人間同士をつなぎ合わせてムカデ人間を作る、というグロさと気持ち悪さを強調したカルト映画。一部のホラー映画ファンには受けそうなものの、これといって怖くはないです。42点(100点満点)
ムカデ人間のあらすじ
ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ人女性が突然のパンクに見舞われ、一軒の大邸宅に助けを求める。翌朝彼女たちが目覚めると、地下室のベッドに日本人男性と共に寝かされており、異常事態を察知するが、家の主であるドイツ人男性によって、人間の口と肛門を結合させる“ムカデ人間”の手術が始まろうとしていた。
シネマトゥデイより
ムカデ人間の感想
頭のおかしい外科医が人々を拉致監禁して口と肛門をつなげる手術を施す、というぶっ飛んだ話で、ごくごく少数のマニアが好きそうなホラー映画です。
森でトラブルに見舞われた美女たちが助けを求めに行った先が変質者の家だったというホラーではお約束のパターンから始まり、家から脱出を試む被害者と、それを阻止してムカデ人間の手術を成功させようと試みる加害者の恐怖のバトルを描いています。
美女二人のほかに日本人観光客が家に連れて来られて、ムカデ人間の材料にさせられるんですが、あそこで日本人が登場することによる、ゲンナリ効果が半端ないです。
日本人観光客を演じた北村昭博の演技は悪くないけれど、欧州のホラー劇の中に関西人が登場することで、突如として作品がコミカルになってしまいます。それも結構セリフがあるもんだから、余計に存在が邪魔に感じました。
日本語のニュアンスや響きが分からない外国人にとってはおそらくそれほど気にならないんでしょうが、日本の視聴者からしたら、あの状況に日本人がいる違和感を強く覚えるはずです。
本作の最大の売りは、変質者ドクターの気持ち悪さと計画の異常性でしょう。ドクターは顔も気持ち悪く、全身変質者オーラで包まれた、なかなかのキャラクターです。
そんなドクターが企てるのは、3人の人間の口と肛門を手術でつなぎ合わせ、一番目の人間が物を食べて排泄すると、二番目の人間がそれを食べ、さらに二番目の人間が排泄したものが3番目の人間の口に入る、という吐き気のする実験です。
確かにホラー映画としてはそのアイデアだけでも話題性は十分でしょう。その点については成功しているといえるかもしれません。
一方で映像やメイクアップの技術がいまいちだからか衝撃的なアイデアを上手く再現できておらず、怖いというよりただの滑稽な映画に成り下がっていました。
ホラー映画のリスクってまさにそこですよね。怖いか、くだらないかの五分五分の賭けになるようなところがあって、この映画は間違いなく後者でした。それでもシリーズ化されてパート3まで作られるんだから、やっぱり売れるんだなあ、ホラー映画って。
コメント
この映画観て、二度と「~人間」とゆうタイトルには手を出すまいと決意しました。「武器人間」もやだったし‥‥。でも興業的には成功してますよね。コアなファンたちがいろいろな場所でまさに「繋がって」いるようだし、所詮いかなる映画作品とても作者の精神的排泄物だと下品にとらえてしまった瞬間に、「なんだ俺たちのことか」と思いますます嫌な気分になる。喜んで繋がっておられる諸兄はおそらくそこまで達観してのお祭り騒ぎなのでしょうが、どうも参加する気にはなりません。
残念です。
親方さん
ホラーファンってどこの国にも一定数いて、マニアックな映画でもそれなりに売れるみたいですね。
見たことないし、見たくもないですが、タイトルと着想が衝撃的で
普通に考えれば映画化まではしないネタだと思います。
でも、怖いもの見たさ心理を妙に衝かれますね~。
どうせならただ繋げるだけでなくムカデ人間環みたいに輪っかにして
これからの食糧不足に対する提言まで行って欲しかったですけど・・
そっか~、輪っかにすると最初の食事をどこからするかが問題ですよね(笑)