至ってポジティブな、子供の教育にもってこいの映画。苦しい環境にも決して落ち込まず、みんなを味方に付けていくハイジが素敵です。58点(100点満点)
あらすじ
ハイジ(アヌーク・シュテフェン)は、アルプスの大自然の中で、頑固だが優しい祖父(ブルーノ・ガンツ)と生活していた。ある日、ハイジは足が悪くて車椅子生活を送る大富豪の娘クララの話し相手として、大都会フランクフルトに行くことになる。明るく素直なハイジの励ましもあり、クララは次第に元気になっていくが……。
シネマトゥデイより
文句
アニメ「アルプスの少女ハイジ」で日本人にも馴染みの深い、スイスの児童文学を基にした実写映画。シンプルで、素朴で、前向きで、一般受けする普遍的な作品です。
日本でも長らくテレビアニメで放映されていたので、世代によっては懐かしいんじゃないでしょうか。今の子供たちは知らないかもしれないけど、内容は大人にも子供にも受ける、スイス人も日本人にも理解される、教訓を含んだ話に仕上がっています。
物語は、両親を亡くし、伯母さんに育てられたハイジがある日、嫌々お爺さんの住むアルプスの山奥に連れて来れられるところから始まります。
伯母さんは半ば捨てるようにハイジをお爺さんの小屋の前に置いていき、その場を去ってしまいます。お爺さんは無責任な大人の行動に激怒し、ハイジに対しても最初こそきつく当りますが、ハイジの純粋さと人懐っこさにたちまちメロメロになり、彼女を育ていくことにします。
ところがそんなある日、意地悪な伯母さんがまた小屋にやって来ては、やっぱりハイジを連れ戻すと言い、ハイジをフランクフルトの金持ちの家に売り飛ばしてしまいます。
ハイジはそこの家の車椅子の娘の遊び相手を務めることになり、それがきっかけで読み書きを覚えるチャンスを得ます。
しかしハイジの心にはいつもアルプスの大自然があり、どうにかにしてまたお爺さんの下へと帰れないか知恵を振り絞るのです。
意地悪な親戚、家族が純粋で可愛いヒロインをいじめる、というのは昔の児童文学の鉄板の設定ですね。冷静に考えると、伯母さんがやってることは立派な人身売買だし、結構残酷なストーリーといえるかもしれません。
それでも逆境をもろともしないハイジのキャラが見るものに勇気を元気を与えるため、心が救われるような思いになるのでしょう。
ハイジを演じた少女がまた愛らしく、愛着の沸くキャラで良かったです。子供なのにすでにおっさんの風格が漂うピーターもいいですね。
ただ、中盤ちょっとダレる箇所がいくつかあり、あまりにもフランクフルトの下りに時間を割きすぎてしまったばかりに、あともうちょっとで、「フランクフルトの少女ハイジ」になるところでした。
あのタメと引っ張りのじらし演出は、その後のアルプスの開放感と大自然を強調するには有効的ですが、もうちょっと短くてもよかったですね。
それにしても昔の児童文学とか童話って分かりやすくて物語としての完成度が高いから永遠に語り継がれていきますよね。ハイジもまた他の物語と同様にこの先も何度もリメイクされて次世代へと伝えられていくんでしょう。なにが違うんですかね、現代の話と。
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