映画の撮り方をとっくの昔の忘れてしまった監督スティーヴン・スピルバーグによる夢もへったくれもない駄作。お爺ちゃん巨人と人間の少女の友情を描いたグダグダの話で、ここ最近見たディズニーの作品で最もひどいです。18点(100点満点)
BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントのあらすじ
ロンドンの孤児院に住むソフィーはある晩、偶然窓から巨人を目撃してしまう。自分の姿を見られたことに気づいた巨人はソフィーをさらい、巨人の国へと連れて行ってしまう。
ソフィーは家に帰りたいと巨人にお願いするが、巨人は人間には巨人の存在を知られてはいけないといって一生家には返すまいと言い張る。巨人の名前はビッグ・フレンドリー・ジャイアント。彼と共に時間を過ごしているうちにソフィーは彼のことをBFGと呼ぶようになり、二人の間に友情が芽生える。
BFGは大きな体をしているものの巨人の中では小柄でひ弱だった。巨人の国には彼のことをいつもいじめる意地悪で凶暴な巨人がたちが大勢おり彼らは人間を食べるという。
ソフィーはほかの巨人たちにいじめられるBFGの姿を見ているうちに彼を応援するようになり、二人で力を合わせて悪い巨人に立ち向かうことを決心する。
BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントの感想
冷静に考えると、結構えぐいストーリーです。ある晩、おじいちゃんが少女を誘拐し、自分の家に連れて帰って監禁し、二度と家には帰さないなどとめちゃくちゃなことを言います。その時点でファンタジーどころか幼児拉致監禁事件ですからね。
ソフィーは自分を誘拐したおじいちゃんになぜか心を開いていき、あろうことか二人の間には友情が芽生えます。それって、誘拐された被害者が長らく監禁されていると誘拐犯に親近感を覚えていく、という恐ろしい心理とも考えられますね。よくもまあこんな話を映画化したなあ、という気がします。どこの子供が見て喜ぶんだよって。
1982年に書かれた童話を基にしているそうなんですが、原作はもちろん、一度アニメ映画になっているみたいですね。
それをわざわざ実写化したのは、「シンデレラ」、「ジャングルブック」などの最近のディズニーの実写化プロジェクトの一環でしょう。だからといってなんでもかんでも実写化すればいいってもんじゃないんですよ。
まず、ディズニーといえば、可愛らしさが売りですが、この映画は主人公の少女だけギリギリ可愛いだけで、あとは主要キャストはみんな汚い巨人のおっさんたちだけですからね。あれがビジュアル的にかなりまずいです。
巨人たちは不潔で、見るからに臭そうなんですよ。そんなおっさんたちの世界に夢とか魔法とかを注入したところで、全然美しくないじゃないですか。巨人のおじいちゃんと人間の少女の友情っていうのも無理ありませんか?おじいちゃんと少女って血がつながっていなかったら、なかなか関わりないと思うんですよね。
映像もダメダメでした。なんか夜景を撮って、適当にキラキラ光らせておけばきれいでしょ、みたいな投げやりな世界観で、特に巨人と人間を合わせて撮ったCG映像がぜんぜんいけてませんでした。「ミクロキッズ」を彷彿させる映像レベルでしたね。
特にぜんぜんファンタジックじゃないなあ、と思ったのがラストですね。ソフィーはBFGと一緒にイギリスの女王様のところに行って国の力を借りて意地悪な巨人たちをみんなで退治しに行くんですが、その戦い方が軍隊を引き連れて、軍用機を飛ばして巨人を捕まえるというとてもディズニーの世界とは思えない現実的な実力行使の戦いでした。
それにしてもこの映画、あのスティーヴン・スピルバーグが撮ったんだって。こういう映画を見ると、どんな分野でもやっぱり第一線から一度外れてしまうと、そこに戻ってくるのは難しいんだなあとつくづく思いますね。スピルバーグしかり、ジョージ・ルーカスしかり、彼らはある日どこかに「夢」と「魔法」を置き忘れてきてしまったんでしょうね。
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