スポンサーリンク

メメントはクリストファー・ノーランの出世作!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約5 分で読めます。

世界中でクリストファー・ノーラン旋風を巻き起こしたアイデア満載の低予算映画。主人公の記憶と意識に鋭く切り込んでいく、面白い作品です。64点(100点満点)

スポンサーリンク

メメントのあらすじ

前向性健忘(発症以前の記憶はあるものの、それ以降は数分前の出来事さえ忘れてしまう症状)という記憶障害に見舞われた男が、最愛の妻を殺した犯人を追う異色サスペンス。ロサンジェルスで保険の調査員をしていたレナード。

ある日、何者かが家に侵入し、妻が乱暴されたうえ殺害されてしまう。その光景を目撃してしまったレナードはショックで前向性健忘となってしまう。彼は記憶を消さないためポラロイドにメモを書き、体にタトゥーを刻みながら犯人の手掛かりを追っていく……。

シネマトゥデイより


読者のWataruさんのリクエストです。ありがとうございます。

メメントの感想

ダンケルク」、「ダークナイト」、「インセプション」、「インターステラー」、「プレステージ」、「テネット」などでお馴染みのクリストファー・ノーラン監督の代表作。当時まだ無名だった彼の名を一気に世界に広めた作品です。

クリストファー・ノーラン監督のおすすめ映画ランキング
SFや人間の深層心理や意識をテーマにすることの多い監督といえばイギリス出身のクリストファー・ノーラン。 映像に対する強い...

物語は、記憶障害を抱える主人公がメモに書きとめた証拠や記録を手がかりに自分の妻を殺害した犯人を追う、推理仕立ての話になっています。

時系列とは逆に進んでいくように構成されていて、その中に平行して白黒の回想シーンを挿入し、少し時間をさかのぼってはまた”現在地”に戻る新感覚のストーリーテリングが話題になりました。

つまり時系列でいうと冒頭のシーンがラストで、ラストシーンが物語のスタートということになり、最初に何が起こったのかを突き止めるミステリードラマと言えそうです。

最後の最後で白黒の回想シーンとカラーのシーンが結びつく演出も見事で主人公の記憶が現在と過去と空想の中をさまよう感覚を視聴者は体験することになります。

記憶障害を抱える主人公によるいわば記憶遊びで、この手の映画は複雑で面倒臭いという人もいるだろうし、よく分からなかったという人も少なくないようです。

僕も基本的には都合良く主人公が記憶喪失になる話は苦手です。でもこの映画は、斬新なストーリー進行と構成のおかげで楽しめました。

一方、面白いけど、記憶に残る映画ではないんだなということにも気づきました。公開当時に一度見て、今回久しぶりに見直したから18年ぶりに二度目を見たことになります。

不思議と面白かった記憶はあったのにその割にはストーリーを全く覚えてなかったんですよ。そんな映画は珍しいですね。でもよく考えたらそうですよね。

だってラストのサプライズ重視で、それまでの過程は全部フリでしかないから。メメントの名シーンってなんですかって言われたら答えられないでしょ?

クリストファー・ノーランは、この作品でも「インセプション」でも「インソムニア」でも人間の意識について熟考しているのが分かりますね。そしてあまりにも考えすぎて、想像が行き過ぎたのが「インセプション」だと僕は思っています。

あそこまで行くと、人に伝えられる範疇を超えていて、もはや視聴者は付いていけないので、この映画ぐらいがちょうどいいのかなっていう気もしますね。

そう、メメントが人気の理由、それはずばりほどよい難しさにあると思います。最後まで真相は分からないけど、ラストのサプライズで全てが明らかになる快感。それでも理解できなかった人に対する優越感。答え合わせのためにもう一度見直したくなるリピーター戦略。全てクリストファー・ノーランの術中にはまったのです。

メメントのネタバレとトリビア

本作の最大のサプライズは、レナードの奥さんを殺したのはレナード自身だったというオチでしょう。強盗事件によって死んだとばかり思っていた奥さんは実は生存していたのです。

しかしレナードは記憶障害にかかり、奥さんと普通の生活ができなくなりました。そんな中、奥さんはレナードの記憶障害が本当なのか、それとも偽りなのかを突き止めるために自分に糖尿病の注射を連続で打たせます。

レナードは一度注射をしてもすぐに忘れてしまい、再び注射をせがまれると奥さんにまたインシュリンを打ってしまい、彼女を死なせてしまうのでした。

その記憶をレナードは、かつて保険会社で働いていたときの顧客サミーの出来事と置き換えようとします。そうすることで自分が愛する妻を自らの手で殺したという辛い記憶を消し去りたかったのでしょう。

レナードの記憶の中でサミーは同じ記憶障害に陥っています。サミーの奥さんはサミーの症状について半信半疑でした。

もしサミーが病気ではなく、自分のことを本当に愛しているなら死に至るような注射はしないはず。そう考えたサミーの奥さんはサミーを試しますが、結局記憶障害は本物で奥さんは命を落とすのでした。

サミーはその後、精神病院に送られ、奥さんが死んだことすら覚えていません。そして病院の片隅で椅子に座りながら通りすがる医師や看護婦にキョロキョロ目を向けるのでした。

実はそのシーンで一瞬、サミーの姿がレナードに変わる瞬間があります。あのシーンに込められた意味に気づけばラストを待たずして、オチに気づいたことでしょう。まあ、気づいたからといって、どうってことでもないんですが。

コメント

  1. Wataru より:

    映画男さん
    リクエストにお応え戴き有り難う御座いました。同様に私もリクエストしておきながら内容はすっかり忘れてました。
    「ほどよい難しさ」。頷けると同時に的確な指摘に感心します。「中道」ですね。
    もう一度観ようと思います。

    • 映画男 より:

      リクエストありがとうございました。久しぶりに見ると、また印象変わりますね。

  2. Hiro より:

    他作品でこのブログにたどり着き、数日に渡りブログ内の記事を読んでおりました。
    何度もコメントを残そうとしたのですが、上手くまとまらず初めてコメントさせて頂きます、読み逃げしまくってしまい申し訳ありませんでした。

    メメントはタイトルとあらすじは記憶にあったのですが、観ていなかったので数時間前に観ました。
    予想していた以上に展開に混乱してしまいました。
    すぐさま他の方のブログでオチやストーリー、登場人物についての解釈を読み漁ったのですが、皆さんそれぞれなので逆に混乱しそうになりました。
    怒涛のラストシーンを含め、印象に残るシーンや台詞によって解釈が若干?わかれるようなので自分の直感に任せて観るのが一番かもしれないですね。
    インセプションは観ていたので「メメントも難解なストーリーんじゃないか?」と覚悟していたのに混乱した私は監督の思惑通りの客なんだと思います(笑)

    >面白いけど、記憶に残る映画ではないんだなということにも気づきました。公開当時に一度見て、今回久しぶりに見直したから18年ぶりに二度目を見たことになります。

    この映画男さんの感想が私におけるインセプションの感想なんです。
    メメントも今は観たばかりで鮮明ですが、数年後には記憶に残っていないのかなぁと思っています。

    ブクマしてあるのでまた訪問します。
    他作品にもコメント出来ればと思っております。
    インセプションはもう一度観ないとコメント不可能です(笑)

  3. ちー より:

    公開当時に見たのですが、理解してなかったのか、内容さっぱり覚えてませんでした。

    見終わった直後はざっくりの理解ですがw面白かったです。
    やっぱり映像やテンポに勢いがあるからですかね。