売れない映画監督とその仲間たちによる、ちょっと笑えてほのぼのする人間ドラマ。全編白黒で、会話を中心に物語が進んでいく、低予算コメディー映画です。50点(100点満点)
お盆の弟のあらすじ
妻子と別居中のうだつの上がらない映画監督タカシ(渋川清彦)は、ガンで入院中の兄マサル(光石研)の看病を理由に実家に戻っていた。彼の仕事は神社へのお参りと、兄のために夕飯の支度をすること。タカシは売れないシナリオライターで、地元の仲間藤村(岡田浩暉)とつるんでいたが、ある日、涼子(河井青葉)という女性を紹介され……。
シネマトゥディより
お盆の弟の感想
「百円の恋」の脚本家、足立紳&大崎章監督による家族コメディードラマで、インディーズの雰囲気がプンプンする映画です。
特にトレンディー俳優が出ているわけでもなく、強いメッセージ性があるわけでもなく、全体的に緩い物語でミニシアター系映画が好きな人に向いている映画です。
撮影場所は群馬県で、キャストもまた全員が群馬県出身だそうです。みんな素朴でリアルな人たちなので、変なわざとらしさがないのがいいですね。
ストーリーは、主人公のタカシが妻と別居中で、癌の兄と同居しているという状況からスタートします。タカシは売れない映画監督で、ろくに仕事もせず、なんとなく新しい作品の構想を練って友人とああでもない、こうでもないと言いながら毎日を過ごしています。
そんなタカシに愛想をつかした妻は離婚を迫ります。そんなときにタカシは友達から美人の女性を紹介され、デートするようになる、というのがあらすじです。
物語の中に大きなアップダウンはないものの、それなりに意表をつき、先が読めない展開にしてあります。ユーモアもあり、ふふと笑えるシーンもいくつかあるので、あれでテンポが良くて、効果的な音楽などを使っていればもっといい映画になりそうな気配がありました。
映像が売りではなく、地味な会話やのんびりした雰囲気が見所なので、この映画は白黒にして正解かもしれませんね。いい絵を撮るとかにこだわる必要がないので天候にもそれほど左右されず、コストも安くなりそうだし。
一方で演技のレベルにはムラがありますね。主人公、主人公の兄、妻、涼子ぐらいはセーフだけれど、主人公の親友、藤村を演じた岡田浩暉(おかだこうき)の滑舌の悪さが尋常じゃなく、ほとんど理解できなかったです。セリフの半分はインドネシア語にしか聞こえませんでしたね。せっかくいい映画なのに惜しいなぁ。
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