狂った人たちによる、単純な事件を複雑化しただけの韓国お馬鹿サスペンス。まともな人が一人も出てこない現実感のない駄作です。33点(100点満点)
母なる証明のあらすじ
早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。
シネマトゥデイより
読者のりんさんのリクエストです。ありがとうございます。
母なる証明の感想
「ほえる犬は噛まない」、「殺人の追憶」、「グエムル -漢江の怪物-」、「パラサイト半地下の家族」、「スノーピアサー」、「オクジャ」、「Tokyo!」などで知られるポン・ジュノ監督によるサスペンスドラマ。辻褄の合わない展開に、主人公のトジュンを演じたウォンビンのベタな演技とバカばっかりの登場人物たちにイライラしてくる作品です。
話は、汚いババアが原っぱで踊っている気持ち悪いシーンからスタートします。この瞬間、「あれ、これはダメなやつだわ」と僕の直感が働きました。でも偏見を持ってもいけないので、最後までちゃんと見たらやっぱりダメなやつでした。
簡単に言えば、知恵遅れの息子が殺人容疑をかけられ、無実を晴らすために奔走する母親を描いた犯人探し映画です。純粋で無力な息子を守ろうとするばかりに母親の愛情が歪み、暴走していく姿を描きたかったのでしょうが、いかんせんリアリティーがほとんどなく、鼻で笑ってしまうレベルです。
一番腹が立つのは、イケメンジャニーズ系俳優ウォンビンに知恵遅れの少年の役をやらせて、「かわいい」みたいな描写をしているところです。
いわゆるドラマ「未成年」で香取慎吾がデクを演じたのと同じノリで、とぼけた顔で子供っぽい喋り方をすればそれで障害者の出来上がりみたいな即席パフォーマンスが舐めています。
おそらく理想は「ギルバード・グレイプ」のディカプリオのようなキャラクターを作りつつ、実は純粋そうに見える少年が犯人だったという意外性を生みたかったのでしょう。
ただ、意外性もなにも警察が普通の捜査をしていたら、犯人なんてすぐに捕まるレベルの単純な事件ですよね。だって息子は手袋もせず、帽子も被らずに死体を屋上まで引きずってるんですよ。
凶器となった岩には当然指紋が付いてるだろうし、髪の毛の一本や二本その場に落ちてるでしょう。それなのに現場から見つかったのはゴルフボールだけって捜査員全員老眼かよ。
目撃者がいたのに聞き込み捜査もまともに行われず、”真犯人”のアリバイも裏を取らないって、なにひとつちゃんとやってないじゃないですか、あの警察は。
そう考えると、あんなに話が二転三転する意味が分かりませんでしたね。母親の愛情らしい愛情も特に感じませんでした。立小便している息子のチンコをじっと覗いてるところぐらいしか印象に残りませんでした。
息子への異常な愛を描きたいのであれば、親近相姦のシーンぐらい入れたらいいじゃないですか。それをベッドで一緒に添い寝するとか、なにもかもが中途半端ですね。
冷静に考えると、ただの人殺し親子の物語でしたね。愛なんてどこにもなかったです。そしてラストはやっぱりババアが気持ち悪いダンスを見せて終わりです。お前はそのまま一生踊ってろ。
コメント
リクエストにお応えくださり、ありがとうございます。
33点にちょっと驚きましたが、「文句」を拝見して
「う~ん、確かに…」と納得してしまいました。
ご指摘の矛盾点に気付けず、しっかり感情移入してしまうと
結構ハラハラドキドキ、意外な展開(息子が犯人)に驚き、
子を思う母の強い愛に、いたく感動できました。
映画男さんの「文句」、これからも楽しみにしています。
りんさん
リクエストありがとうございました。点数はあくまでも僕の独断と偏見を元に採点したものなので気になさらないでくださいね。