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ナビィの恋はいつ見ても癒される沖縄映画の名作!ネタバレと感想

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nabi

沖縄を舞台にした、何度見ても素敵なミュージカル恋愛家族ドラマ。映像、音楽、素人俳優、そして全体の和やかな雰囲気に癒されること間違いなし。84点(100点満点)

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ナビィの恋のあらすじ

祖父母の暮らす沖縄県・粟国島に里帰りした奈々子(西田尚美)。幼馴染みのケンジ(津波信一)が操縦する島への連絡船で、奈々子は白いスーツの老紳士を見かける。奈々子を迎えるナビィおばあ(平良とみ)とおじぃの恵達(登川誠仁)。ひょんなことで恵達の家に滞在することになった風来坊、福之助(村上淳)も交えてにぎやかな雰囲気に。

だがなんとなくナビィおばあの様子が落ち着かない。奈々子が船で見かけた男性は、60年ぶりに島へ帰ってきたナビィおばあのかつての恋人・サンラー(平良進)だったのだ。島から追放されたサンラーが戻ってきたことで、東金城(あがりかなぐすく)家一同はユタ(吉田妙子)を囲んで大騒ぎになった。

wikipediaより

ナビィの恋の感想

これまで5、6回は見た大好きな映画です。沖縄の伝統音楽に乗せて文化を紹介しつつ、カラッとした恋物語を描いた、ものすごくバランスの取れた作品で、あの美しい映像と村の雰囲気を見ていたら、今すぐにでも沖縄に行きたくなるほどです。

物語は、オバアと初恋の相手サンラーの60年越しの恋、そしてオバアの孫の奈々子とバックパッカー福之助の新たな恋を同時に描いていきます。

オバアは家族の反対もあり、昔本当に好きだったサンラーとは結婚させてもらえず、サンラーはブラジルに移住してしまいます。しかし60年後、二人はお墓の前で再会し、当時の情熱を取り戻すのでした。

一方で、そんなオバアの行動を不審に思った孫の奈々子は、オジィに気を使いながらオバアの後をつけ、様子を伺います。

オバアが初恋の相手と再会し、上の空であることを知った奈々子はオバアがどこかへ言ってしまうのではないかと不安に襲われます。

そんなある日、奈々子の家にバックパッカーの福之助が転がり込んできて、二人はごく自然に恋心を抱いていく、というのがあらすじです。

物語の要所、要所で三線やバイオリンなどのミュージカルシーンが挿入されます。いきなり登場人物が踊りだしたり、歌いだしたりするミュージカルは僕は嫌いなんですが、この映画だけは別です。

他のミュージカル映画と何が違うのかというと、俳優たちではなく、ミュージシャンたちが主役になっている点でしょうか。

俳優たちに歌わせてるのではなく、ミュージシャンたちに演技をさせているのです。その素人の雰囲気と、沖縄の景色と、物語がつづる平和な光景が、なんともいえない味を出しています。

はっきり言って演技のレベルは低く、俳優たちがごにょごにょ話すため、セリフが聞き取れない箇所も多々あるんですが、その全てをカバーしてしまう良さがそれぞれのキャストにあります。地元の人たちと力を合わせて作った、手作りの映画という感じがいいんですかね。

沖縄らしい横のつながりや村社会の描き方がコミカルで、重要なことは家族会議で決まったり、ユタ(シャーマン)を呼んだりしていましたね。あのユタのうさん臭さといったらなく、「このままだと家族が滅びる」というのが口癖なのが笑えます。

運良く、この映画を沖縄の人と見る機会があったんですが、沖縄県民の間でも人気の高い映画だそうです。まさしく地元の人が見ても、普通に楽しめる正真正銘の沖縄映画で、「涙そうそう」などとは比べ物になりません。

なにより登場人物たちが南国気質でジメジメメソメソしていないのがいいです。オジィなんてオバアが昔の男のもとへ行くのに気づいていたのに怒りもせず、運命をそっと受け入れていましたね。

オバアが問題なく旅立てるように、自分の弁当を届けるのを孫娘にやらせたりして、旦那として最後に彼女のためにできる気配りをしていました。ギャーギャー騒いでもしょうがないさ、なるようになるんだから、と言わんばかりのあの態度は男として立派ですね。

家族を捨てて、いい歳して駆け落ちしてしまうオバアもオバアですが、彼女が抜けた穴を若い男女が埋めていくという血のつながりを感じさせる物語でした。

奈々子と福之助の恋はどうやって描くのかと思っていたら、悲しみに暮れた奈々子が自分からハグしに行ったのがよかったです。あの状況で一番心落ち着く場所が福之助の腕の中だったんでしょうね。

冷静に考えると、花をプレゼントしたり、駆け落ちしたり、いきなりハグしたりって、登場人物たちはちょくちょくすごくキザなことをしているんですよね。

その割には全然キザに映らないところが不思議でした。日本有数の格好付け男、村上淳ですら、この映画の中では爽やかな青年を好演しているぐらいで、全てが奇跡的なバランスを保っている、日本映画史上に残る名作です。

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