イギリス発本格スパイドラマ。元軍人でホテルマネージャーの男がスパイとしてスカウトされ、悪名高い武器商人のボスに近づき、諜報活動をしていくハラハラドキドキのシリーズ。72点(100点満点)
ナイト・マネージャーのあらすじ
「世界一の悪党」と言われるローパーは、パインの愛したソフィーの死を招いた人物でもあった。 パインはスパイとして起用され、身分を変えて、ローパーの想像を超えた冨と権力に満ちた闇の世界へと踏み込む。彼の使命とは、ローパーに正義の鉄槌を下すこと。しかし英国情報部の内部紛争によりその任務は、より困難を極め、彼の命までもが危険にさらされる。
amazon.co.jpより
ナイト・マネージャーの感想
イギリスとアメリカの合作による本格派スパイドラマシリーズです。久々に面白いスパイものの作品に出会えました。
それもダラダラ数シーズンも続いていくシリーズではなく、全6エピソードで完結するお手ごろ感が最高です。
スパイ映画やドラマといえば最近はありえない異次元のミッションやアクションばかりが売りになっていますが、このドラマは違います。
どのように一人の男がスパイとしてスカウトされ、そこからカバーとなって国際的な武器の売買をしているマフィアの組織内へと潜入捜査し、悪者を追い詰めていく様子が描かれています。
よくある殴る蹴る撃つのアクションシーンも限られていて大半が知恵と勇気を振り絞った諜報活動に終始します。スパイといえばCIAがお馴染みですが、本シリーズの諜報機関はイギリスのMI5を基とする小さなオペレーション部門です。
国際的な問題だけに途中、上層部やCIAが邪魔に入ったりとオペレーションの遂行にも様々な障壁が出てきますが、その中でアメリカを正義ではなく、どちらかというと「悪」として描いている大変珍しいストーリーでもありますね。
潜入捜査といえば警察がマフィアの一員として活動したりするお馴染みの作戦ですが、このドラマの場合はスケールが全然違います。
主人公パインがカバーとして潜入するための偽のアイデンティティーを作り上げていく過程や命を張ってマフィアのボスの信頼を得ていく様子が詳細に渡っていて面白いです。
もともとホテルのマネージャーをしていただけに主人公パインはとにかく頭の回転が速く、気配りができ、仕事のスキルが高いため、ボスからの信頼は日に日に増していきます。するとやがて会社を一つ任されることになり、それがきっかけで世界中の富豪との交渉の場にも出向くようになり、ついには軍隊まで絡んでくるほど話が大きくなっていくのです。
一つリアリティーに欠けるところといえば主人公パインがあまりにもイケメンで身のこなし方がスマートで美しくすぎる点でしょうか。
その美貌を武器に彼はまた次々と綺麗な女たちと恋仲になってしまうところもいかにもでしたね。スパイは女好きで、女にモテるっていう設定は万国共通なんですね。
スパイかどうかは別として知り合いの嫁さんに手を出しちゃあいけませんね。それよりなによりこんな男が友達にいたら自分の嫁さんには紹介するなってことです。すぐに寝取られちゃうから。
コメント
ジョン・ル・カレとかフレデリック・フォーサイスのスパイものはいいですね。
それにこのシリーズは吹き替え版が提供されてるので、なお嬉しい。
あ、フォーサイスの「ジャッカル日」が見当たらないですね、あれ結構面白いんですけど。
ぜひ字幕で見てください。面白い作品はなおさら。