映像、演技は悪くないものの、ストーリーが後半からダメになっていく日本を舞台にしたハリウッド映画。やくざ映画が好きな人にはいいかもしれません。47点(100点満点)
映画アウトサイダーのあらすじ
元米兵のニックは、軍を脱走後日本の刑務所に収監されていた。しかしある日、脱走を図ろうとする清という男を助けたことにより、釈放後に清の導きのもと大阪の白松組の世話を受け、後に正式な組員となりアメリカ人でありながらヤクザの道を進んでいく。
しかし清の幼馴染で白松組組員のオロチがかねてから小競り合いを繰り返していた神戸の勢津会との手打ちを勧め始めると、白松組の組長である秋弘はそれを拒否。ニックは、両組織の抗争に本格的に巻き込まれる
wikipediaより
映画アウトサイダーの感想
「ヒトラーの忘れもの」で知られるマーチン・サントフリート監督による関西を舞台にした任侠映画。日本の暴力団に入ったアメリカ人を描いたラストサムライのヤクザ版みたいな話です。
NETFLIX製作なので膨大な製作費をかけ、人気の実力派俳優たちを集め、美しい映像で仕上げているのが分かります。
前半は面白く、後半にかけて組同士の抗争が勃発するあたりから急激に物語のクオリティーが落ちていきます。ストーリー的にはハリウッドのいつものパターンの使いまわしです。
白人が胃人種、異文化の中に入っていってとんとん拍子に活躍し、現地の美女と恋に落ち、勇敢に戦うことで現地の人々の信頼を勝ち取るといった内容です。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」あたりからずっとこのパターンは変わらないですよね。
元米兵のニックが日本の刑務所で出会ったやくざを助けたことがきっかけで、出所後も組の仕事を引き受けるようになり、どっぷりやくざ社会に漬かっていく、という展開はまだいいでしょう。
それに対して、わざわざニックが兄貴分の妹に手を出すことはないし、お約束の仲間の裏切りから復讐劇になる下りはちょっと捻りがないですね。そして最後は皆殺しっていう終わり方も正直飽きました。
ただ、アメリカ人に棒読み、片言の日本語を話させるみたいな間抜けなシーンは極力最小限に抑えていたし、日本人による英語のセリフの言い回しもそれほど馬鹿っぽくなっていなかったので、その点ではまだ比較的まともです。
刺青、盃などのシーンは絵的にすごく綺麗に撮ってあります。「ロスト・イン・トランスレーション」しかり、「バベル」しかり、多くの場合、日本人より外国人監督が日本を撮ったほうがきれいに撮れるのはどうしてなんですかね。
技術の差なのか、センスの差なのか。日本映画もこれからはハリウッドの監督を連れてきて撮ってもらったほうがいいんじゃないのって思いますね。
白松組のリーダ各の一人を演じた浅野忠信はなかなか格好良かったです。でも一番インパクトがあったのは安田大サーカスのHIROですかね。やくざの下っ端役がはまりすぎで、森でこんな奴が後ろから付いてきたら怖すぎだろ。
日本人キャストは基本的に強面イケメン俳優がほとんどで男らしい日本男児が揃っています。一方でニックを演じたジャレッド・レトは演技は申し分ないんですが、雰囲気はやくざというより、スパイとか、そうじゃなかったらホテルの支配人みたいな雰囲気だしていましたね。
インテリ臭がすごくて、なんでもロジカルに考えそうだし、絶対こんな人が指をつめたりしないでしょ。
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