたブレンダンの姿もあった。ブレンダンは娘が生まれたことで目を覚まし、いい父親になろうとして生まれ変わろうとしていた。
危険で厳しいトレーニングを経てブレンダンら隊員たちは見事、森林消防隊グラニート・マウンテン・ホットショットとしての活動が認められるようになる。
命がけで自分たちの役目を果たすうちにやがてブレンダンをはじめ隊員たちは市民から尊敬され、英雄としてもてはやされるようになっていった。
ところが2013年アリゾナ州ヤーネルヒルで大規模な山火事が発生。いつもどおりに消火活動に当たった隊員たちだったが、思わぬ事態に巻き込まれる、、、
オンリー・ザ・ブレイブの感想
ジョセフ・コシンスキー監督による、ヤーネルヒルの山火事を基にした実話ベースの人間ドラマです。消防隊員の話だけに「バックドラフト」を彷彿させる物語で、同じ消火活動でも都市の火事ではなく、山火事を専門にするプロ集団のお話です。
物語の主役はグラニート・マウンテン・ホットショットと呼ばれる消防隊のメンバーたち。その訓練や消化活動の様子を迫力のある炎の映像と共に伝えていきます。
面白いのが山火事を消すのに彼らは水を撒くのではなく、木を切り倒し、周囲に溝を掘り、防火帯を作って延焼を食い止めたり、風向きを計り、火に火をぶつける「迎え火」で消化を試みます。
その技術と知識や冷静な状況判断が分かりやすく描かれていて、消火活動を見ているだけでも楽しめました。ストーリーの流れとしては、主人公の青年が、厳しくも人情味溢れる署長の下、落ちこぼれのジャンキーから立派な消防隊員になるまでの成長を見せつつ、青年の娘と仕事に対する複雑な気持ちや署長と奥さんの夫婦関係をサブストーリーにしたうえで、最後は悲劇で締めくくる、といった感じです。
話のテンポもいいし、演技も悪くないです。特に青年ブレンダンを演じたマイルズ・テラーが良かったですね。ジャンキーが赤ん坊ができたことで心を入れ替えるというのはベタだし、あの部分はフィクションかなぁとも思いましたが、いずれにしても顔つきの変わりようがすごかったです。
なんとなく女と関係を持ち、妊娠させてしまったジャンキー。しかし自分も父親が不在で育ったこともあり、赤ん坊のことがどうしても気になって仕方がなく、娘にだけにはまともな人生を与えたいと願い、一生懸命働くようになるなんてできすぎた話だけど、マイルズ・テラーのパフォーマンスが良かったからか、ちょっといい話じゃねえかよって思ってしまいました。
いわゆるアメリカ人が大好きな男の「英雄」ドラマで、ラストもそれとなく、バックドラフト的です。やっぱりこれを見て消防隊に憧れる少年なんかが出てくるんだろうなぁ。
一方で女性が見たらどうなんだろう。汗ビタビタの男たちを見て萌えるのか、それとも暑苦しいって思うのかは文化によっても変わってきそうですね。
そういえばアメリカでは消防士って女性にモテる職業の一つなんですよね。それに対して日本で「消防士って格好いいよねぇ」っていう話を聞かないですよね。なんでなのかな?
コメント
いつも楽しく拝見してます。
私、バックドラフト大好きです。
この作品も是非とも観たいと思います!
映画男さんの60点以上はハズレなしなので笑
バックドラフトが好きなら、気に入るはずです。少々男臭い映画ですが。
すみません、この作品は新しいんですか?
あと、アルパチーノが出てる「フェイク」ですが、もし機会があれば批評お願いします。
私的にはこれも男臭くて好きな映画の一つなんで。
日本では6月公開です。フェイクは機会があれば感想書きますね。