高倉健、桃井かおり、倍賞千恵子、渥美清などの大御所が共演した邦画の代表的なロードムービー。北海道の景色を背に物語が進んでいく、旅を感じさせてくれる作品です。60点(100点満点)
幸福の黄色いハンカチのあらすじ
新車を買って、あこがれの北海道をドライブする欽也(武田鉄矢)は、一人旅の朱美(桃井かおり)をナンパして二人で旅を続ける。途中、出所したばかりの中年男・勇作(高倉健)と知り合い、3人は旅を共にすることに。やがて勇作は、「自分を待っていてくれるなら、家の前に黄色いハンカチを掲げておいてくれ」と妻に手紙を書いたことを打ち明ける。
シネマトゥデイより
幸福の黄色いハンカチの
「おとうと」、「東京家族」などでお馴染みの山田洋次監督の代表作。ひょんなことから見ず知らずの若者三人が車で北海道を旅するロードムービーで、旅の要素と感動ドラマをミックスさせた作品です。
武田鉄矢扮するお調子者のお笑いキャラと、高倉健扮する硬派な真面目キャラの対比が上手く、その二人の間に桃井かおり扮する天然女子キャラを投入し、昭和を感じさせる人情味溢れる人間ドラマを展開します。
物語は、車を買ったばかりの青年が北海道で一人旅の女の子と訳ありの男と出会うところから本題に入っていきます。
青年鉄也はナンパした朱美をなんとか自分のものにしたいと願うと同時に彼女と二人きりになるために勇作と別行動を取りたがります。
それなのに朱美がやたらと勇作も自分たちと一緒に旅をするべきだと言って結局三人はずるずる旅を続け、やがて勇作の訳ありな過去について知ることになる、というのがストーリーの流れです。
鉄也(武田鉄矢)のキャラが若干うざく、今の時代の人にはない、異次元のしつこさと強引さが見ものです。
ガツガツした、いわゆるダサい男の典型で、無理矢理女の子にキスをせがんだりする彼の振る舞いは、今の時代だったらセクハラとか言われそうなレベルです。それでも断るほうにも断られるほうにも深刻さがないのがいいですね。
朱美の鉄也に対する態度は思わせぶりで、勿体ぶっていてよく分からなかったです。旅館で同じ部屋に泊まったときは散々拒絶した末に一瞬心を許してキスしたり、そうかと思ったら最後までやらせなかったり、あの線引きが意味不明でした。キスだけはいいっていうのが笑えますね。
しかしながら一番の意味不明キャラは他でもない勇作でしょう。高倉健が演じているだけあって寡黙で不器用な男前キャラを全面に押し出したキャラクターになっていて、自分の不運に酔っているところが鼻につきます。
過去に流産したことを隠していた嫁を罵倒するとか普通にクズだし、酒を飲んで外で喧嘩して、相手を殺してしまうって結構な馬鹿じゃないですか。
自分から離婚を突きつけておいて、まだ待ってくれてるんじゃないかと期待を寄せている我がままぶりもありえません。
気性の荒い九州男児が「まだ自分を待ってくれているなら黄色いハンカチを干しておいてくれ」っていうのも可愛いすぎませんか?ハンカチって。そもそもそれ奥さんのアイデアなのによく恥ずかしげもなくパクれるなぁ。
それでも多くの人には感動のラストが最大のインパクトとして記憶に残っている映画のようです。僕にとっては感動の要素は結構どうでもよかったです。
むしろ北海道を車で無目的にめぐる若者たちの生き生きとした姿にこそ心ひかれました。
欧米の映画では「イージーライダー」を筆頭に「モーターサイクル・ダイアリーズ」や「オン・ザ・ロード」などバイクや自動車でダラダラと旅をする映画はたくさんありますが、そういえば邦画ってあまりこの手の映画はないですよね。
旅する映画はあっても話題にならないぐらい駄作か、いい映画でも移動のシーンに力を入れていないことが多く、「旅行」を感じさせてもらえないですもんね。
日本の道路の景色があまり絵にならないというのもあるんでしょう。田舎を車で走ってても目につくのはチェーン店とパチンコ屋ばかりだしね。
コメント
「昭和」って感じのキャラで、いま見たら空気が違い過ぎ♪
でも当時はこの空気感がアリとしたら、影のある高倉健さんのあの雰囲気と、引き立て役な三枚目男性、女性が華を添える的な存在感かな?
キャラ設定もバランスがとれて見え、絶妙。
奥様へのどうしようもない過去のわだかまり、自己嫌悪が、古風な男の心情として理屈ではないものを感じさせる。
……今なら「はぁ?」ってムリある設定ですね~
ま、高倉健さんは似合うからアリかな♪
本当にクソ映画ですよね。
なんで評価されてるのか理解不能です。
妻が妊娠したのに、お祝いに酒を買って一人で飲む。(貧乏なんだから妻に栄養のあるものを買ってやれ)
妻が流産したのを非難(働かなくていいくらい稼いでこい)
最も辛いのは妻なのにやけ酒飲んで泥酔、ぶつかった人を暴行して殺す(糞すぎて同情の余地がない)
何が待っててくれるなら黄色いハンカチを…だ。ふざけんな。
こんなイライラする映画は他に知りません。
これ滅茶苦茶な映画でしたね