アメリカで不朽の名作といわれている、超絶つまらないクリスマス映画。演出が古臭く、今の時代に見るのはちょっときついです。16点(100点満点)
あらすじ
ジョージ・ベイリイは子供のころから、生まれ故郷の小さなベタフォードの町を飛び出し、世界一周旅行をしたいという望を抱いていた。
彼の父は住宅金融会社を経営し、町の貧しい人々に低利で住宅を提供して尊敬を集めていたが、町のボス、銀行家のポッターはこれを目の仇にして事毎に圧迫を加えた。大都会のカレッジを卒業したジョージは懸案の海外旅行に出ようと思ったが、突然、彼の父が過労のため世を去った。
ジョージは、株主会議で後継社長に推され、承諾せねばならぬ羽目となった。やがてジョージは幼馴染みのメリイと結婚した。そして豪勢な新婚旅行に出発しようとした時、世界を襲った経済恐慌のため、ジョージの会社にも取付さわぎが起こった。
ジョージは旅費として持っていた5000ドルを貧しい預金者たちに払い戻してやり、急場をしのいだ。そのため新婚旅行は出来なくなったが、2人は幸福な結婚生活に入り、次々と4人の子供に恵まれた。住宅会社の業績も着々と上り、それに恐れをなしたポッターはジョージ懐柔策に出たが…
amazon.co.jpより
読者のトトさんのリクエストです。ありがとうございます。
文句
フランク・キャプラ監督による、人生の教訓染みたことを伝える人間ドラマ。俳優たちの演技がわざとらしく、登場人物たちの動きや喋りが忙しく、大部分のシーンでかなり滑ってる作品です。
時代性もあるせいか、子役も大人たちもとにかく声を張っていればいいみたいな大袈裟な宝塚風の演技をしています。恋愛の下りはかなりベタだし、男女のツンデレ具合がひどいです。
クリスマスシーズンには毎年のようにTV放映されるほどアメリカでは定番の家族映画らしいんですが、僕にとってはそれほど名作だとは思えませんでした。普遍的かどうかについても疑問に思います。
お金はないけど、町の人々のために一生懸命働いてきたジョージが度重なる不運に見舞われ、自殺を図り、命を救われた天子に自分の人生が素晴らしい人生であることを気づかされる、というのが話の全てです。
それだけのことを130分もかけてジョージの不必要な大声やハイテンションのノリと共にダラダラダラダラ伝えていくので、イライラせずにはいられませんでした。
そもそもジョージの片方の耳が聴こえないっていう設定があまり効果的じゃないですよね。声がでかくて、兵役が免除されるぐらいの伏線にしかなっておらず、彼の人生においてそれが障害になっているわけでもなく、都合のいいときだけ急に聞こえなくなるってなんだよ。
そもそも4人の健康な子供を授かって、美人で心優しい奥さんまでいるのに、自殺しようとする男の気持ちが分からないんですよね。一番、お前が死んだらダメだろ。
尺は長いくせに、ところどころかなりざっくり話を端折るところは笑えます。お父さんが死ぬとき、結婚するとき、子供が生まれるときなんか、いつの間に!って感じでしたね。
この映画を受け入れられるかどうかは主人公のジョージを好きになるかどうかにかかってるでしょう。ジョージはいい奴かもしれないけど、とにかくうるさいし、ノリがサブサブなんて僕はとても愛着を覚えることができずに最後まで冷ややかな目で彼を見つめていました。
ラストはジョージが普段から面倒を見ていた町の住人たちが、お金をカンパしてくれて、たちまち失った大金以上のお金が集まり、めでたしめでたし、という流れになっていました。
あれにしても、貧乏人たちがなんで急にあんなにお金を持つようになったのかの部分がざっくり抜けてるんですよね。
ジョージは金貸しとしてずっと生きてきたくせに困ったときにお金を集めたのは妻の方だったというのもなんとも皮肉な話です。主婦をやってた妻のほうが才能があったってことですね。ジョージは優しいだけで、仕事ができない、なかなかのポンコツってことです。
コメント
今の感覚で古典を見たらどうなるかと言う典型的すぎる感想ですね。
これは最早、今を生きてるが故に面白くないと言う答えが正しいと思います。
だって、今と昔じゃ演出も音楽もストーリーも映像も何もかも違うから、とりあえず、その時代の映画は見るのを止めた方が良いですよ。今の感覚じゃ一部分は面白くても全体的につまらない印象が多いですからね