隣に住む大学生同士の恋をつづった、アンダーグラウンドの雰囲気のある青春映画。演技のレベルは低いものの、若手俳優にチャンスを与えて、ある程度形になっている作品。44点(100点満点)
スキマスキのあらすじ
隙間に異常な愛着を抱いてしまう困った性癖を持つ大学生ヘイサク(町田啓太)は、罪悪感を抱きながらも隣家に住む女性・文緒(佐々木心音)の私生活をカーテンの隙間からのぞいていた。一方の文緒ものぞかれていることを知りながら、ヘイサクを窓の隙間から観察していた。そんな二人がある出来事を通じて親しくなったことから、互いと向き合っていき……。
シネマトゥディより
スキマスキの感想
同じ大学に通う、隙間が好きな男子と、覗きの趣味を持つ女子の恋と青春の物語です。出演キャストたちがそれぞれ演技慣れしていない感じが出まくっていて、全体的に演技のレベルは低く、ストーリーも演出もお世辞にもクオリティーが高いとは言えません。
むしろ未完成といったほうがいいかもしれません。それでも見れないレベルではなく、これから頭角を現そうとしている若い監督が少ない予算の中でアイデアを振り絞って作った印象がありました。
たくさんの映画に出演しているけど、演技が下手な俳優たちは日本に腐るほどいます。それに比べて本作の出演者たちはいい意味で素人の雰囲気と新鮮さがありました。
トレンディー俳優で固めただけの格好付けた物語はもううんざりなので、日本に今必要なのは低予算、新人俳優、若手監督による映画でしょう。もっとこの映画のような作品があってもいいです。
キャストの中ではヒロインの文緒を演じた佐々木心音が間違いなく一番いい仕事をしていましたね。なんでしょう、彼女のあのキャラは。女に嫌われるタイプ、ナンバーワンって感じでした。男に分かりやすくスキを見せて色気を振りまく安っぽさと微妙な可愛さがいいですね。
一緒にこの映画を見た女の子は思わず「この子、全然可愛くない」と、嫌悪感からなのか、あるいは嫉妬からなのか分からないような辛口コメントをつぶやいていました。女って怖いですね。
でもね、女性諸君。男からすると、ああいう女って分かりやすくて、ありがたいんだよ。酒を飲んだら、すぐにもたれかかってきて、いかにもやらせてくれそうな態度を取って、いざそのときになったら本当にやらせてくれる女ね。つまらなそうにしてツンツンしてる女よりずっといいって。
あのキャラ、というか佐々木心音がリアルでした。どこの大学にもいそうだし、飲み会や合コンにもああいう子いますよね。ベッドシーンでも佐々木心音は普通に全裸になって、和気あいあいと男とちちくり合っていたのが若々しくて青春を感じさせます。
全然色気はないんですが、変に格好つけてキザなセリフを言わせるロマンティックなラブシーンよりずっと好感が持てました。
全体的に飾ってない、嫌味のない映画でしたね。もうちょっとでいい映画になりそうだなあ、といった期待を持たせてくれる、なにかが作品の中にありました。吉田浩太監督の他の作品も見てみようかな。
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