笑いあり、サプライズあり、感動ありの完成度の高い、ドタバタ群像劇。脚本が良く書けていて、ほどよく馬鹿馬鹿しいのがいいです。66点(100点満点)
あらすじ
仕事も家庭も順調で文句なしの生活を過ごしてきた40代のキャル(スティーヴ・カレル)は、愛妻エミリー(ジュリアン・ムーア)が浮気をし、離婚したいと打ち明けられたことで人生が一変。さえない日々を一人で過ごしていた彼はある夜、バーで遊び人のジェイコブ(ライアン・ゴズリング)と知り合う。妻を忘れられないキャルに新たな人生を歩ませようと、ジェイコブは女性を紹介したり、ファッションの磨き方などさまざま助言を与えるが……。
シネマトゥデイより
読者のkanzmiさんのリクエストです。ありがとうございます。
文句
グレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督による、くだらなくて、笑えて、最後にちょっと感動させられるラブコメディー。
妻一筋で生きてきた男が突然妻から離婚を切り出されたのをきっかけにオシャレをしたり、他の女と寝たりしながら新しい体験をしつつ、妻への愛を再認識していく物語です。
そこに17歳の少女に片思いを抱く13歳の少年の恋。バーでナンパばかりしていた男が弁護士志望の女の子に惚れて心を入れ替えるドラマなどを同時進行で見せていくストーリーになっていて、会話が面白く、ほどほどにふざけているので、見る人の緊張を解いてくれる内容になっています。
様々な年齢層の登場人物が出てきて、それぞれの恋愛模様が絶妙に交差していくので、どの年代の人が見てもそこそこ楽しめるでしょう。
展開の作り方は、妻と夫が喧嘩と和解を繰り返すベタな演出になっていますが、紆余曲折を経て、最後は誰も不幸にならない爽やかなエンディングにしているのが気持ちいいです。
やや不幸に終わったのは学校の担任と妻の浮気相手デイヴィッド・リンハーゲンぐらいでしょうか。デイヴィッド・リンハーゲンは名前自体がオチに使われていたぐらいなので、完全にいじられ要因でしたね。いずれも憎めないキャラばかりで、見ていて微笑ましかったです。
一見、お馬鹿なコメディーに見えて、スティーヴ・カレル、ジュリアン・ムーアなど演技派の俳優を揃えているのはさすがです。脇役もいいし、子役たちも頑張っていました。
そういえば「ラ・ラ・ランド」で話題になったライアン・ゴズリングとエマ・ストーンはこのときから共演していたんですね。
ライアン・ゴズリングはバーで夜な夜な女たちをお持ち帰りするナンパ師の役で、ハンナ(エマ・ストーン)に出会って愛を知り、生き方を180度変える、世の女性たちには胸キュンすぎるイケメン男を演じていました。もしかしたら彼の出演作品の中でも一番格好良かったんじゃないかな。
色々名シーンはあるんですが、僕が一番すごいなと思ったのは、年上の女の子ジェシカにずっと片思いを続けた13歳の少年ロビーが最後にジェシカからプレゼントをもらう下りです。
ロビーのあまりにも一途な思いに根負けしたジェシカは大人になるまでこれで我慢してねと言って、中学を卒業したばかりのロビーに自分のヌード写真をあげるのでした。
もちろん現実であんなことをしたら、それこそネットに上げられたり、売られたり、悪用されるリスクが高いので、絶対にやってはいけませんよ。
でも自分をすごく好きでいてくれる年下の少年の気持ちに報いるにはあまりにもセクシーで粋な贈り物ですね。年上のお姉さんから、あんなものもらった少年は大事にするだろうなぁ。
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