現代風のターザンが洋服を着て、ジャングルを飛んだり跳ねたりするミスマッチなアクションアドベンチャー。従来のイメージをわざわざぶち壊して失敗した遠回り映画。33点(100点満点)
ターザンREBORNのあらすじ
生後間もなく国の反乱が原因で、コンゴのジャングルで動物たちに育てられた英国貴族ターザン(アレキサンダー・スカルスガルド)は、美しい妻ジェーン(マーゴット・ロビー)とロンドンで生活していた。
ある日、政府の命令で故郷へ戻るがそれは巧妙なわなで、ジャングルを侵略された上に、妻がさらわれてしまう。愛する妻と故郷を取り戻すべく、ターザンは内なる野性を呼び覚まして戦うことを決意する。
シネマトゥディより
ターザンREBORNの感想
ハリーポッターシリーズ、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」、「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」のデヴィッド・イェーツ監督によるアクション劇です。全体的にターザンが洗練されていて、野生的さを失い、近代的なイケメンに仕上がっています。それに抵抗を覚えるかどうかで、この映画の評価も二分しそうです。
物語はコンゴでダイヤモンドを探すベルギーの軍隊と、過去の因縁からターザンの命を狙う部族、そして政府の指令を受けてコンゴに向かったターザンとターザンの嫁たちを中心に回っていきます。
道中、ターザンの嫁はベルギーの悪徳軍隊に誘拐されます。なんでもターザンを部族に引き出せばダイアモンドがもらえるそうで、ベルギー軍はそのダイアモンドを使って強力な軍を結成し、最終的にはコンゴを制圧してしまおうという魂胆です。ターザンは自分の嫁を誘拐されたことで、地元の仲間たちと一緒にベルギー軍の後を追っていきます。
色々話を複雑化させていますが、そこからストーリーは延々とターザンと軍隊による追いかけっこになり、双方共にジャングル中をさまようだけになります。
途中、ターザンはかつての動物たちの仲間とジャングルで再会したり、喧嘩したり、仲直りしたりするんですが、あまりにもターザンが万能で、種類に関わらずいろんな動物から信頼されていて笑えてきます。
ターザンにかかればどんな動物も思いのままで、最終的にはサルとかバッファローとかの大群が人間たちに向かっていくという始末でした。
ターザンは超人的な身体能力を披露するんですが、木の枝を渡ってピョンピョン飛んだりするわりには実につけているのが普通の洋服だったりするからどこか不自然で、あんなピチピチのズボンを履いてあんなに身軽に動けるわけないじゃん、と思わせます。
それはキャスティングの問題でもあって、ターザン役を演じたアレクサンダー・スカルスガルドがモデルみたいで、全然ワイルドじゃないんですよね。もっと大仁田厚のような傷だらけの男にしてくれないと。
それにしてもターザンって「ジャングルブック」とかぶってますよね。主人公を同一人物として混合している人も少なくないんじゃないでしょうか。少なくとも僕はどっちがどっちだが分かっていませんでした。簡単に違いを説明すると、こんな感じです。
ターザン
- 出身 コンゴ
- 育ての親 猿
- プロフィール 動物たちに愛される運動神経抜群の大人
モーグリ(ジャングルブック)
- 出身 インド
- 育ての親 オオカミ
- プロフィール 動物たちに愛される可愛らしい子供
両方とも大昔の物語ですが、動物に育てられたというのがポイントです。世界中には動物に育てられた、あるいは人間社会から隔離されて育った野生児の例って結構あるんですよね。
でも普通は人間の言葉が話せないはずなんですが、モーグリもターザンもペラペラじゃないですか。どうせだったら主人公がセリフ一切なしで最後まで突き通すような映画を撮ってもらいたいですよね。
ターザンなんて動物にも人気あるだけじゃなくて、人間の美人な女を普通に口説いて結婚までしてるし、恋愛感まで人間のセンスを身につけてるって一体どういうことなんですかね。
猿に育てられたんだったらゴリラみたいな女と結婚しないと辻褄合わないじゃないですか。それで初めてワイルドだろうが。
コメント
「そこからストーリーは永遠と」の永遠は延々の間違いでは?
ありがとうございます。訂正しました。