男を奴隷にして、もてあそぶ女の話を軽いノリとタッチで描いたコメディシリーズ。全体的に女性向け漫画みたいな雰囲気のキャピキャピ物語です。
彼氏をローンで買いましたのあらすじ
大手外資系商社の入るオフィスビルロビーで、浮島多恵・飯山由愛・安藤ひよりの通称・トリプルスリーは毎日笑顔を張り付けながら受付嬢として働いている。
その内のひとり、多恵はこのビルに入る会社のエリート・白石俊平と付き合って1年になる。俊平は、将来有望なエリートイケメン。多恵は俊平と結婚し、夢の専業主婦になるために日々、猫を被って本音を言えないでいた。
ある日、誰もが羨むエリートイケメンと結婚し、 花寿を果たした伝説の受付嬢・南場麗華と再会するも、やさぐれた姿でシングルマザーとなった麗華の現在に多恵は驚きを隠せないでいた。
猫を下ろした自分の過去を赤裸々に語る麗華に、自分の未来の姿を重ねた多恵は、急激に不安に包まれていった。そんな中、俊平の浮気現場を目撃してしまった多恵は、麗華に相談すると、麗華は、「猫を被らずありのままの自分を見せることができる男が必要だ」と多恵にアドバイスする。
そんな男を、ネットで月々39800円のローンを組んで買えることを教えられ、多恵は思わず購入してしまう。すると、翌日、段ボールに入った刹那ジュンが、家に届いた・・・。‘猫’を被って最高のエリート彼氏を手に入れるか、‘猫’を被らずありのままの自分を見せられる最低のローン彼氏を手に入れるか、多恵が選ぶ幸せへの道は、きっとあなたを「そうきたか」と思わせる。
FODより
彼氏をローンで買いましたの感想
FODとdtvの共同製作による、専業主婦を目指す女たちが男をお金で買って奴隷にする、おふざけコメディドラマ。ノリは軽く、シリアスな話ではないものの一部の女性の本音や闇の部分を突いたようなストーリーになっています。
物語に登場するのは、条件のいい男と結婚して専業主婦になることを夢見る女性たち。そのために彼女たちは外資系商社の受付で働き、将来有望な社内の男たちを品定めしていきます。
ヒロインの多恵には海外事業部で働くエリートイケメンの彼氏がいるものの、彼が他の女性を連れて歩いているのを何度も目撃してしまいます。
男を自分の思い通りにできないことにフラストレーションが溜まった多恵はかつての先輩受付嬢のすすめで闇サイトで借金を抱えたイケメンをローンで購入することに。
思い通りにいかない理想の男か、あるいはなんでも言うことを聞く奴隷男か。多恵は自分の幸せとは何かを考えながら二人を天秤にかけようとする、というストーリー設定になっています。
外資系商社マンと結婚したがっている女たちが楽で安定した生活を手に入れようと専業主婦を目指す、というののはベタですが、いつの時代にも一定数そういう女性はいるだろうから、ふざけているようであながちフィクションとはいえない女たちの本音と建前を見せ付けられると、男としては素直に笑うに笑えないところがあります。
でも似たタイプの女性が見れば共感できるんでしょうか。この種の女に嫌悪感を抱く女性ももちろんいるでしょう。
いずれにしてもヒロインは、男を踏み台にしていい生活を手に入れるだけでなく、何でもいうことを聞く奴隷をお金を払って手に入れて自分の欲求を満たす、というなかなかの欲深い女で、それはそれで男を自分の思い通りにしたいといった潜在的な願望をくすぐりそうな内容ではありますね。
憧れの先輩受付嬢が寿退社後、離婚してシングルマザーになり、コンビニの店長をやっていることをさも人生に失敗したかのような描き方をしているのには笑いました。
「エリートと結婚して会社を辞めたあの先輩がコンビニの店長してるだなんてショック!」みたいなこと平気で言う奴いますよね。シングルマザーにも失礼だし、コンビニにも失礼だろって。
どんだけ偏見の塊なんだよって突っ込みたくなるけど、実際日本社会がそういう価値観で成り立っていることを考えると、くだらない話の中にも妙なリアリティーを感じました。
演技や脚本やストーリーははっきり言って低レベルで漫画的です。でも何気にダークなテーマを扱っていますよね。これでリアリティー路線だったらもっとよかったんですけど。
奴隷はさすがに重いからこのドラマのようにコメディタッチにしてごまかすしかないだろうけど、風俗にはまっている女性のリアルな物語とか見てみたいけどなぁ。
日本ではホスト文化がすっかり根付いているけど、女性専用の風俗もちゃんとあるからね。男ばかりが金で女遊びをしているみたいなイメージが強いですが、女性だって金で男遊びしたっていいし、もっと女性がカジュアルに自分の欲求に満たすことについても社会的にオープンになったら面白いのにと思います。
以前、ホテルに男娼を呼んだことがあるっていう女性に話を聞いたことがあるんですが、その人は性欲が強すぎて一度お金で男を買いたかったんだといいます。
でもいざやって来た男が自信満々で調子に乗った感じのタイプだったんで興ざめして最後までやらずに帰ってもらったそうです。
玩具を片付けてしぶしぶ帰っていく男の背中がやけに寂しげだったんだとか。もちろんそういうエピソードはこのドラマではお目にかかれないけど。
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