「鍵泥棒のメソッド」の内田けんじ監督によるテンポが悪く、メリハリがなく、ダメな映画の王道を行くサスペンスドラマ。オチの部分は全て説明で済ませるという演出が最低です。9点(100点満点)
アフタースクールのあらすじ
母校の中学で働く教師、神野(大泉洋)のもとに、かつての同級生だと名乗る探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。探偵は、神野の幼なじみで今は一流企業に勤める木村(堺雅人)の行方を追っていた。心ならずも木村探しに巻き込まれるうちに神野の知らない木村の姿が明らかになり、事態は誰もが予想しない展開に向かっていく。
シネマトゥディより
読者の谷口Aさんのリクエストです。
アフタースクールの感想
非常に退屈で、いいところが見当たらない映画です。前半部分は視聴者を置いてけぼりにし、全く訳の分からない状況のまま物語が進むかと思えば、後半はオチを登場人物が説明してしまう、という一番やってはいけない手法で撮られています。
話は、会社員の木村(堺雅人)と妊娠中の美紀(常盤貴子)が夫婦という態で進んでいきます。木村は妊娠中の”妻”がいるにもかかわらず、別の女性と密会しているところをキャッチされ、社長の命令により怪しい探偵に後を付けられます。
探偵は木村探しのために木村の母校を訪れ、そこで教員をしている同級生の神野(大泉洋)を巻き込んで木村探しを始めるものの、ただの不倫調査に見えた依頼の裏には実は大きな組織が動いていた、というのが話しの流れです。
それにしてもストーリーがボロだらけで、どこに文句を言っていいのか困るレベルです。もっとちゃんと脚本書こうよって言いたくなります。
最後にサプライズを用意するのはいいとしても、それならちゃんとオチまでの部分を辻褄の合ったストーリー構成にしてくれないと後付け感が出るんですよ。
木村(堺雅人)と美紀(常盤貴子)が”夫婦”だというのを序盤に強調するばかりに後半になって収拾がつかないことになっています。
例えば出産の場にいない木村が責め立てられるシーンがありますが、あれは不必要ですね。病室には神野(大泉洋)、美紀(常盤貴子)、父親を装った警官がいて
「木村どこに行ったのかな仕事かな?」
「それなら連絡ぐらいあるはずだ。こんな大事なときに何をしてるんだ。どこか女のところにでもいるのか」
などというやり取りがありましたが、裏事情を知っている三人がこんな会話をするはずがありませんよね。
そもそも事情を全部知っている神野(大泉洋)が探偵についていく理由がどこにもないです。騙されたフリする必要もないし、探偵に向かって「なんでもいいけどもっと詳しく聞かせてくれよ」と何度もいいますが、あれは視聴者のセリフですよ。
複数の登場人物が複雑に入り乱れる話にしたばかりにおそらく作っている側も途中からなにがなんだか分からなくなってしまったんでしょう。それでもラストで答えを明かしてしまえば、なんだそういうことか、と丸く収まったような感じがするのがサプライズ映画の怖いところです。
会社の社長から後を付けられる木村、探偵から追われる木村、ヤクザの組長から狙われるホステスの女、ヤクザから狙われる探偵、組長と社長を追う警察。登場人物のほとんが追われているっていうのが間抜けです。大手企業の社長がヤクザの裏取引を代行してるっていう下りも笑えますね。あれだけの規模の社長なら十分金持ってるだろって。
最大の問題はリアリティーもなければ、ぶっ飛んでいるわけでもなく、怖くもなければ、笑えもしない、といったように全体の方向性が見えないことです。とにかく中身が空っぽなので鑑賞後どんな内容だったのか5分もしたら忘れますよ。
コメント
あ、だいぶ前にリクエストしたやつですね!
ありがとうございます!
この映画最初見た時よくわからなくて、二回目見た時も腑に落ちなくてネタバレ感想サイトをあさった映画です。やっぱりところどころ変ですよね。
ただ雰囲気は好きなので時々見返します。
また気がむいたらリクエストしますね!
谷口Aさん
リクエストにお応えするに時間がかかってしまってすみません。それにしても変なところが多く、よく分からない映画でしたね。また、リクエストしてくださいね。
ミスリードしたすぎて、
辻褄の合わない点が多いですね。
特に一番腑に落ちないのは、仰るように
神野がずっと探偵と行動を共にする所です。
最初は確かに本当に島崎だと思ったと言ってますが、
途中で気づいたならあんなに一日中一緒にいる事はないのではと思います。
そこに納得できる理由が有ればよかったのですが。
確かにすぐ忘れますね。
以前見たけど、すっかり忘れていてまた見てしまいました。
見たことある映画なのに忘れててもう一度見ちゃうのあるあるですね