ウィル・スミスが出てる、という以外宣伝しようがないSF映画。まとまりがなく、最後まで見ても何がやりたかったのかいまいち分からない作品です。19点(100点満点)
映画ブライトのあらすじ
警官のダリルはロサンゼルス市警察初のオーク警官として偏見に曝されるニックを相棒とし、パトロール中に銃撃されたのちに復帰したばかりである。
警察の内務調査部は、ニックが同族のオークの犯人を見逃したと疑う。FBIは、魔法のワンドを使い”ダーク・ロード”の復活を謀るグループ”インファーニ”を追う。
パトロール中のダリルとニックは、魔法が使われ多くが死んだ現場でエルフの少女ティッカと魔法のワンドを見つける。上司と同僚の警官たちは、ワンドを奪おうとしてダリルに殺される。人間のギャングとインファーニにも追われ、ダリル、ニック、ティッカはワンドを持って逃げる。
wikipediaより
映画ブライトの感想
「フューリー」や「スーサイド・スクワッド」などでお馴染みのデヴィッド・エアー監督によるネットフリックス製作のSFアクションドラマ。
人間と様々な種族が共存するLAを舞台に繰り広げられるゴチャゴチャのバトルものです。ウィル・スミスが主演していることからも分かるようにヒーロー映画と言っても過言ではないです。
主役は人間のダリル・ウォードとオークと呼ばれるモンスターのニック・ジャコビー。二人は警官として同じパトカーに乗って行動を共にするパートナーです。
しかしオークは世間でひどい偏見を持たれており、オークとして初めて警官になったニック・ジャコビーも警察内で執拗ないじめや差別に遭います。
警察の上司はニックに濡れ衣を着させて警察組織から追い出すことを企む一方でダリル・ウォードはニック・ジャコビーに対し、ある種の情を持つようになっていきます。
そんな中、ダリル・ウォードとニック・ジャコビーは通報を受け、光の盾”と呼ばれる勢力のあじとに向かいます。魔法で殺された死体が転がっていた現場で二人はエルフと呼ばれる謎の少女と光り輝く魔法のワンド(杖)を見つけます。
ところがそれをきっかけにダーク・ロードの復活を謀るグループ、インファーニ、警察、ギャングに命を狙われることになる、というのが筋書きです。
あらすじを読んでも、ここでどれだけ説明してもおそらくどんなストーリーなのかよく分からないと思います。それは実際に鑑賞しても同じで、設定とキャラクターとそれぞれの相関図を理解する頃には映画が終わってしまう、というダメな作りになっているからです
エルフ、オーク、フェアリー、ドワーフといった様々な種族が人間と共存しているのはいいけど、それぞれの特徴や個性がほとんど分からないんですよね。
一番インパクトのあるオークですら外見こそ爬虫類に似ているというだけで、普通に英語を話すし、モラルはあるし、力がちょっと強いぐらいで、人間と大して変わりません。それはエルフにも同じことがいえます。
大して違わないなら、わざわざ複数の架空の種族を作り上げる意味がほとんどなく、たくさんいるから誰が何をしようとしているのかが全然頭に入ってきませんでした。
エルフ、オーク、フェアリー、ドワーフ、インファーニ、魔法のワンド、ダーク・ロード、ブライトなどといった専門用語が多すぎて、もうなんのこっちゃいです。
かといって複雑なストーリーなのかというとそうではなく、短くまとめるとヒーローがただ地球を救う話になっていて、こっちはこれだけ理解しようと努めたのにお前の描きたいことってそんなもんかよって思いましたね。
SFってやっぱり難しいですよね。結局、架空のおとぎ話に視聴者がどれだけ付き合えってくれるかが問題なわけで、ウィル・スミスさえ出せばいいってもんじゃないからね。
だって普通付き合いきれないじゃないですか。いいですか、この世界には様々なモンスターがいて、みんなが魔法の杖を欲しがっています、とか言われてもうわー面倒くさいなぁって思うだけで。
大ヒットした原作や漫画があれば一定数のファンが付き合ってくれるだろうけど、オリジナルとなるとそうはいきません。だから映画製作会社はリスクの少ない原作の実写化の方向に行くんでしょう。
そう考えると、ネットフリックスはよくリスク背負ったなあという気がします。このストーリーのどこに勝機を見出したのかは疑問ですが。
コメント
映画もとい、物語は置き換えです。
こういう系統の映画を観るときは、現実に自分の分かりやすいのに置き換えた方が良いですよ。
と、考えるとオークはネイティブアメリカンもしくは黒人になりますね。
そんなら直球な差別の映画を作れよという返答が出そうなので、言いますが。
それってもう何千とありますよね?
要するに監督や脚本家は自分の世界観で勝負をしたいわけですから、こういった置き換えが見事だと批評家に喜ばれるのです。
これの純粋な批評が来るのはまだまだ先になりそうなので、その時の批評家の評価が正当な評価でしょう。
たまには難しい世界観を現実の世界観に置き換えて観てはどうでしょう?
SFやファンタジーはそれの宝庫ですよ。
映画男さんはその置き換えがうまいこといってないと思ったから文句を言ってるのではないでしょうか。