見れば見るほど安っぽくなっていく、だいぶB級寄りのハリウッド映画。最後まで見れないことはないけど、期待はしないほうがいいです。38点(100点満点)
ルイの9番目の人生のあらすじ
生まれてから毎年命にかかわる事故に見舞われてきた少年ルイ(エイデン・ロングワース)は、9歳の誕生日に崖から転落し、奇跡的に命を取り留めるが昏睡(こんすい)状態になってしまう。彼を目覚めさせようと担当医パスカル(ジェイミー・ドーナン)が奔走する一方、ルイの周囲では父親(アーロン・ポール)が行方をくらまし、母親(サラ・ガドン)のもとに誰からのものかわからない警告文が届くなど、不可解な出来事が頻発。さらにパスカルも悪夢に悩まされ……。
シネマトゥデイより
ルイの9番目の人生の感想
小説『ルイの九番目の命』を原作とした、アレクサンドル・アジャ監督によるサスペンスドラマ。前半はまだ楽しめるものの中盤からどんどんストーリーがボロボロになっていく自爆映画です。
物語は、生まれてから幾度となく身の危険にさらされる少年ルイを中心に彼の周辺で起きる不可解な出来事をつづっていきます。
ルイは赤ん坊の頃から天井のライトが落ちてきたり、コンセントで感電したり、食中毒を起こしたりと何かとアクシデントに見舞われることが多い不運の星の元に生まれた少年です。
そんな彼はある日、両親とピクニックに行った際、崖から転落してしまい、瀕死の状態に陥ります。一度は死亡が確認されたルイでしたが、持ち前の悪運の強さによって数時間後に蘇生し、そして再び昏睡状態になります。
病院にはルイの母親ナタリーが見舞いに訪れますが、父親のピーターは姿を消していました。なんでも崖からルイを突き落したのはピーターで、警察は彼の後を追っているとのこと。
息子がひどい目に遭い、情緒不安定になっているナタリーのことを心配した担当医のパスカルはナタリーの相談に乗っているうちに不倫関係になり、思わぬ形で事件に巻き込まれていく、、、、というのが筋書きです。
主人公ルイのキャラクターといい、前半の雰囲気といい、最初はユーモア溢れう家族ドラマなのかと思いました。しかし話が進むにつれてドロドロのサスペンスドラマへと姿を変えていきます。
サスペンスドラマならそれはそれでいいんです。でもこの作品の最大の問題点は演出がバレバレで、犯人がかなり早い段階で分かってしまうところにあります。
よっぽど鈍感じゃない限り、最初の30分ぐらいで、あ、こいつ怪しいなっていう臭いがしてきて、それが1時間ぐらいで確信に変わり、最後は予想通りに物語が進むというなんともサプライズの少ない展開になっていました。
犯人探しが見所じゃないって言われたらそれまでだけど、だとしたら犯行の動機や手口にもっと捻りがないとね。狂気の描き方が弱くて、怖がったらいいのか、気持ち悪がったらいいのか、どうリアクションしたらいいのか困りました。
また、途中で突然海藻まみれのモンスターが登場したりして、それまでの世界観がぶち壊れます。あのワカメモンスターのせいで無駄にファンタジック度が増していましたね。
せっかくサスペンスドラマに落ち着いたかと思ったら、今度はSFファンタジーみたいな空気が漂ってきて、挙句の果てにはドクターが心霊療法みたいなセッションをやり出しちゃって、意識不明のルイを呼び出して、彼と直接コミュニケーションを取るなんていう暴挙に出ます。
あのセッションにしてもものすごいスピリチュアルなことしてるくせになぜかパソコンに心電図をつなげてやったり、精神世界に行きたいのか、医学的に治療をしたいのか中途半端で笑えました。スマホのアプリを使って予言する占い師みたいなノリなんですかね。
最後までそんなちぐはぐな世界の中、最後にバレバレの犯人の種明かしがされます。そしてエンディングではちょっとだけゾッとするオチが用意されていますが、あの終わり方がまた「ザ・ギフト」とかと全く同じで、何度使いまわせば気が済むんだよって。
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