ご存知同時多発テロをテーマにしたリアリティーありすぎ映画。飛行機に乗るのが嫌になるほど怖いです。66点(100点満点)
ユナイテッド93のあらすじ
2001年9月11日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド航空93便は、離陸後にテロリストによってハイジャックされていることが判明する。やがて、その情報は搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となってある決断を下す。
シネマトゥデイより
読者のブルーリリーさんのリクエストです。ありがとうございます。
ユナイテッド93の感想
「キャプテン・フィリップス」、「ジェイソン・ボーン」、「7月22日」でお馴染みのポール・グリーングラス監督による、911同時多発テロを基にしたパニック映画。
事件当時の管制塔と機内の緊迫した様子を交互に描いた手に汗握る映画で、大勢の登場人物がそれぞれ迫真の演技を見せているホラー映画より、よっぽど怖い作品です。
911同時多発テロを題材にした映画は多いですが、どの映画を見ても結構面白いですね。現実がフィクションをはるかに超えた大事件だけに、映画にしたらたとえフィクションであっても現実感が出てしまうパラドックスのような現象が起こります。
どれだけボイスレコーダーに記録が残っていようと実際に起こったことはその場にいた人にしか分かりようがないので、これをノンフィクションと呼ぶにはおこがましいでしょう。
それでもリアリティーはものすごいものがあります。唯一リアリティーがないのはユナイテッド航空のキャビンアテンダントのサービスぐらいです。あんなにサービス良くないから。
テーマであるユナイテッド93便は、ワールドトレードセンターに激突した飛行機ではなく、ホワイトハウスを目指して失敗し、地面に墜落した旅客機です。
テロリストたちが唯一標的を外した飛行機がこのユナイテッド93便なわけで、そこにはそれを阻止した勇敢な乗客たちがいたわけです。
ストーリーの流れとしては、ハイジャックの疑いのある飛行機が管制塔で一機確認されると、それに続いて次々と他の旅客機のハイジャックが疑われ、やがてそれらの旅客機が軌道を変え、ワールドトレードセンターやペンタゴンに突っ込んでいく状況を伝えていきます。
機内のシーンは全体の一部でしかなく、舞台は管制塔といってもいいかもしれません。現場ではなく、むしろ会議室が舞台だということです。
それでも「シン・ゴジラ」なんかと違って、ものすごい緊張が伝わってきては心臓がバクバクしてくるのはエキストラも含める俳優たちが上手いからです。管制塔の職員たちが状況に対応しきれず逆上していくやり取りとかすごいです。ハリウッドはパニック映画を作るのは本当に得意ですよね。
ときどき割り込んで来る機内の悲惨な情景も恐怖心をくすぐります。終盤は乗客たちがいちかばちかの賭けに出て、テロリストたちに立ち向かっていく姿が描きますが、全体的にほんの一部のシーンに過ぎないのにその時間が何十分にも何時間にも感じられます。
それにしてもあの状況で戦う決断をした乗客たちの勇敢さには頭が下がります。生きることへの執念と底知れぬ人間性を感じます。
あれがもし日本の旅客機だったら日本人の乗客たちが同じように戦えるかと言ったら抵抗できなかったんじゃないかなぁ。僕があの場にいたらトイレの中から一歩も出ませんよ。アメリカ人すげえなあ。
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