無人島で死体と友達になった男のぶっ飛んだコメディー劇。アイデアは斬新だけれど、特に面白くはないです。34点(100点満点)
スイス・アーミー・マンのあらすじ
無人島で遭難してしまったハンク(ポール・ダノ)は生きる気力を失い、悲嘆のあまり自殺しようとする。ちょうどそのとき、海岸に流れ着いた男性の死体(ダニエル・ラドクリフ)が目に飛び込んでくる。その死体からはガスが出ており、浮力があった。ハンクが飛び乗ると、死体はジェットスキーのように動き始め……。
シネマトゥデイより
スイス・アーミー・マンの感想と評価
ダニエル・シュナイナート&ダニエル・クワン監督によるシュールな友情ドラマ。アホらしくて笑える箇所もいくつかあるものの、全体的にはなんでそうなるの?の連続で、大分くだらない内容になっています。
物語は、無人島で自殺を図ろうとしていたハンクの目の前に海から死体が流れてくるところからスタートします。死体にはガスが溜まりに溜まって、ブーブーとオナラのような音がします。
沖に流されそうになった死体にハンクがしがみつくと、さらに大量のガスが発生し、死体とハンクはジェットスキーのように海上を走っていきます。
やがて別の島にたどり着いたハンクは自分の命を助けてくれた死体を担ぎながら、助けを求めて島をさまよっていく、というのが話の流れです。
死体のマニー役を演じるのはハリー・ポッターでお馴染みのダニエル・ラドクリフです。死体だけに表情はなく、ほぼほぼ静止した状態の難しい演技を彼はこなしていました。
途中、死体が喋りだしたり、動きだしたりするんですが、基本的にダニエル・ラドクリフはずっと青白い顔をして、生気の抜けた状態で最初から最後までいます。数秒の死体役ならまだしも、それがずっとだったから、よっぽど大変だったことでしょう。
この映画で感心できることはしかしそれだけです。主人公が死体と長い間一緒にいるうちに二人の間に友情が芽生え、たくさんの思い出を作るうちに離れがたい関係になっていく過程が描かれているだけで、笑いもドラマも薄かったです。
全体の9割が二人芝居で構成されているため、鍵となるのはやはり二人の会話でしょう。しかし脚本がそれほど優れているわけでもないので、シュールな展開についていくのがやっとでした。
考えようによっては死体をもてあそぶ縁起の悪いお話で、死体の口から出る水を飲んだり、死体を勃起させたり、なかなかグロいことを平気でやっているので、生理的に受け付けない人も多いでしょう。オリジナリティーに富んだ、変わった映画であることは間違いないですが。
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