アホな警察と記者しか出てこないブレブレのメディア批判&事件解決ドラマ。ブラックコメディーにしたいのか、スリラーにしたいのかジャンル設定の段階でブレブレで、全てにおいて中途半端です。26点(100点満点)
あらすじ
記者のホ・ムヒョク(チョ・ジョンソク)は離婚と解雇の危機のさなか、連続殺人事件のスクープを入手。しかし、犯人の自筆メモが小説の一節であったことがわかり、スクープが実は誤報だったと気付く。そんな事情を知らない報道局の上司(イ・ミスク)はムヒョクに続報を迫り、事件の捜査にあたる刑事(ペ・ソンウ)はムヒョクを疑う。そんな中、事件の目撃者が出現、さらには誤報をなぞるような殺人事件が発生し……。
シネマトゥデイより
文句
連続殺人事件を題材にしたお馬鹿韓国映画です。情報提供者の話を信じて、容疑者の家に忍び込み、直筆メモを盗んできては、TVでそれを証拠として報道してしまうアホな記者の物語です。
誤報もなにもTV局が一切検証もせずに「犯人」と断定して報道してしまう、ずさんさがありえないです。実際にメディアが無関係の人の写真を取り上げたり、無実の人を容疑者と報じるミスはときどきありますが、それとこれとはあまりにもレベルが違いすぎます。
警察もまた同じノリで容疑者のアリバイすら取らず、物的証拠を適当に集めてきて、本能だけで犯人を追いかけるような調子で馬鹿馬鹿しくて刑事ドラマにすらなっていませんでした。
殺人犯もなにがしたいのか分からなかったし、彼が報道に沿った行動を取るメリットがないですよね。キャラもいまいちでシリアルキラーの不気味さが足りなかったです。
最大の問題点は、中途半端なブラックユーモアを投入しているところにあります。誤報の原因を作った主人公の記者がミスを隠蔽するために自ら犯人を装いTV局宛に手紙を書き、スクープをでっち上げます。そのせいであっというまに出世し、社内で賞賛を受ける姿をコミカルに描いていましたが、あの描写のせいで殺人事件の深刻さが薄れてしまっていました。
フォーカスしたいのは事件ではなくメディアの体制にあるなら、もっと報道のあり方について切り込んでいかないといけないでしょう。風刺のきいたストーリーというにはあまりにもお粗末です。
それにしてもTV局の女ボスがとんでもないこと言ってましたね。
「ニュースにおいては何が真実で何が偽りかを決めるのは視聴者なの。彼らが信じればそれが真実よ」
韓国メディアに関してはこのセリフがあながち映画の中だけの出来事に聞こえないところが怖いです。
ただ、万が一、何が真実で何が嘘かは問題じゃないと考えたとしても、主人公が自分の娘のDNA検査の結果まで自分の信じたいように解釈するっていうのとは話が違う気がします。
自分の妻の浮気相手の子供を育てるって普通にきついだろ。それも相手の男が人の作品を平気でパクッてしまうポンコツアーティストなら尚更で、大きくなって娘があいつの顔に似てきたらどうするつもりなんだろう。
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