宗教要素全開で迫り来る、シュールで全く怖くないサイコスリラー。中盤から最後までなんだそれ?の連続です。14点(100点満点)
映画「マザー!」のあらすじ
郊外で穏やかな暮らしを送っていた夫婦の家に、謎の男が訪ねてきた。妻はその男に不信感を抱いていたが、夫は快く迎え入れた。その日から、夫婦の家には代わる代わる訪問者がやってくるようになった。「このままでは何か良からぬことが起こる」という妻の訴えを真剣に取り上げようとしない夫だったが、彼女の不安はやがて現実のものとなった。
wikipediaより
映画「マザー!」は意味不明
「レスラー」、」「ブラック・スワン」、「ノア 約束の舟」、「レクイエム・フォー・ドリーム」、「パイ(π)」などでお馴染みのダーレン・アロノフスキー監督による、玄人向けサイコホラー。
比喩、暗示、聖書の引用などで埋め尽くされた芸術ぶった空振り三振映画で、不快で滑稽で嫌味しか感じられない代物です。
物語は、ある日突然夫婦の家に怪しい男が訪ねてくるところからスタートします。妻の心配を他所に夫は男を追い返すどころか、家に泊めてあげることにします。
すると、翌日には男の妻や息子たちまで家に押しかけてくるはめになり、家庭の平和を乱していきます。やがて息子たちが喧嘩を始め、そのうちの一人が命を落すと、次々と友人、知人が家に現れては家を占領していく、といった流れになっています。
面白味を感じられるのは前半部分だけでしょう。後半からストーリーは表面的に意味を持たなくなる、あるいはシュールな展開の中に暗示された意味を探さなければならなくなり、見ていて面倒になります。ぶっちゃけ面白くなかったら、そこに隠されたメッセージとかどうでもいいんですよ。
真っ直ぐな思考で見ようとすると、よそ様の家に乗り込んできては好き放題していく来客たちに腹が立って仕方がないでしょう。なんでそうなるのと言いたくなる馬鹿馬鹿しい展開について行こうとすると、体力を無駄に消耗します。
思い入れのある自分の家を大事に使いたい妻。そんな彼女を挑発するかのようにキッチンのシンクに座ったり、勝手に壁を壊したり、ペンキを塗ったり、寝室でやりだしたりする来客たち。
そんな無礼で図々しい来客たちを妻が叱りつける、というやり取りが結構な時間続きます。それはまるで来客がボケて、妻が突っ込む、というお約束のコントを見ているようで、そのうち笑うしかなくなってくるでしょう。
唯一の見所はジェニファー・ローレンスの胸でしょう。最初からやたらと胸を強調している服を着ていて、終盤では人々から無理やり脱がされ、胸を露にします。ただ、一瞬の出来事なので間違ってもそれを目当てに見ないほうがいいですよ。
映画「マザー!」の解説とネタバレ!
そしてこの手のつまらない映画が最も得意とする言い訳は、「このストーリーは聖書をモチーフにしている」です。詳しくいうと創世記を基にしているそうです。
なんでも妻は母なる大地を象徴し、夫は神を象徴しているんだってさ。招かざる客たちによる混乱は地上の地獄の様子を描いていて、神である夫が新しいものを創造しようとしています。
突然家に押しかけてくる男はアダムで男の妻はイブ。彼らがついつい魅せられて触ってしまうクリスタルは禁断の果実に置き換えられそうです。
二人の息子はエバが生んだカインとアベルをモデルにしており、兄弟同士が争い、弟のアベルが死ぬのもそのせいです。
そして妻が妊娠し子供を生みますが、その赤ん坊はキリストを象徴していて、やはり地上の人々に命を奪われてしまいます。
ラストは、神が地球を創造し、破壊するという行為を何度も繰り返すことによって、心臓(命)が灰に、灰がクリスタルに、クリスタルが新しい家に変わり、その家には新しい母親がいる、といった感じでしょうか。
様々な解釈ができそうだけど、こんなに興味をそそられないラストもありません。そもそも聖書なんて興味ねえよっていう人にはやっぱりどうでもいい比喩の数々でしかなく、おそらく宗教心強い人でも、説明されないとピンと来ないんじゃないですかね。
何が嫌だって聖書の物語を再現すれば芸術だと思っている監督です。ダーレン・アロノフスキーは「ノア 約束の舟」でも同じように聖書をモチーフにしているし、もういい加減しつこいなぁ。
コメント
怒りを共有したくて拝見しました。さすがにこれは無いなと思いましたね。まるで映画の程をなして無いですね。私の場合時間がもったいないのと耐えられないので殆ど早送りにしてラストだけチェックしました。ノアの方舟ももっとファンタスティックなのを期待したんですが、わかりにくくて途中で見るのを止めました。ザ ファイターは面白かったですが、宗教的メッセージ性の映画はだめですね。
聖書を引用すればいいと思ってる監督はダメですね。
お疲れ様です。
映画男さんの魂の一本「タイタニック」にも聖書的モチーフは入ってますよ。
やはり生活やカルチャーに根強く浸食してるお国の映画ですので宗教色・メッセージが皆無の作品を見つける方が難しいですよね。
どこに向かう話なのかさっぱりわからず、最後のぐちゃぐちゃカオスは圧巻でしたね!
作品のメッセージよりもジェニファー・ローレンスのおっぱいが「唯一の見所」とは、
やはり信用できる男ですね。
ネトフリで無料だから観ました。
奥さんだけずっと最後の方まで「まともな人間」だからどうしても共感してしまって胸糞悪かったけど
旦那は途中から「変な人→神」へシフトしていったのでぎりぎり観れました。
でもそれ故に、途中からいかにも超常現象を出してきたお陰で、サボったようにも思える。
すぐ妊娠したり出産したりはまあ「ホワイトアウトすることで時間の経過」を飛ばしたととれなくもないからいいけど、
変な悪霊の呪いみたいなもんを見せてきたり
旦那を火が避けるとか心臓を取り出してキラキラのやつに変えるとかあからさまに魔法みたいなことやりだしたときには
「ああ、『比喩』から完全に逃げやがった」と思った。
頑張って「全員、体は生身の人間」として最後まで通してほしかった。
それができないなら無理に作らなくていい映画だった
無理に作らなくていい映画でしたね
見所がヌードだけって。
ジェニファーローレンスは嫌いな女優ですが、ウィンターズ・ボーンだけはよかったと思ってます。
宗教色満載、メタファー満載の作品、そして怖さもなく単純につまらなかったです。
映画男さんの解説である程度は理解できましたが
だからなんなんでしょうねw
もう終わりかなと思って、まだ30分もあるとわかった時が一番地獄でしたw
『ホエール』の監督と知って納得しました。
これはほんと地獄