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映画光をくれた人は残酷!ネタバレと感想

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この記事は 約5 分で読めます。

他人の子供をちょっと育てて親元に返す残酷な家族ドラマ。突っ込みどころはあるものの、ストーリー自体は面白いです。55点(100点満点)

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光をくれた人のあらすじ

第一次世界大戦後、元軍人で灯台守のトム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は妻のイサベル(アリシア・ヴィキャンデル)と共に西オーストラリア沖の島で暮らしていた。ある日、夫婦は漂流してきた手漕ぎボートに乗っていた男性と女の子の赤ん坊を発見したが、父親と思われる男性は死亡。生き残った赤ん坊をルーシーと名付け、自らの子供として二人は育て始める。

wikipediaより

光をくれた人の感想

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」、「ブルーバレンタイン」、「ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー」のデレク・シアンフランス監督による、赤ん坊をめぐる夫婦の葛藤と苦悩を描いたドラマ。

小説「海を照らす光」を基にした、いかにも作り物のストーリーながら、いくつかのポイントさえ目をつぶればそこそこ見られる作品です。

海を照らす光
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物語は、元軍人の男トムが戦争で受けた心の傷を癒そうと、孤島ヤヌス・ロックの灯台で働き始めるところからスタートします。

トムは本土に住む女イサベルに恋をし、結婚して彼女を島に呼び寄せますが、不幸なことに二度も赤ん坊を流産で失ってしまいます。

もう二度と子供は持てないだろうと思っていた矢先、島に一艘のボートが流れついてきます。そこには赤ん坊と赤ん坊の父親と見られる男の姿があり、赤ん坊だけが生存していました。

これを何かの運命と考えたイサベルは自分たちで赤ん坊を育てようと提案します。トムにはしかし島で起こったことを報告する義務があります。

子供を育てたいと強く願うイサベルの熱意に押され、トムは男の死体を埋葬し、周囲に秘密にしたまま自分の娘として赤ん坊を育てようとする、というのが筋書きです。

前半を幸せ一杯に描き、二回の流産を経て一気に不幸に落とす演出は嫌いじゃないです。ストーリーが核心に迫っていくのは赤ん坊を勝手に育て始める後半部分からで、それまでの甘い時間はフリだったんですね。

突っ込みどころとしては、なんであの二人は孤島で暮らしながら毎日あんなにオシャレをしているんだろう、という部分でしょうか。

トムなんて毎日ネクタイ締めてたしね。家にいるだけのイサベルもいつもキレイな格好してたし、二人の意識や雰囲気が人里離れた孤島で生きている人のそれじゃないんですよね。あの環境なら全裸で生活しててもいいぐらいですよ。

ボートに乗って流れ着いてきたドイツ人の男は迫害を受けて赤ん坊と共に一緒に逃げてきたそうだけど、奥さんを置いたまま赤ん坊を乗せて来たってことは、そんなに夫婦仲良くなかったんですかね。嫁はいいから早く逃げようってことでしょ?

「あいつ最近老けてきたし、不幸オーラがプンプンしてるからこの際、ほかの女を探そう」っていう決断だったのかなぁとハンナのやつれた顔を見てふと想像が膨らみました。あ、やつれたのは事件後か。

いまいち本土とヤヌス島の距離感が分からなかったので、あのドイツ人がどこに向かっていたのかが謎です。ボートでドイツまで行けると思ってたら相当なアホですけどね。

トムもハンナも結局、牢屋に入れられていましたね。しかし第一次世界大戦直後に司法があんなに機能していたかどうかは疑問です。戦後の混乱を経たあの時代だったら子供の一人や二人いなくなっても警察は動いてくれなさそうなイメージがあります。

ちなみに僕の知り合いのブラジル人(女性)には姉がいるんですけど、その姉を育てたのは両親ではなく隣人の家族だったそうです。

お母さんは出産後、体調を崩して入院し、目を覚ますと赤ん坊は亡くなったと告げられました。しかし実は生きていて隣人の家族がお母さんから赤ん坊を取り上げていたのでした。その後、隣人家族は姉と共に遠くへ引っ越しています。

数十年後、大人になった僕の知り合いと彼女の姉は再会します。フェイスブックで姉のほうから妹を探し当ててきたのです。姉から話しを聞くと、お母さんが貧しくてとても育てられなかったから隣人の家族に里子として出したというのが隣人家族の言い分だったそうです。

一方でお母さんはそんなのはでたらめで、赤ん坊は死んだと言われてたから、あいつらが誘拐したに違いない、との一点張りです。どちらが正しいかは分からないけど、とにかく姉が元気で良かった、良かったと僕の知り合いは笑っていました。姉のほうも育ててくれた家族に感謝しているそうです。

話がぶっ飛びすぎていて僕の感覚では誰の言い分も理解できませんでした。それって法律的にどうなの? 出生届けとかどうなってるの?などといった僕の中の常識的な疑問が思い浮かぶだけです。

しかしそんな疑問も「そんなことやろうと思えば、どうにでもなるんだよ」の一言でかき消されました。現代社会においても身分証明書だとか、出生届けだとか、どうにでもなるんだそうです。

僕の知り合いの件にしても、この映画のトムとハンナの件にしても、何年も年月が経ってしまうと誰を罪に問うかというのは難しい問題ですよね。いずれにしてもトムが一度他人の子を育てようとしたのなら、覚悟を決めてせめて大人になるまで育てるべきでした。

隠し通そうと思えばできたんだし。覚悟がないんならちゃんと上司に報告しようよ。どっちにしてもあの年齢になってから子供を親元に返すって残酷すぎませんか?

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