ケイシー・
容疑者、ホアキン・フェニックスのあらすじ
ヒット作や話題作に数多く出演し、アカデミー賞に2度もノミネートされた経験を持つホアキン・フェニックス。
そんな実力派スターの彼が、何の前触れもなく俳優引退とラッパー転向を宣言して隠遁(いんとん)する。
数か月後にテレビ番組に出演するが、かつての姿からは想像できぬほどに太り、ひげは伸び放題、さらに発言も意味不明なものばかりという状態だった。
その姿に人々は驚き、ブルース・ウィリス、ジャック・ニコルソン、ベン・スティラーといった俳優仲間も同情の声を寄せる。
シネマトゥデイより
容疑者、ホアキン・フェニックスの感想
壮大ないたずらを一本の映画に仕上げたモキュメンタリーです。
モキュメンタリーにしてもコメディー路線で行きたいのか、ドキュメンタリー路線で行きたいのかがはっきりせず、素直に笑えることもできなければ、到底真実だとして見ることもできない中途半端な一本でした。
企画を知らされていない人たちがただただホアキンを心配そうに見つめているだけで、こいつ大丈夫かなぁ、と視聴者にまで気をつかわせてしまう罪深い映画です。
狂い方が不十分だからかさむいシーンが多々あって、企画倒れの印象がぬぐえません。一番のミスは悲しいかな主人公がホアキン・フェニックスだということです。
これがトップ中のトップ俳優がやるのなら、また違った反響があったでしょう。でもホアキンが引退宣言をしたり、ラッパー転向宣言をしたりとメディアを作った役作りをしたとしても、多くの人が「へぇぇぇ」で終わったんじゃないでしょうか。この役をやるにはホアキンは真面目すぎたし、力不足でした。
おそらく監督は、下手なラップをホアキンが舞台で披露することで爆笑が起こると踏んだのでしょう。ところが完全に逆効果でした。
あの時点でこの映画がドキュメンタリーでないことを視聴者にかなり早い時間帯で無残にも露わにしてしまったわけで、もしかなり本気でかっこいいラップを披露していたら、おおこいつやるじゃん、もしや本気か、という目でオーディエンスが見るようになり、そのままラップで行くところまで行って、パフ・ダディに本当に作曲してもらうぐらいのところまで行けば、映画としても面白くなったことでしょう。
ミリオンセラーとか記録して、その後にコンサート上で「実はこれ全部冗談だよ。ラップなんて全然好きじゃねえよ、こんなダサい音楽よぉ。俳優に明日から復帰しまーす。お前らみんな騙されてやんの、バーカ!!」とか言ったら最高のオチになっていたでしょう。
コメント
あらら?んじゃあ、ホアキン・フェニックスが、「ウォーク・ザ・ライン」の撮影後、役者を辞めてカントリー歌手になったという話は、この作品の前フリでしかナカッタンデスカ?実際のトコロ。
カントリー歌手というのはウォーク・ザ・ラインと関連付けられた噂で、実際はヒップホップ転向ということみたいです。もちろんこの映画の役作りのためです。